
石油化学新聞 5499号(2026.9.7)
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 東レ・・・水処理膜事業拡大へ 海淡・超純水需要取り込む
東レは水処理膜事業の拡大を一段と加速させる。主力製品の逆浸透(RO)膜は、海水淡水化や半導体向け超純水製造用途で増加する需要を取り込む。全膜種を自社技術で保有する唯一のメーカーとしての強みも発揮し、下廃水再利用分野の拡大を図る。 - ADEKA・・・韓国でPP向け透明化剤生産 新設備は28年度稼働
土屋博史・経済産業省製造産業局総務課長に聞く
産業競争力強化政策の司令塔 現場主義の傑人
7月21日に経済産業省製造産業局の総務課長兼製造産業戦略企画室長に就任した土屋博史氏は、前職の素材産業課長時代に中東情勢の緊迫化に伴う素材サプライチェーンの途絶危機を、現場主義に徹した行動と官民上げての緊密な連携で乗り切った傑人として業界で知らない者はいない。今後は製造業全体を俯瞰して日本の産業競争力強化に資する政策の司令塔を担うこととなり、その手腕が注目される。土屋氏に話を聞いた。
素材の価値を再認識 GXと経済安保は一体化へ
―現在の職務内容をお聞きする前に前職でのホルムズ危機対応について改めて教えてください。
川上から川下に至る全業界の方々と一体となってつながり、危機対応を図った。当初は供給途絶の不安が大きく、また、ちょっとしたニュアンスの違いや情報の滞りから混乱する事態もあった。そこでわれわれは個別に電話連絡での確認を行い「供給のメドはついている」というファクトを伝える一方、閣僚会議にもデータを整理して提出した。同時に個別の目詰まりに対して、現場の塗装・施工業者から材料・原料メーカーに至る全サプライチェーンの個別の事業者と企業秘密を厳守しつつ情報を共有し、国交省や厚労省などの省庁とも日々連携し、ピンポイントで解消していった。
―今回の件で特に感じたこととは何か。
サプライチェーンの上下に位置する現場の皆さんが立場の違いを超え粘り強く交渉していたことだ。特に人と人とのコミュニケーションが極めて重要だと痛感した。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 三菱ガス化学など3社・・・グリーンメタノール、市原市で事業化検討 31年の製造開始めざす
- ENEOSマテリアル・・・グループスローガンロゴデザインを制定
ENEOSマテリアルはグループのスローガン「つながれ。混ざれ。つくり出せ。」のロゴデザインを制定した。
共創により新たな価値を生み出していく姿勢を示したもので、分子の結合構造やネットワークをモチーフに、共創の姿を視覚的に表現し、社内外に発信していく。 - 帝人・・・CFRTPが電動車いす部品に採用
帝人の熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)「セリーボ」が、WHILL(ウィル、東京・品川区)の電動車いす最新モデル「WHILL Model C Lite」の主要構造部品に採用された。
今回採用されたセリーボは、一般的な射出成形機で成形可能なペレット状のグレードの一種で、ポリアミド樹脂に短繊維状の炭素繊維を均質に分散させたCFRTP「セリーボP CFPグレード」。軽量性と靭性に優れるほか、樹脂の流動性が高く、複雑な形状にも対応できるデザイン性を兼ね備える。炭素繊維は帝人の工程内で発生する端材を採用し、100%リサイクル品とすることで環境に配慮した。こうした特徴が評価され、ウィル最新モデルのフットレスト、背もたれ、アームレスト、バッテリーケースに採用された。
乾電池安定供給支える電解技術 東ソー日向 60 年の軌跡
日常的に使うアルカリ乾電池。その心臓部となる電解二酸化マンガン(EMD)を国内で唯一生産しているのが東ソー子会社、東ソー日向(宮崎県日向市)だ。高性能乾電池に採用される黒い粉末は、海外から輸入するマンガン鉱石を原料に製造される。同社は未来技術遺産に登録されたチタン陽極電解槽を保有しており、生産性や省エネルギー性の高さが強み。近隣に鉱さい(金属の精錬などで生じる産業廃棄物)処分場も確保していることも安定操業につながっている。創業60年の間に日向地区で構築した事業基盤が、競争力の源泉となっている。

柴崎嘉郎社長に聞く
東ソー日向は25年に創業60周年を迎えた。品質方針に「より良い製品を追求し、顧客とともに進化を続ける」を掲げ、国内外の乾電池産業に貢献している。柴崎嘉郎社長に安定供給の重要性や環境対応、次世代用途の開拓について聞いた。
品質求め顧客とともに進化
一次・二次電池へ用途拡大 次世代プロセスも追求
―東ソー日向の役割と強みは。
当社は日本唯一のEMDメーカーとして、高い独自性を持っている。売上高は約100億円で近年の業績は堅調であり、東ソーグループの収益に貢献している。年間3万㌧を生産し、その大半を国内外の大手電池メーカーへ供給している。ギリシャのグループ会社、トーソー・ヘラス(年産2万㌧)とも連携しながら安定供給を維持している。
―中国品との競争が続いています。
価格ではなく、品質と技術提案力で差別化を図っている。乾電池は二酸化マンガンと亜鉛があれば作れるが、高性能化には材料の粒子径や粒度分布、物性が大きく影響する。電池メーカーごとの要求に合わせて材料を最適化し、性能向上につなげることが当社の役割だ。
―国内の乾電池市場をどう見ていますか。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 宇部エクシモ・・・シリカ微粒子 スマート窓向け拡大
光透過率調整で新用途
宇部エクシモは、シリカ微粒子でLCD向けに続く新規用途として、窓ガラスの遮光や省エネを目的としたスマートウインドー向けの拡販に本腰を入れる。微粒子をギャップスペーサーとして用いるLCD向けの技術を応用した調光パネルであり、光の透過を変えることで遮光する。ビルなど建物の窓だけでなく、車両のウインドー向けとしても評価を進め市場を広げていく考え。 - 石油化学工業協会・・・7月の汎用4樹脂の出荷実績
- 日本ソーダ工業会・・・2026年7月のソーダ工業薬品需給状況 2026年7月カセイソーダ出荷内訳
- 塩ビ工業・環境協会・・・7月のPVC、VCMの生産・出荷
- 財務省貿易統計・・・2026年7月石化品輸出実績、2026年7月石化品輸入実績
- カーボンブラック協会・・・2026年カーボンブラック需要年央見通し
- 日本スチレン工業会・・・2026年7月受払表
- 石油化学工業協会・・・エチレン換算輸出入実績
- 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・7月のOPP・CPP出荷実績
- ベンゼン9月ACP・・・45㌦アップの1035㌦
- 化学製品値上げ
・東ソーはクロロプレンゴム(CR)とクロロスルホン化ポリエチレン(CSM)を9月24日出荷分から値上げする。上げ幅はCRのカルボキシル変性チップグレードが1㌔㌘110円以上、その他グレードが60円以上、CSMが40円以上。・レゾナックは10月1日納入分から液化アンモニアを1㌔㌘40円以上、同ボンベ入りを50円以上、アンモニア水を10円以上値上げする。。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- ダイセル・・・液晶ポリマー、用途広げ基盤強化 新系列を30年度稼働
- 三菱ケミカル・・・超高純度コロイダルシリカ、事業化へ福岡に新設備
- 住友化学・・・InPエピウエハー、茨城工場で量産開始 売上高300億円めざす

住友化学は茨城工場(茨城県日立市)で化合物半導体のインジウムリン(InP)エピウエハー(直径4㌅品)の量産体制を確立し、販売を開始した。次世代のデジタルインフラを支える光電融合技術の社会実装に貢献を目指す。30年代半ばにInPエピウエハー製品群で売上高300億円規模を目指す。
膨大な情報量を扱うAIデータセンターの電力消費や情報処理負荷が世界的な課題となるなか、InPエピウエハーは電気信号と光信号を高効率で変換する光電融合技術の光半導体デバイスを実現する中核材料として位置づけられている。 - ADEKA・・・光酸発生剤 供給倍増へ設備増強 10億円投じ28年完工
- 住友化学・・・3Dプリンター向けLCPフィラメント年内にサンプル提供
- 日華化学・・・繊維向けトップに米・非フッ素系撥水剤買収
- クレハ・・・東京工科大とSiC繊維CMC共同研究
- リスパック・・・60億円投じバイオプラ容器を増産
- 三菱ガス化学・・・稲わら由来ガスでバイオメタノール
- 三菱ガス化学・・新潟市でペロブス太陽電池を実証・
- 東レリサーチ・・・ダイヤ半導体新興PDSと共同研究
- 東洋紡・・・エアバッグ原糸のタイ合弁を子会社化
