石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

ファインケミカル各社 戦略製品の生産革新推進

新たな成長へ基盤固め

世界的な景気低迷の影響は汎用基礎化学品の不振だけでなく機能性材料の成長鈍化にも及んでいる。これまで主要化学メーカーが戦略製品と位置付けていたスペシャリティー系材料も足元は苦戦を強いられているものが多い。こうしたなか、ファインケミカルメーカーでは、自社の戦略製品の現状と今後を見つめ直し、生産技術力を向上する「ものづくりの革新」に力を込める。不況脱却後の新たな成長を目指し、基盤固めに拍車をかける。

  • 積水化学工業・・・塩ビ超純水管で攻勢 半導体工場向け フッ素代替狙う
栗田工業・・・使用済み紙おむつ 処理装置を本格展開

殺菌・洗浄・再資源化

全国展開に乗り出す使用済み紙おむつ分別処理装置

高齢化社会における使用済み紙おむつの処理問題が深刻化するなかで、水と環境に装置やシステムで応える栗田工業が新たなソリューションを提供する。同社は使用済み紙おむつの分別処理装置「クリタサムズシステム」の本格展開に乗り出した。
同装置は、環境省による実証事業を経てこのほど、愛知県名古屋市の廃棄物処理関連業者のBEaRから1号機を受注した。一般的に焼却処理される使用済み紙おむつを独自の薬剤「クリミックス」と分別処理装置を用いて殺菌、洗浄、分解し、不織布などのプラスチック類とバルプ類に分別、再資源化する。再資源化では固形燃料(RPF)となりエネルギーとして再利用されるほか、マテリアルリサイクルへの適用も可能。環境省による実証事業では、分別したプラスチック類をプラパレットなどの製品に再生することが出来ることを確認している。また、同装置を用いた再資源化により、焼却処分した場合と比べて約40%のCO排出量削減効果が得られることも確認済みだ。

  • 石油化学工業協会・岩田圭一会長・・・石化品需給、アジアの不均衡続く 積極性ある再編を
  • ADEKA・・・半導体材料、久喜に新研究棟建設 26年1月完工
  • 石油化学工業協会・・・主要石油化学製品の10月生産実績

機能で高度なソリューション提案 スーパー エンプラ 〈上〉

最終製品市場の変化に伴い、過酷な使用環境に耐える素材や多くの機能を兼備する素材が求められるなか、スーパーエンプラは車両な航空機などのもモビリティや電気・電子、エネルギー、医療、住設関連などの幅広い分野で着実に応用分野を広げている。スーパーエンプラの多くは、コンパウンドをはじめとする周辺技術やきめ細かい技術対応を得意とする日本の化学企業が世界市場で競争力を発揮し、高いシェアを確保している。市場の変化をビジネスチャンスとして捉え、さらに存在感を高めていきたいところ。
概況 電動車、高速通信 次の成長領域間近に 日本企業 世界で存在感を

主要メーカーの現状と戦略

ポリプラスチックス
LCP/PPS

  • LCP・・・2拠点化で世界展開 台湾に新系列 顧客層拡大も加速
  • PPS・・・EV化を積極支援 コンパウンド 国内外で増強

出光興産
SPS

  • 新系列完成 車載用を柱に世界へ 用途拡大 食品周り、押出用に力

DIC
PPS

  • 機能追求 モビリティ関連に軸足 放熱、摺動など 材料と解決策提供

東ソー
PPS

  • 金属との複合化に力 車両用へ重点 量産採用を実現

ユニチカ
PAR/PIなど

  • PAR・・・市場広げ新系列を 耐熱向上 アロイや添加剤用も
  • PIなど・・・新規用途を積極拡大 ワニス 多孔質形成品が好評

ENEOS液晶
LCP

  • 差別化可能な市場へ 高速伝送用 最高水準の低Df実現

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三井化学・・・熱可塑性ポリイミド 能力5割超増強へ

大牟田 25 ~ 26 年実施めざす

三井化学は超耐熱で高い生産性も兼備する熱可塑性ポリイミド樹脂「オーラム」の市場をグローバルに広げる。モビリティー関連を中心とした需要増を見据え、大牟田工場(福岡県)で現状比5割超を想定した生産能力の増強も検討中で、25~26年の実施を目指し同樹脂の需要増が見込まれる電動車向けなどへの拡販を加速させる。

  • 日油・・・DDS素材が堅調 温暖化ガス排出削減に力
  • ユニチカ・上埜修司社長・・・「収益回復へ全力」
大阪ソーダ・・・尼崎に研究棟新設

次世代電池材料 評価まで一貫

来年2月完成予定の電池研究棟(イメージ)

大阪ソーダは研究センター(兵庫県尼崎市)に次世代電池材料の研究開発を行う「電池研究棟」を新設する。24年2月に完成する予定だ。電気自動車の次世代車載電池の本命とされる全固体電池に使う超高イオン伝導性ポリマーの実用化を促進する。投資額は約10億円。

  • 東亞合成・・・川崎に新研究所 成長分野の開発に重点
  • ランクセス・・・PFAS除去にイオン交換樹脂を提案
  • UBEマシナリーなど3社・・・廃プラ 分別不要、再資源化 年度内にもシステム供給
  • 三井化学・・・ボトル用PET来年10月生産停止
  • UBE・・・11月 CPL70㌦安
  • レゾナック・・・SiC・電子機能材とHD デバイス2事業に分離
  • UBEマシナリー・・・型締め力2千㌧電動射出機投入
  • AGC・・・合成医農薬CDMO 福井の工場5割増強
  • 東レ仏子会社・・・炭素繊維ISCC PLUS認証取得
  • 積水化学工業・・・管材や建築関連物流環境を改善
  • 出光興産・・・CNX戦略本部設置
  • 石油化学工業協会・・・10月の汎用4樹脂の出荷実績
  • PETボトルリサイクル推進協議会・・・リサイクル率86.9% PETボトル22年度
  • 化学製品値上げ
    ・DIC・・・可塑剤を12月から
    ・PSジャパン・・・PSを20円以上
    ・東洋紡・・・包装用フィルム
    ・デュポン・スタイロ・・・XPS断熱材10%

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