
石油化学新聞 5488号(2026.6.22)
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 大阪ソーダ・・・事業強靭化へ投資 基礎化学品 5ヵ年で280億円
大阪ソーダはクロルアルカリ製品群などを手掛ける基礎化学品事業で26~30年度の5年間に、効率生産を目指した強靱化・コストダウン投資に280億円を充てる。老朽化した食塩電解設備の更新など行い、コスト競争力の強化と安定・安全生産の維持を図る。成長に向けた戦略投資も行い、GX関連投資や新規事業の銀ナノ粒子量産設備建設を進める。 - タキロンシーアイ・・・PE系モノマテリアルフィルム今期上市 海外生産で世界展開視野
- 東洋紡エムシー・・・3ヵ年中計を始動
変革第2ステージ 電材・環境・モビリティに重点
多彩な環境・機能材を手掛ける東洋紡エムシー(東洋紡51%、三菱商事49%出資)が30年を見据えた26年度から3年間の新中期経営計画「成長の加速―変革2・0―」を始動した。電材、環境、モビリティの三つの成長領域に経営資源を集中し、収益成長を加速させる。
東洋紡の技術を軸に三菱商事の経営ノウハウや海外ネットワークを掛け合わせて市場の成長を取り込む狙いで設立された東洋紡エムシーは、23年4月の事業開始から経営基盤の整備や収益力強化といった変革を推進してきた。新中計では「変革の第2ステージに入り、さらなる成長の加速を目指す」(五十嵐啓記副社長COO)考えだ。【写真】オールポリエステルカーシートを構成するクッション材「ブレスエアー」 - デンカ・・・低誘電樹脂フィラー、FCCL向け開発 PTFE代替
- ダイセル・・・AS樹脂の製造、28年3月に終了
- 石油化学工業協会・・・5月の石化製品生産実績
- 製品供給 石化協コメント 「6月以降も平年並み」樹脂在庫、適正維持
石油化学工業協会(工藤幸四郎会長=旭化成社長)は5月の主要石油化学製品の需給実績の公表と合わせてコメントを発表し「石化製品の供給は6月以降も平年並みが見込まれており、引き続き需要を満たすべく安定供給を維持していく」と強調した。国や会員企業と密接に連携しつつ、関連情報収集や必要な措置の徹底など対応に全力を注ぐ姿勢を改めて示した。
2月末のホルムズ海峡の事実上の封鎖以降、3~4月上旬までは混乱状態にあった。しかし、国内石油精製からの国産ナフサ調達の継続や中東産以外のナフサ調達の拡大、製品在庫の活用などにより4月中旬から5月に状況は落ち着いた。稼働するほぼすべてのナフサクラッカーで米国産などこれまであまり使ってこなかった性状の異なるナフサを使いこなし、エチレンをはじめ基礎化学品の供給を堅持した。
クラッカーの定修が前月の4社4プラントから2社2プラントに減ったことによる増産要因も手伝って、エチレンの生産量は4月に比べて15%増加した。稼働プラントの実質稼働率も68・1%と依然、低水準にあるとはいえ前月から0・8㌽改善している。
クラレ 創立100周年 合繊から化学品多彩に
果敢な開拓者精神で未来を創造
クラレが6月24日に創立100周年を迎える。その歩みは「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」という使命のもと、社会的責任と独自技術の追求に邁進し、さまざまな先駆的な事業を立ち上げ発展させてきた同社の歴史そのものである。

川原仁社長
1926年に化学繊維レーヨンの事業化を目的に岡山県倉敷市で創立したクラレは、第2次世界大戦後の50年には国産合成繊維第1号となるビニロンの工業化に成功し、日本の合成繊維の草創期を切り開いた。ビニロンの品質向上には原料からの一貫生産の技術的重要性を認識し、多くの苦難を乗り越えて原料ポリビニルアルコール(ポバール)の自製化も果たした。
ここで培った高分子化学、合成化学の独自技術をベースにさまざまな化学品を創出し、複数の海外企業の買収も活用しながら業容を拡大してきた。オリジナリティーにこだわるスペシャリティ化学企業として、数多くの世界ナンバーワン製品を有する。世界ナンバーワン製品にはポバール樹脂、液晶ディスプレイの偏光フィルムに不可欠な光学用ポバールフィルム、洗剤用個包装材に使われる水溶性ポバールフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、構造用合わせガラス中間膜の特殊アイオノマーシート、世界唯一の合成法イソプレンから生まれるケミカル製品群、ポリアミド9T樹脂、活性炭などがある。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 三井化学・・・非自動車分野を開拓 変性MDI 高機能ウレタン設計
三井化学のウレタン事業が堅調さを維持している。ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)はイソシアネート、ポリオール、触媒を揃え、変性MDIで高機能ウレタンを設計できることが強み。これまで自動車用内装材や高級シートを中心に存在感を高めてきた。変性MDIの販売比率は高くなく、自動車用途での開発も一巡しつつある。今後は非
自動車分野への高機能ウレタンの展開を通じて事業ポートフォリオの転換を急ぐ。地域戦略も重視し、インドなど新興市場の成長を取り込む構えだ。 - プラスチック循環利用協会・・・新会長に三菱ケミカルの筑本学社長
プラスチック循環利用協会は新会長に三菱ケミカルの筑本学社長=写真=、新副会長にトクヤマの横田浩会長を選出した。筑本会長は「循環経済とカーボンニュートラルの社会的要請が高まるなかで廃プラスチックの再生は一段と重要性が高まっている」と述べた。国内で排出する廃プラの約6割が海外に輸出される現状について「付加価値が流出している」と問題視し「回収から再生材の製造、販売、消費に至る一気通貫の循環型ビジネスモデルの構築が協会の使命」との認識を示した。 - クラサスケミカル・・・将来の大型再編に道筋
自ら稼ぎ基盤投資に注力
クラサスケミカルは石油化学専業の上場企業として10~12月ごろをメドに東京証券取引所スタンダード市場に新規株式公開(IPO)を行う。石化製品の有用性や不可欠性が広く社会から再認識されるなか、市場からの評価が注目される。また三井化学や三菱ケミカルが石化事業の分社化を検討するなか、クラサスケミカルはこれらに先行し、日本の石化産業が生き残るためのモデルケースを示す。持続可能性を備えた将来の大型業界再編に道筋を付けることにもなるだろう。同社の福田浩嗣社長=写真=に当面の施策と中長期展望を聞いた。
―改めてIPOの狙いや意図は。
自らで稼いだ金を投資に回して成長していく。それには独立する方が良いと判断した。(親会社の)レゾナックも半導体材料に傾注しており、双方の思惑がうまく重なったといえる。当社はこれまでもそれなりに利益を上げてきた(営業利益は24年86億円、25年42億円)。IPOで得る資金と自社の収益を活用し、まずは今後もしっかりと収益を上げるための基盤投資を行っていく。それにより収益性をさらに高め、株主還元と次の戦略的投資に回す好循環を遂げたい。
―国内有数の競争力を持つとされる大分コンビナートは1月に高圧ガス保安法のA認定を取得し定修周期を延長できる新たな武器を手に入れました。 - SusPla・・・SPC認証普及に力
- 石油化学工業協会・・・5月の汎用4樹脂の出荷実績
- 「夢・化学―21」・・・夏休み子ども化学実験ショー8月に
- 化学製品値上げ
・東ソー・・・カセイソーダと重炭酸ナトリウムを7月1日出荷分から1㌔㌘30円以上値上げする。・東亞合成・・・7月1日出
荷分からカセイソーダを1㌔㌘30円以上、カセイカリを同45円値上げする。・レゾナック・・・クロロプレンゴムを7月1日納入分から1㌔㌘50円以上値上げする。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- UBE・・・コンポジット事業 今期ROS10%超に リサイクル材拡大
UBEはコンポジット事業の売上高営業利益率(ROS)を収益改善と付加価値向上によって、今期中に10%以上へ引き上げる。重点事業に位置付けるスペシャリティー事業への早期復活を実現する。収益低下の一因だった価格転嫁の遅れを急ぐとともに、成長加速に向けて主力とするポリアミド樹脂(PA)系製品の付加価値向上と環境対応型製品の拡大に注力する。環境対応型製品は循環型社会への貢献を見据えてリサイクル材に注力し、欧州を突破口としてグローバルな拡大を目指す。 - 三井化学・・・米歯科材大手を買収 過去最高1440億円投資
- 日本化薬・・・偏光板、車載用途を重点拡大 染料系の特徴生かす
- 九州大学触媒有機化学研究室・・・清酒の脱硫技術紹介 APIC福岡に初出展
- レゾナックと関西大学・・・HSP新規分析手法共同研究拠点を設置
- 住友精化・・・姫路の再生SAP試験設備が稼働
- 三菱ケミカル・・・バイオエンプラがアウディ車に採用
- 東レ・・・自動運転トラックでABS樹脂商用輸送
- 日本ゼオン・・・微生物創薬開発の米新興企業に投資
- 日本ペイント・・・バイオマス樹脂の水系塗料8月発売
- 三洋化成工業・・・月面作業用駆動機JAXAが採択
