
石油化学新聞 5493号(2026.7.27)
THE PETROCHEMICAL PRESS
- リケンテクノス・・・コンパウンド、ベトナムで増設検討
三重の新工場計画も具体化
リケンテクノスは国内外でコンパウンドの増産投資に乗り出す。ベトナムでは塩化ビニル樹脂コンパウンドの生産設備を増設する検討に入った。年内にも計画を固め28年ごろの完成を目指す。国内は昨年発表した三重工場(三重県亀山市)隣接地での新工場建設計画を具体化させ、10月に着工し29年9月に完成させる予定だ。相次ぐ生産能力の増強で、拡大する需要を取り込む。
塩ビコンパウンドは自動車のワイヤハーネスや内外装部材、電線被覆材、建材、建装材などに広く使われる。工場は日本(三重、埼玉)、米国(ニュージャージー州、ケンタッキー州)、タイ、インドネシア、中国(上海)、ベトナムにある。需要増に対応し、23年にタイ、24年にベトナム、25年に米国ケンタッキー州の工場で増設を相次ぎ完了して以来、増設の動きが沈静化していたが、ベトナムで再び増設を行う意向だ。 - タキロンシーアイ・・・半導体材料 基材フィルム上市へ 各種製品の開発強化
- 日鉄ケミカル&マテリアル・・・5ヵ年計画、ROS10%以上に 収益力上げ成長へ
- 国内認証機関、改革へ議論進捗 規格・基準 産業界と連携強化
- 日本触媒・・・ジルコニアシートSOFC用再注目
電子先端材と健康で成長 トクヤマ 井上智弘社長に聞く

5ヵ年新中計 強み磨きファイン企業へ
窒化アルミは増設検討が深化
トクヤマは4月1日に就任した井上智弘社長の下、26~30年度に至る5カ年の新たな中期経営計画をスタートさせた。電子先端材料とライフサイエンス(健康)を成長事業と定め、経営資源を集中投下。意思決定済みの投資案件を確実に進捗させ、プラスアルファの成長投資も視野に入れる。30年のありたい姿の筆頭に「顧客起点のマーケティングから始める価値創造型企業」に据え、事業ポートフォリオの「変革」に拍車をかける。井上社長に目指すべき変革の姿や成長戦略などについて聞いた。
◇ ◇
―前中計(21~25年度)までに主要な設備投資や健康分野の大型M&Aなどを意思決定しました。新中計はこれらを収益として刈り取る時期となりますか。 既にまいた変革の種を太く大きく生い茂らせることが私のミッションだと心得ている。電子先端材料とライフサイエンスに成長事業を絞り込んだ今、当社はミニ総合化学から脱却し真のファインケミカル企業に転換を果たす。技術の強みにさらに磨きをかけ、時には軌道修正も加えつつ、変革を加速していく。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 塩化ビニル樹脂 業界再編が加速 貿易障壁に垂直統合で対抗
アジアの塩化ビニル樹脂(PVC)市場が地政学リスクと構造的過剰供給の二重苦に直面している。貿易障壁の高まりに対しPVCメーカーが競争力を維持するには、原料と設備の垂直統合が不可避。市場が巡航速度に戻るのは26年末以降になる見通しだ。 - 日本繊維産業連盟・日覺昭廣会長(東レ会長)・・・環境配慮設計を推進 省資源・脱炭素へ
- 発泡スチロール協会(JEPSA)・・・廃EPS、有効利用率は92% 25年 6年連続で9割台維持
- ダイセル・・・POM、PCR配合品を投入 摺動など4品目
- 三菱総合研究所・・・サプライチェーン新支援サービス、AI活用し影響評価
- 国際化学五輪・・・日本代表の高校生4人とも銀メダル
- 三井化学・・・業務支援新データ基盤を本格稼働
- 塩ビ工業・環境協会(VEC)・・・6月のPVC、VCMの生産・出荷
- 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・6月のOPP・CPP出荷実績
- 発泡スチレンシート工業会・・・2026年6月のPSP出荷実績
- 化学製品値上げ
・積水化学工業・・・強化プラスチック複合管と関連製品を10月1日出荷分から10%以上値上げする。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- ダイセル・・・セルロースを付加価値化 28年度にベンチ設備 木材原料活用へ前進
ダイセルは、研究開発で中長期的な重点注力テーマの一つとするバイオマスバリューチェーン構想の実現に向け、金沢大学バイオマス・グリーンイノベーションセンター(BGIC)を中核拠点として取り組みを加速させる。既にダイセルと金沢大学は木材中の成分を溶解する技術や、分離成分を化学修飾して付加価値品へ展開する技術を開発中。28年度にはベンチスケールの反応器を設置する計画であり、抽出したセルロースで有用金属の回収といった付加価値用途の開拓に取り組む。 - 帝人・・・自己修復と再利用性両立のCFRP開発
新社長インタビュー クレハ 名武克泰氏

成長へ挑戦機運醸成
ライフサイエンス領域強化
「『技術立社』や『ナケレバ、ツクレバ。』という開拓者精神は当社のアイデンティティー。これを支える自由闊達な組織風土、人を大切にする経営が当社の原点だと改めて感じた」。
こう語るのはクレハの社長に4月1日付で就任した名武克泰さん。就任あいさつなどで国内外の事業所を回り、従業員との対話を重ねた。「過去3年間の業績低迷で会社全体が下を向きがちだった状況を転換し、成長に向けて挑戦していこうという雰囲気を高めたい」と鼓舞する。
クレハは長らく収益の源泉だった機能製品事業の主力製品、フッ化ビニリデン(PVDF)の車載リチウムイオン電池正極用バインダー向け需要が23年度以降、欧米電気自動車(EV)市場の失速で低迷したことが大きく響き、営業利益(国際会計基準)が22年度の過去最高の224億円から23年度に128億円、24年度に96億円へ減少。25年度はPVDFと医薬品で計365億円の減損損失を計上したことで、営業損益が30年ぶりとなる186億円の赤字に転落した。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- ENEOS・・・独社と合成燃料で協業 日本市場拡大狙う

ENEOSはドイツのジャーマン・イーフューエル・ワン(GEF1)と合成燃料の日本導入支援や国際的なバリューチェーン構築を目的とした戦略的協業を開始した。GEF1がドイツで開発を進める大規模なe―ガソリン生産設備からの合成燃料を日本に初輸入し日本市場での導入拡大に向けた一歩を踏み出す。
GEF1とその株主であり戦略パートナーのイーフューエルにとっても欧州域外へ初輸出案件となる。ENEOSとイーフューエルは今後のe―ガソリン供給に関する売買契約も締結している。【写真】独社のe―ガソリン製造デモプラント - デンカ・・・アクリル系特殊合成ゴムから撤退
- ジャパンコンポジット・・・SMCがヤマハの船外機部品に採用
- AGC・・・施設園芸用フィルム、最長使用でギネスに
- ハイケム・・・陸上養殖用LED照明で中国企業と提携

ハイケムは、中国・佛山照明グループで海洋照明事業を担う佛照(海南)科技(佛照科技)と戦略的パートナーシップ契約を締結した。陸上養殖向けLED照明を日本市場へ展開し、収益性の高い陸上養殖の実現を目指す。将来的な海外展開も両社で検討する。【写真】佛照科技の孫研副総経理(左)とハイケムの高祐一社長 - 【訂正】7月20日号4面の日本触媒の生分解性プラスチックは「PHBH」ではありませんでした。
