石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

旭化成・・・水素製造用アルカリ水電解 最適操業へDX活用

25年度事業化を加速 浪江と川崎の運転データを連携

川崎で建設を進めるアルカリ水電解試験設備(イメージ)。FH2Rの実証プラントとデータをつなぎ最適操業システムを構築する

旭化成は川崎製造所で新設中の水素製造用アルカリ水電解の新たなパイロット試験装置が24年度に稼働後、DXを駆使して川崎と福島の実証プラントをつなぎ、データ連携による最適操業システムの確立を目指す。2プラントの運転データの蓄積を通じて大型で複数のモジュールを安定操業する仕組みや、セルの寿命予測といった予兆保全を含め、運転最適化を実現するシステムを構築する。これをベースに次の実証設備建設時に的確な投資規模を判断し、25年度をメドとする本格事業化を加速する。

新社長インタビュー・・・日鉄ケミカル&マテリアル 右田彰雄氏

機能材料 成長市場の変化に対応

安定収益へ 筋肉質な体制と差別化
「鉄鋼業で育った自分にとって化学・マテリアルの業界は初めて挑戦する分野。まずは製造現場を見て、そこで働く従業員と対話することから始めた」
6月26日付で新社長に就任した右田彰雄さん。親会社の日本製鉄在籍時には経営企画の立場から日鉄ケミカル&マテリアルを見守ってきた。今後は汎用の化学品からコールケミカル、機能材料など多岐にわたる製品を扱う、日鉄グループの非鉄系中核事業会社の舵取りを任された。今年は21~25年度に至る5カ年の中長期経営計画の折り返し地点。米中対立やウクライナ戦争、EV(電気自動車)の普及増大に象徴されるカーボンニュートラル(CN)の対応の加速など、計画策定当時とは事業環境の想定は大きく変わった。この重要な局面で榮敏治前社長からバトンを引き継いだ。

  • クレハ・・・R&Dにグループ制 組織フラット化で機動力
  • 住友化学・・・デジタル営業など推進 収益改善へ向け構造改革
  • ポリプラスチックス・・・バイオ原料の活用加速 POMに続き他樹脂へ展開
  • 三菱ケミグループ・・・岡山でGBL1割増強 24年7月メドに
  • PSジャパン・・・PSケミカルリサイクル 実証試験を開始

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東レエンジニアリング・・・新中計で過去最高益へ

LIB、半導体装置を拡販

東レ子会社の東レエンジニアリングは、23年度から始動した3年間の新中期経営課題(中計)の業績目標として25年度売上収益1400億円(22年度1151億円)を設定した。リチウムイオン電池(LIB)や半導体など成長領域での事業拡大を図り、利益率も改善する計画で、事業利益は過去最高の07年度(91億円)を上回る水準を目指す。

  • 三井化学・・・「タフマー」新プラントで起工式 シンガポールの12万㌧
  • TPC調査・・・核酸医薬品のCDMOの世界市場規模 23年度1000億円に
  • DIC・・・界面活性剤、PFASフリー品開発 環境型で高性能
  • タキロンシーアイ・・・塩ビ製逆流抑止マス 宅地用普及へ提案強化

タキロンシーアイは、塩化ビニル樹脂製の宅地用逆流抑止マスを拡販する。下水の逆流対策は自治体などが管理する公共ますで施工されることが多いが、同社は業界に先駆けて宅地用(個人向け)製品を開発し、昨年から販売を開始した。役所の許認可に左右されずに下水の逆流対策ができ、新築住宅向けにハウスメーカーへ営業している。近年、集中豪雨の頻度が高まり、浸水被害などの災害リスク増加につながっている。集中豪雨で大量の雨水が下水道管内に流入すると、下水の逆流や、空気の流入で管内の圧力が高まり器具から封水が噴き出すなどの悪影響が生じる。写真=ますの中に付けられた逆止弁。水害リスクを軽減する

  • 積水化成品工業・・・PI中空微粒子、量産新製法を開発 5G低誘電材向け
  • 帝人・・・全グループでDX研修 学び直しの機会充実
  • ピエクレックス・・・圧電繊維製の抗菌タオル発売
  • AGCと北海道大学・・・企業の環境影響評価手法を開発
  • 東レ・メディカル・・・透析用水作製装置 業界最小の新機種

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  • ダウ・・・PE多層フィルム バリア性高め食品用に PA並みを実現
  • 三菱ケミカルグループ・ギルソン社長・・・体質強化へ自信 構造改革「想定通り進捗」
  • AGC・・・今期化学品業績下振れ PVC価格下落で
  • ポリプラスチックス・・・高品質MR材、今期事業化
  • 横河計測・・・光スペクトル計測器機能強化版2機種を発売
  • 財務省貿易統計・・・2023年6月石化品輸出実績、2023年6月石化品輸入実績
  • 4~6月期の国産ナフサ価格・・・前期から1.5%上昇 6万7500円
  • 日本ソーダ工業会・・・2023年6月のカセイソーダ出荷内訳、2023年6月のソーダ工業薬品の需給状況
  • 化学製品値上げ
    ・KHネオケム・・・アセトンやDAA
    ・ジェイ・プラス・・・可塑剤16日から
    ・エアー・ウォーター・パフォーマンス・ケミカル・・・有機酸と誘導品
    ・日本触媒・・・メラミン系微粒子

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ポリプラスチックス・・・新規商材導入、拡大

グループ外連携も

ポリプラスチックスは強みみとするマーケットイン型ビジネス発揮へ新製品導入やグループ内外との連携による事業ポートフォリオの拡大に本腰を入れる。柱とする5品目のエンプラに加えファインパウダーや超耐熱のポリエーテルケトン(PEK)といった新製品の市場開拓を強化する。ポリプラ・エボニックやダイセルミライズなどグループ企業との連携を緊密化し、グループ外連携で新たな商材を加えることも検討する。

  • マイクロ波化学と千代田化工建設、三井化学の3社・・・マイクロ波でナフサ分解

マイクロ波化学と千代田化工建設、三井化学の3社はマイクロ波加熱を利用した革新的ナフサクラッキング技術の共同開発を開始した。
マイクロ波化学の「M―Cracker(エム―クラッカー)」技術=写真はロゴマーク=とスケールアップのノウハウに、千代田化工のスチームクラッカー(エチレンプラント)に関するEPC(設計・調達・建設)遂行能力、三井化学の石化プラント運営能力を掛け合わせ、同技術の早期社会実装を目指す。将来的には日本から世界に向けたナフサクラッカーの高収益化と化学産業のカーボンニュートラル(CN)実現を後押しする。3社は化学の源流に位置するナフサクラッカーの熱源転換を素材の経済安全保障上の重要課題と位置付け、新技術で世界を塗り替えていく考えだ。

  • 日本化薬・・・設備投資、動向見極め慎重に 今期枠、前期の1.5倍
  • RePLAYER強化、凸版印刷が参画 

軟包材MR 25年度実装へ
三井化学グループが取り組む軟包材フィルムの水平リサイクル「RePLAYER(リプレイヤー)」プロジェクトに国内最大のコンバーター、凸版印刷が本格的に参画した。凸版印刷と三井化学、三井化学東セロの3社が8月から軟包材水平マテリアルリサイクル(MR)の共同実証試験を本格化させた。凸版印刷で印刷調整時に発生する印刷済み延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムの廃材を三井化学が回収、名古屋工場のMR実証プラントで印刷除去しペレットに再生。三井化学東セロが再生OPPフィルム化する。凸版印刷は再生フィルムの印刷適性やラミネート適正、製袋・充填適正などの品質評価も担う。技術的に難易度が高いとされる軟包材の水平MRで25年度の社会実装を目指す。写真=実証設備で印刷除去のボトルネック解消を進める

  • UBE・・・研究開発千葉に集中、活性化 テーマ探索も促進
  • 日本化薬・・・IJ色素 産業向け加速
  • 旭化成・・・米ミシガンの事務所営業強化へ移転拡張
  • 日本ポリプロ・・・四日市のPP来年3月停止
  • グラノプト・・・光通信用材料 秋田に新工場
  • ENEOS・・・AIでプラント運転手動上回る効率実証
  • 住友ベークライト・・・10月、IT子会社を吸収
  • デュポン・・・スペクトラム買収 医療向けプラ拡充
  • 新ケミカル商事・・・北九州本社を移転 JR小倉駅に直結

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