石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

旭化成・・・富士で先端技術研始動

3拠点統合 高度専門職と横串も

既存の研究棟に機能を集約し、次世代高機能材料や先端システム・デバイスを開発する

旭化成のコーポレートR&Dの新たな研究所である先端技術研究所が富士地区でスタートした。保有するコア技術の深掘りと横串機能を担うとともに、先端領域のイノベーションにもアンテナを張り巡らせ、アカデミアやスタートアップなどとの外部連携も視野に入れ、新事業領域への展開拡大を図る。
同地区で運営していた既存の先端材料・システム研究所とヘルスケア研究開発センター、先端デバイス技術開発センターの三つの研究拠点を統合して新たに立ち上げた。

新社長インタビュー・・・ポリプラスチックス 宮本仰氏

ダイセルとシナジー発揮 価値提供型の企業へ

内外と協業ポートフォリオ拡大
「ポリプラスチックスが20年10月にダイセルの完全子会社となったことを受けて21年4月にダイセルへ転籍し、マテリアルSBU長として酢酸などを手掛けた。今年4月からポリプラスチックスの社長兼務となるが、2年間はダイセルを理解する重要な期間となった。ダイセルは環境、安全・安心、便利・健康、健康の四つを注力領域として顧客提供価値の向上を目指している。ダイセルとのシナジーを早期かつ最大限に引き出し、ポリプラを素材製品型から価値提供型の企業にシフトさせていきたい」。同社はPOM、PBT、LCP、PPS、COC(環状オレフィンコポリマー)を柱とするエンプラ専業メーカー。5品目はいずれも世界的大手に位置する。宮本社長はダイセルが注力する4領域の中で「特に環境には注力する」とし「今後、気候変動への対応でエンプラだけでなく化学産業全体の再編が急速に進むと考える。その中で持続可能な成長を実現するには、グループ内外との協業が一層重要になる」とする。

  • クレハ・・・LIB用PVDF、中国向け新品種開発 需要増のLFP正極用
  • トクヤマ・・・ライフサイエンス好調 歯科材料など海外市場軸に拡販
  • ポリプラスチックス・・・LCP、新系列で窒素回収検討 GHG大幅削減へ
  • 信越化学工業・・・シリコーン製品増産へ 1000億円投資
  • ピエクレックス・・・圧電繊維衣料を肥料に 資源循環確立へ

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ダウ・・・LLDPE PCRの地産地消拡大

アジアは3拠点で展開

ダウは、世界最大手に位置するポリエチレン(PE)事業で「廃棄物の転換」目標に向けた施策の一環としてポストコンシューマーリサイクル(PCR)の直鎖状低密度PE(LLDPE)を地産地消によって拡大する。同製品へは新ブランド「レボループ」を設定しており、既にアジア市場では現地企業との連携で中国、インドネシアで上市した。開発中のインドでも年内には市場投入する計画だ。一層の品質改良やラインアップの拡充にも取り組みながら世界で採用を広げていく。

  • 旭化成・・・LIC、設計・製造技術を供与 安価に高性能品を実現
  • 日本化薬・・・安全デバイス、友人ドローン用に力 総重量1100㎏を想定
  • クレハ・・・石油掘削時随伴ガス、高付加価値品に転換 欧米石油大手と開発へ
  • セーレン ・・・燃料転換や太陽光導入 CO排出削減を加速
  • 三井化学・・・大阪工場クラッカーに投入 廃プラ分解油を原料化
  • 東レリサーチセンター・・・分析サービス受託 樹脂のPE/PP成分比
  • ランクセス・・・微生物制御、川崎に技術支援拠点 幅広いニーズに対応
  • 丸善石油化学・・・持続可能国際認証 千葉工場が取得
  • 住友理工・・・ストーブマットに薄膜断熱材が採用
  • トクヤマ・・・劣後ローン600億円9月に期限前弁済
  • 帝人・・・水溶性食物繊維がはちみつに採用

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  • 宇部エクシモ・・・FRP製品を拡大 ニーズ即応へ設備増強
  • 国際化学五輪・・・金銀各2、日本全員が受賞

左から山之内望花さん、松坂康平さん、田中舜さん、鈴木晴翔さん

世界の高校生を対象に化学の知識や問題解決能力を競う「国際化学オリンピック」の第55回大会が16~25日、スイスのチューリッヒで開かれた。今年は世界89の国と地域から高校生348人が参加し、日本代表の高校生4人全員が優秀な成績で金メダル2個、銀メダル2個を受賞した。4人には文部科学大臣表彰が授与される。
国際化学オリンピックは毎年7月に行われる高校生にとっての〝化学の祭典〟。68年に東欧3カ国(ハンガリー、旧チェコスロバキア、ポーランド)で第1回大会が開かれ、日本は03年から20年連続で参加している。

 

  • 三洋化成工業・・・米ぬか由来紫外線防御機能向上剤を開発 年商6億円めざす
  • 日本エネルギー研究所・・・CNやエネ安全保障 アラムコと連携強化
  • 三菱重工業・・・高温ガス炉開発中核企業に選定
  • 日本化学工業協会・・・LRI研究報告会 8月25日オンライン
  • 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・6月のOPP・CPP出荷実績
  • 日本化学繊維協会・・・6月の合成繊維生産・在庫量
  • 日本プラスチック板協会・・・6月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、6月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、6月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • 化学製品値上げ
    ・出光ファインコンポジット・・・樹脂コンパウンド
    ・第一工業製薬・・・界面活性剤など

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三洋化成工業・・・ペプチド肥料 今期上市

2年後メド発酵品も

三洋化成工業は持続可能な農業に貢献する新規事業の第1弾として、23年度中にペプチド肥料を上市する構えだ。宮崎県新富町と協業で取り組んできたペプチド農業の実証検討の成果で、8月から最終のトライアルを開始し、本格事業化に向けた今後のビジネスモデルの方向性などを固める方針。

  • UBE・・・放熱材の事業化加速 部材での展開も
  • 積水化学工業・・・水無瀬イノベーションセンター 「知」を交流・集積新規テーマを発信

スキップフロア方式で特徴的な外観となった

積水化学工業は水無瀬イノベーションセンター(MIC)で積水化学の保有技術を可視化し、外部知見を含むさまざまな情報と融合させることで新規テーマの発信基地を目指す。MICは、高機能プラスチックスカンパニーが20年に開発研究所(大阪府島本町)敷地内に開設した。社内外の連携による「融合」とニーズ先取りによる「挑戦」をコンセプトに、「知の交流・集積・発信」を意識して設計された。「自社だけで開発するのではなく、顧客やサプライヤー、大学などとしっかりとつながって成果を上げていく」(清水郁輔カンパニープレジデント)考えだ。コロナ禍が収束に向かうなか、来所者数も増えオープンイノベーション拠点としての効果を発揮しつつある。

  • クレハ・・・シェール掘削材、新グレード今期発売 低温鉱区向け2種
  • セーレン・・・3ヵ年中計、17%増収の1550億円に 新規分野を拡大
  • 積水化学工業・・・陸上養殖事業に出資。 大阪万博にPSCを提供
  • 日榮新化・・・ラベル回収再生 埼玉県から助成

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