石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

三井化学・・・酵素法化学品 世界へライセンス展開

AAMバイオ触媒 2拠点体制を確立

環境対応型プロセス普及へ
三井化学は酵素法による化学品製造プロセスのライセンスビジネスを一段と拡大する。アクリルアマイド(AAM)製造用バイオ触媒の生産で既存の大牟田工場に次ぐ第2拠点を和歌山に立ち上げ、世界市場への供給を開始。化学合成法に替わる環境負荷低減型プロセスの普及を推し進める。
三井化学は21年10月にAAM製造用バイオ触媒を生産するポラリスケミカルを設立していた。同社は長年、信頼関係を構築してきた和歌山県の笠野興産との合弁会社(出資比率は三井化学90%、笠野興産10%)で、同触媒製造プラントを笠野興産の和歌山工場内に設置。今年7月から触媒の本格出荷を開始した。

新社長インタビュー・・・タキロンシーアイ 福田祐士氏

常に前へ進む会社に 商品開発力と生産力高める

「現状に甘んじず、今あることに疑問を持てばもっといい仕事ができる。もっと儲かる。もっと合理化できるという気持ちを持つことが自身の成長になり、それが集まれば会社の成長につながる。特に経営者には、常に会社をよくしたい、組織をよくしたいという情念が必要だ」
福田社長が4月に就任した。親会社の伊藤忠商事出身で、化学品の部門長の時に旧シーアイ化成の100%子会社化、エネルギー・化学品カンパニープレジデントの時に旧タキロンとシーアイ化成の合併の道筋を付けた。タキロンシーアイは住設、建築、農業、土木向けの資材、工業用プレートや電子部品、包装用フィルムなど合成樹脂メーカーとして幅広い製品群を展開する。

  • 日東紡・・・低誘電ガラス繊維、5G向け次世代品投入 6G用開発も進展
  • デンカ・・・高機能無機材料を拡販 EV向け売上高30年度に4倍800億円に
  • クラレ・・・EVOH、欧米で1万㌧増強 世界11万3000㌧体制
  • ポリプラスチックス・・・セルロース長繊維強化樹脂が採用へ
  • リケンテクノス・・・三重でTPE増設25年12月稼働予定

<特集>地球規模の社会 課題を化学の力で解決

技術ト ップが語るR& D戦略〈上〉
世界的な経済減速で基礎素材から機能材料に至る多くの化学品が需要停滞に見舞われ、不況は長期化の様相を呈してきた。こうしたなかでも化学各社は研究開発の手を緩めない。むしろ、30年近傍のありたい姿や50年のカーボンニュートラル実現に向けて、かつてないほどにダイナミックなR&Dを推進している。それらの成果が新事業として開花する日は近そうだ。主要各社の技術トップに戦略の進捗と最新の成果、今後の展望を聞いた。

旭化成
竹中克上席執行役員研究・開発本部長

  • コーポレートR&D、中長期視点で横断的に
  • 重点領域 CN、CE、ヘルスケア

JNC
大塚信之常務執行役員研究開発本部長

  • 次期計画 時代に即したテーマで
  • 電子通信・環境エネライフケミカル 課題を洗い出し

日本化薬
井上佳美取締役専務執行役員テクノロジー統括管掌

  • テクノロジー統括 4分野で新事業創出
  • 環境・エネ 次世代電池など力

DIC
有賀利郎執行役員R&D統括本部長

  • 有機・無機・バイオ 3材料でテーマ進展
  • 生分解性SAP 3年内に試験販売

タキロンシーアイ
岩﨑秀治常務執行役員研究開発本部長

  • 開発リソース ダイナミックな手段で
  • 研究ポートフォリオ見直し

クレハ
佐藤浩幸執行役員研究開発本部長

  • 「技術立社再興」果たす
  • 組織フラット化で機動力

UBE
内貴昌弘執行役員研究開発本部長

  • 新規事業創出 千葉に集約し加速
  • 重点領域 熱対策やLSなどへ

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クラレ・・・PA9T、車載用が来年本格化

大型案件含め世界で

クラレはポリアミド9T樹脂(PA9T)「ジェネスタ」の車両用を来年後半から世界で本格展開できる見通しだ。一部用途は既に採用され、日・米・欧・韓系ティアワンでの材料認定を経て大型案件を含む採用が今年末から順次広がる見込み。中国でも電気自動車(EV)関連を中心に採用が進んできた。バランスした物性に加え、タイの新プラント稼働による供給体制強化が高く評価されたとみられ、足元では特に熱マネジメント関連の部品向けが好評を得ている。

  • 東レ・・・ミリ波吸収フィルム5G向け軽量薄膜化
  • ポリプラスチックス・・・COC、触媒技術で市場拡大 純度と耐熱性向上
  • 子ども化学実験ショー、4年ぶり開催 親子1500人で賑わう
  • 三菱ケミカルグループ・・・原料にバイオPE 業務用ラップ イオン系に採用
  • レゾナック・・・構造改革を加速 車材、関西3拠点を統合
  • 日本ゼオン・・・敦賀で大型TV用光学フィルム増強
  • ENEOS・・・PET持続可能に バイオPXを供給
  • 三菱ガス化学・・・メタノール蒸留に自動起動システム ブルネイで実装運用開始
  • DICなど6者・・・水素細菌から化成品 NEDO事業に採択
  • 帝人・・・車向け複合成形材 中国事業から撤退
  • JOGMECから・・・CCS事業性調査、東新潟で業務受託
  • 丸紅・・・海上輸送CO削減 化学品向けシステム 英社と開発へ
  • 大手5社石化系部門、軒並み営業赤字 4~6月 需要減、稼働率低下

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