石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

三菱ケミカルグループ・・・LIB電解液、生産技術供与を検討

年内にも契約締結へ

三菱ケミカルグループは、リチウムイオン電池(LIB)用電解液の生産技術をライセンス供与する検討に入った。欧州や米国の企業などと交渉を進めており、23年に第1号の契約締結を見込む。電解液は車載用LIB向けに需要が急拡大している半面、中国メーカーの台頭で競争環境が激化している。そこで他社への生産技術ライセンス供与や委託生産を含め供給力を強化し、市場でのプレゼンスを高める。

カセイソーダ・・・360㌦に売り手も敬遠 需給バランスは均衡へ

基礎素材の収益健全性守れ

カセイソーダの極東アジアFOB価格は3月第2週に1㌧360㌦のレポート価格をマークした。中国の現地ディストリビューターは内需の低迷を見越してさらなる先安感を強めている。このコスト度外視の異常価格に現地沿岸部の電解メーカーや日本のメーカーなどの売り手も敬遠する向きが強く、スポット輸出を手控える動きを示す。社会、経済や人々の生活にエッセンシャルな素材であるクロルアルカリ製品が一定の収益性を維持しない限り、カーボンニュートラル(CN)への対応は図るべくもない。

  • ダイセル・・・電流遮断器 EV化見据え世界展開 米に続き欧でも生産
  • 日清紡ホールディングス・・・燃料電池セパレーター、千葉で追加増産投資
  • クラレ・・・PA9T、車熱対策部品用に力 レーザー溶着性が高評価
  • 日本化薬・・・自動車安全部品で新規用途開拓へ
  • 三菱ケミカルグループ・・・アクリルグッズ等再生利用協に参画
  • 東レエンジニアリング・・・AI画像解析の新興に追加出資

<特集>化学企業のエレクトロニクス関連事業 ㊤

半導体関連、事業拡大の牽引役に
電動化や自動運転 広がる車両用途
デジタル化や高速通信化を支援エレクトロニクス分野は化学産業にとって主要市場の一つ。最終製品の市場がグローバルに広がり、求められるニーズも高度化、多様化するなか、化学技術を駆使した材料や部材は、幅広い領域で市場を広げている。足元は世界経済の混乱などで多くの最終製品の需要が停滞しており、先行き不透明だが、中期的にはデジタル化や通信の高速化、さらには自動車の電動化、自動運転化などを背景とし、半導体関連を中心に高い成長が見込まれる。化学産業が活躍できる場は広がる方向だ。

ダイセル

  • 溶剤レジスト材、増産し半導体用に力
  • 機能フィルム、亀岡工場を有効活用

帝人

  • 物品管理、RFID技術普及へ
  • 医療現場など採用拡大

東洋紡

  • PENフィルム、販路広げ成長加速
  • PETとシナジー 絶縁、FPC用に注力

クラレ

  • PA9T、増設を機に世界展開
  • DDR用、5G対応で来年倍増

積水化学工業

 

  • 次世代ディスプレイ、LCD維持し非液晶へ
  • 3Dインクジェット 省力化を提案

日本化薬

  • 機能性材料、半導体用を重点拡大
  • 色素材料  産業用、環境対応に力

出光興産

  • 有機LE材料、新技術でシェア拡大へ
  • 発光効率向上と長寿命化

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日本触媒・・・熱硬化系微粒子、量子ドット向け拡大

高屈折の光拡散剤 評価

日本触媒の熱硬化樹脂系球状微粒子「エポスター」が量子ドットOLEDパネル向けで国内外の複数メーカーから相次いで採用されている。有機微粒子としてはトップレベルの高い屈折率を特徴とする光拡散剤として先進ディスプレイ市場で高評価を獲得。熱による着色を抑える改良グレードや強固な安定供給体制の強みを生かし需要の本格化に万全の備えで臨み、新たな需要を取り込む。

  • 帝人・・・燃料電池用ガス拡散層、業界最薄品を開発
  • ポリプラスチックス・・・長繊維強化樹脂、GHGを大幅削減
  • 東レ・・・蛍光体パネル、乳がん検診向けなど 最高の分解能
  • 帝人フロンティアと静岡大・・・茶葉未利用成分抽出技術を開発
  • 三菱ケミカルグループ・・・PC再生事業化へ 福岡で実証実験
  • エフピコ・・・工場とハブセンター 兵庫・小野市に竣工 全国網完成

エフピコは兵庫県小野市に関西工場・関西ハブセンター=写真=を竣工した。投資額は単体施設の建設では最大規模の252億6千万円。これで全国の自社配送拠点を中心とした100㌔㍍圏内で全人口の85%をカバーする物流ネットワークが完成した。配送時間を短縮し物流2024年問題に対応する。新拠点はプラスチック製食品容器の工場と2府2 県( 大阪、京都、奈良、和歌山)向けハブセンターからなる。同エリアへはこれまで広島県の福山ハブセンターから製品を供給していたが、配送距離が300㌔㍍を超えていた。立地するひょうご小野産業団地は山陽自動車道の三木小野インターチェンジから約2㌔㍍とアクセスが良い。

  • 東洋紡・・・犬山のOPP新設備を稼働
  • 富山大学とハイケム、千代田化工建設・・・CO2原料のPX製造・単離に成功
  • 米国エネルギー情報局(EIA)・・・米国のエタン輸出日量7.3万㌧に拡大を予測
  • 経済産業省水素保安戦略検討会・・・水素普及促進へ保安戦略中間報告
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS、2月国内出荷
  • カーボンブラック協会・・・1月のカーボンブラック実績
  • 化学製品値上げ
    ・旭化成・・・アクリル樹脂
    ・三井化学・・・PET樹脂25日から エラストマー5製品
    ・クラレ・・・MMAとMAA25円
    ・ジェイ・プラス・・・フタル酸系可塑剤
    ・三菱ケミカルグループ・・・MMAやMAA BPAとAMS トリアセテート長繊
    ・旭有機材・・・フェノール樹脂など
    ・テクノUMG・・・ABS系を36円以上

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