
石油化学新聞 5503号(2026.10.12)
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 東洋紡・・・植物工場向けなど農業市場へ商材拡販 鮮度保持フィルムも力
東洋紡は、農業市場へ商材の積極展開に乗り出す。植物工場向けに光合成を促進する反射フィルム、培地材料といった資材を売り込む。青果物の鮮度保持に貢献する包装フィルムの提案も始めた。既存商材の用途を農業分野に広げ、事業拡大につなげる。
反射フィルムは、白色PET系フィルム「クリスパー」。これを植物工場内の側面や天面に設置することでLED光が無駄なく反射し、植物の光合成を促進する。実際にレタスの栽培でテストしたところ、生育・収量が向上することを確認した。従来反射フィルムに使われてきたポリプロピレン合成紙は高温高湿の環境下で変形する課題があるが、クリスパーは変形が起こりにくい。既に一部の植物工場で採用が始まり、今後の販売拡大を狙う。【写真:東洋紡エンジニアリングが手掛ける植物工場。白色PET系フィルムはLEDライトの光を無駄なく反射し光合成を促進する】 - 旭化成と産業技術総合研究所・・・PA樹脂、木材含浸技術を開発 資源循環に貢献

旭化成は、産業技術総合研究所との共同研究で、木材内部に熱可塑性樹脂であるポリアミド(PA)樹脂を含浸させる技術を開発した。PA樹脂を含浸した「樹脂含浸木材」はプレス成形や射出成形が可能。廃木材のアップサイクルに加え、使用後のリサイクルも実現する。展示会などを通じて顧客ニーズを探索し、木質バイオマスの資源循環に向けた社会実装を目指す。
産総研は、木材をプラスチックのように自由な形状へ立体成形する「木質流動成形」の研究開発を進めている。木材内部に注入した樹脂溶液を細胞壁内に浸透させて複合化し、成形性と寸法安定性を確保する。熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂で製品化を果たしたものの、リサイクルができないことがこれまでの課題だった。【写真:樹脂含浸木材をプレス成形したソープディッシュ。上は材料としたろくろ屑(左)と樹脂含浸木材のチップ】 - クラサスケミカル成長戦略 将来のグリーン化・CNへ挑戦 ノーベル賞技術実装
次世代型石化コンビナート 地縁と連携で実現

クラサスケミカルは石油化学専業の上場会社として安定収益力の強化に向けた当面の成長戦略を推進するとともに、将来の石油化学産業のグリーン化やカーボンニュートラル(CN)に向けた取り組みでも優位性を発揮していく。これまでの施策に加え、革新的技術の早期実装や大分の地縁に基づく異業種間連携を新たな競争力の源泉とし、存在感を示していく。 - 東洋紡エンジニアリング・・・新型植物工場開発27年度発売めざす
- ノーベル化学賞・・・不斉自己触媒反応発見で硤合氏受賞
- ハイケム・・・PSC用HTM開発 変換効率と耐久性で優位
トクヤマ 次世代へ変貌する中核拠点 徳山製造所
トクヤマの国内生産の約9割を担う中核拠点、徳山製造所(山口県周南市)が事業ポートフォリオ変革に伴う転換期を迎えている。 同社は需要が伸びる高純度イソプロピルアルコール(IPA)など電子先端材料を成長分野と位置付け、国内外で展開を加速させている。同製造所はその技術的なマザーファクトリーとして生産基盤を支える。一方で、カーボンニュートラル(CN)への対応も急務だ。これまで製造所の競争力を支えてきた石炭火力自家発電の燃料転換をはじめ、脱炭素へのアプローチを本格化させている。事業成長をけん引するIPAプラントと、脱炭素の最前線となる火力発電所を擁し、次世代拠点へと変貌を期する徳山製造所を訪ねた。

- IPAプラント・・・独自製法と品質強み 先端半導体支える極限技術
- 自家発電設備・・・CN実現へ燃料転換 水素技術や地域連携も展開
- 奥野康製造所長に聞く 新たな事業基盤構築へ変革主導
徳山製造所はトクヤマの主力工場として全社の成長投資の原資を稼ぎ出す屋台骨である一方で、事業のグローバル化に伴いマザーファクトリーとしてのあり方を変えつつある。変革を主導する徳山製造所長兼製造統括本部長の奥野康常務執行役員に戦略を聞いた。
人材の意識改革必要 DX導入で夜間無人操業も
―徳山製造所の役割は、現在どのように変化していますか。
かつては国内主力拠点で製品を大量生産し収益を上げることが主目的だったが、現在は需要先での地産地消に向けた海外展開で拠点の多様化が進んでいる。そのため今の徳山製造所には、オペレーショナル・エクセレンスを追求する根幹としての機能が求められている。どの拠点でも同一の品質を保つために、まずは当製造所で基盤となるコア技術を確立し、安全・安定運転などの高いオペレーション品質を自ら実証したうえでほかの拠点へ展開していくことも役割の一つとなっている。
―インテグレート(統合)型工場の強みとは。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 三井化学分析センター・・・再生プラ分析受注拡大 顧客の品質改善まで支援
三井化学分析センターは、再生プラスチックの市場拡大を商機と捉え、分析需要の取り込みを図る。機械物性評価では、デジタル画像相関(DIC)法で幅広い温度可変環境下でひずみ分布を可視化できる技術を開発。組成分析の手法をフルラインアップし、顧客ニーズにきめ細かく対応する。分析結果をもとに、顧客の製品開発や品質改善につながるソリューションを提供し、受注拡大を目指す。 - MSC・・・容リプラ残渣を製品化 アスファルト改質剤に

リサイクル事業を手掛けるM S C(仙台市)は、容器包装リサイクル法プラスチック(容リプラ)のリサイクル工程で発生する残渣を原料としたアスファルト改質添加剤「Re―PAB」を開発した。道路舗装会社の佐藤渡辺( 東京都港区) が採用し、環境配慮型アスファルト混合物「エコ・ループファルト」とし12月1日に発売する。これまで焼却処理されていた残渣をインフラ資材として活用し、容リプラの資源循環を広げる。 - 米国プラ貿易・・・輸出増加に歯止め1~6月期 ブラジル向け激減
- エンジニアリング協会・・・4年連続最高 25年度受注高32兆円
- サステナブル経営推進機構(SuMPO)・・・SXアワード表彰式 大臣賞など20件表彰

サステナブル経営推進機構(SuMPO)は、「第9回SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)アワード」の表彰式を、9月29日にイイノホール(東京都千代田区内幸町)で開催した。 従来の「エコプロアワード」から名称を変更し、環境配慮などSXに貢献する取り組みや製品・サービス・技術・ソリューション・ビジネスモデルなど、サステナブルデザインを評価する表彰制度へと発展させた。併せて歴代受賞企業・団体を中心とする公式フェロー制度「サステナビリティフェローズ」も新設。受賞事例や知見を広く共有し、日本のSXを前に進める。 - 帝人・・・高摺動性PPS開発 PFASフリー ニーズ高まり
- 化学工学会・・・炭素自立実現へ準備委員会発足
- 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂国内出荷 3ヵ月連続前年割れ
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 東レ・・・PPS、柔軟品で需要喚起 近く商業規模で採用へ
東レは、微細構造制御(ナノアロイ)技術を駆使して開発したポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)の柔軟タイプで新規市場開拓を加速させる。難燃性や長期耐熱性も兼備することから、xEVやデータセンターの冷却配管といった各種産業配管やPFAS(有機フッ素化合物)代替など幅広い用途へ展開する。近く一部で商業規模の採用を見込まれるなど顧客評価は高く、今期中には量産体制を構築し供給を本格化する計画だ。 - JNC石油化学・・・プラントの保安強化へ 簡易デジタルツイン導入
- デンカ・・・新事業候補選定 27年度から順次実績化 10テーマ 新興と共同研究も
デンカが23~30年度の経営計画「Mission2030」のフェーズ2(26~28年度)始動に伴い、30年度以降に大きな成長の可能性がある新規事業候補10テーマを選定した。重点施策の一つに位置づける新規事業創出を推進し、持続的な利益成長につなげる構えだ。選定した10テーマは①ヘルスケア領域の技術ライセンス②既存材料のバイオ機能材料への応用③導電性高分子④高性能・多機能樹脂⑤デジタル診断⑥次世代高性能フィラー⑦次世代エネルギー材料⑧航空宇宙用材料⑨次々世代通信用材料⑩CO2利用技術。27年度から29年度までに順次実績化する計画だ。新事業開発部門長を務める山田雅英執行役員は「フェーズ2期間中で利益に大きく寄与するほどの成果の刈り取りができるわけではないが、何らかのかたちでテーマを実績化させることが当部門の唯一にして最大のミッション。そのためにやれることは何でもやる」と意気込む。今後、実現が困難と判断するテーマが出てくる可能性があるものの、「テーマの入れ替えを行い総数は10をキープする」。 - トクヤマ・・・診断事業拡充へA&Tと連携進化
- 三菱ケミカル・・・米国新興企業に出資次世代光通信材開発
- 三菱ケミカル・・・物流子会社株を譲渡 SBSに192億円で
- 中央化学・・・C―PET新素材で容器メーカーと提携
- ENEOS・・・豪州で大型実証プラント 日産9㌧のMCH製造

ENEOSは独自開発の低コスト型有機ハイドライド電解合成法「ダイレクトMCH」を活用して水素キャリアのメチルシクロヘキサン(MCH)を製造する大型実証プラントが豪州クイーンズランド州で完成し6日に開所式を行った。同プラントは試運転を経て、27年1月から約2年間の実証運転を行う。30年以降の社会実装を目指す。 - 積水化学工業と積水ソーラーフィルム(SSF)・・・フィルム型PSC鹿児島で実証開始
- DIC・・・米国産業用ロボット 新興に戦略的出資
