石油化学新聞

自動車材料セミナー 11/20 13:00 ベルサール神保町(千代田区西神田)

*THE PETROCHEMICAL PRESS*

三井化学・・・バイオPP 実証本格化へ

需要業界から熱い視線 「早くサンプル手にしたい」

三井化学が世界初の事業化を目指すバイオポリプロピレン(バイオPP)が注目を集めている。CO削減に貢献する汎用素材とあって、自動車や包装材など需要業界からも熱い視線が送られており、「早くサンプルを手にしたい」との声は多い。目標とする2024年の生産開始に向けて、実証事業が今後本格化する。

30年の目標生産10万トン

実証事業を通して技術面、品質面、経済性、GHG排出量削減効果などの評価を多面的に実施する。石化由来に比べて、プロピレン1㌧当たりCO排出量4・2㌧の削減につながると試算している。「品質的には石化由来のプロピレン、PPと同等品の生産を目指している」(伊藤部長)という。

実証事業のスキーム

  • 帝人フロンティア・・・衣料用生地、環境型繊維の適用拡大 高バイオマス品など
  • デンカ・・・アセチレンブラック、超高純度品を量産化 シンガポールで
  • 旭化成・・・発泡エンプラ、25年度100億円目指す 変性PPE、PA軸に

オレフィン業界展望 -2-

京葉ポリエチレン 鈴木和哉氏

 

  • エチレン2基体制堅持 顧客との信頼醸成
  • ワングレードアップ作戦 高付加価値化支援

―過去3年間、ポリオレフィンの国内需給はタイトでした。―

特に高密度ポリエチレン(HDPE)は円安の影響もあり、輸入品が入りにくい環境が続いた。輸入HDPEは近年、タイ品を中心に年20万㌧くらい流入しているが、海外勢は安定供給という点で心もとないこともあり、ユーザーは不足分を賄うために国産HDPEを調達する動きを強めた。

ただ、供給余力が限られるなか、国内メーカーはすべてのオーダーに応えられたわけではなかったのではないか。当社においても、両親会社の生産設備2系列計17万3千㌧を実質フル稼働させたが、同様の状況だった。設備の老朽化により定期修理が長期化する傾向にあり、このことを踏まえ、定修の1年前から在庫を貯めるなどして対応を図っている。それでも定修期には販売を絞らざるを得なかった。

*THE PETROCHEMICAL PRESS*

<特集> 自動車需要の獲得に拍車かける化学企業(下)

積水化学工業

  • 技術複合化を強みに
  • 熱マネ・ノイズ対策に商機

 

東レ

  • 「オール東レ」、車の枠超え素材提案
  • 欧州に技術開発拠点開設

 

JSP

  • EPP、成形能力相次ぎ拡充
  • シートコアが世界で好調

 

三菱ケミカル

  • 顧客対応力さらに向上
  • CASEニーズへ提案強化

 

昭和電工

  • アルミ・PC、直接接合技術を確立
  • 自動車複合材料PJ本格活動、多素材へ広く展開

 

DIC

  • PPSコンパウンド、国内外で顧客拡大
  • 生産・販売・技術サービス、国際的に体制強化

 

ポリプラスチックス

  • エンプラ、電装化・軽量化を支援
  • ソリューション、グローバルに提案

 

宇部興産

  • PA6、コンパウンド拠点拡充
  • PA12、配管用好調で増産へ

 

日本化薬

  • MGGやスクイブ、次世代品開発に力
  • IF、新製品で海外拡大

 

JSR

  • S-SBR、3拠点で多様化対応
  • エラストマー製品、付加価値化を追求

 

*THE PETROCHEMICAL PRESS*

変化を捉え欧州市場に攻勢 旭化成・三井化学・三菱ケミカルの事業戦略

  • 現地ニーズに直接対応
  • 自動車や環境・エネなど狙い

旭化成、三井化学、三菱ケミカルが欧州市場に攻めの姿勢を強めている。各社は日系はじめ各ユーザーの域内進出への対応から、欧州のニーズに直接向き合う新たな段階へと事業内容を転換。欧州のユーザー達も、現地の化学メーカーにはない各社の製品・技術に高い関心を寄せる。100年に一度の変革期を迎える自動車分野、それにサーキュラーエコノミーという新たなトレンドが押し寄せる環境・エネルギー分野など欧州のマーケットは刻々と変化している。変化点をチャンスに、各社は欧州事業展開を加速する。

旭化成ヨーロッパ

  • ステータス向上に照準
  • OEMの開発パートナーへ

三井化学ヨーロッパ

  • 成長3領域に軸足
  • 欧州発の自動車部品育成

三菱ケミカルヨーロッパ

  • 先端分野、M&A絡め事業拡大
  • 売上高、新中計で40億ユーロへ倍増

*THE PETROCHEMICAL PRESS*

国際競争激化に対応するアルコール・ケトン業界

市場の現状と今後の期待
アルコール・ケトン類は、塗料、インキ、接着剤向けの各種溶剤や合成樹脂改質剤など工業用途分野を中心に、暮らしに密接に関わる中間素材としてグローバルに市場を形成している。しかし、中国経済の成長鈍化や米中貿易摩擦の長期化などを受けて、アジア市場は需給・市況とも混迷の様相を強めている。国内需要が安定基調にあるなか、グローバル製品であるアルコール・ケトンのメーカー各社の動向に注目が集まる。

IPA(イソプロピルアルコール)

  • C法メーカー、アジア反騰も厳しさ
  • 国内、秋需に向け盛り返しも

 

アセトン/MIBK

  • アセトン、歴史的安値から脱出
  • MIBK、需要堅調も採算厳しく

 

オクタノール/ブタノール

  • 国内メーカー、生産回復し輸出大幅増
  • 可塑剤需要、DOTP向けが始動

 

MEK(メチルエチルケトン)

  • 内需は安定的に推移
  • 来年年定修控え需給タイトへ

*THE PETROCHEMICAL PRESS*

  • 住友化学・・・LCP、基盤強化へ車用拡大 電装以外にも力
  • 旭化成・吉田浩副社長・・・セージ社とセパレーター、マテリアル成長の核に
  • 三井化学・淡輪敏社長・・・構造変革ブレず推進 成長投資も抑制せず
  • クレハ・小林豊社長・・・PVDFデボトル増強 LiB向け、2021年メド
  • デンカ・山本学社長・・・次期利益目標達成に自身 スペシャリティ化加速
  • JSP・酒井幸男社長・・・EPP製車用部品 米国で相次ぎ受注
  • 出光興産・・・営業利益、2022年度に2600億円 新中計、高機能材比率を拡大
  • JSR・・・川崎に新研究所 LS技術を集約 21年夏開所
  • 宇部興産・・・11月CPL、80ドル安の1400ドル
  • エフピコ・・・プラ容器で給食市場開拓

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