石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

日本触媒・・・ソリューションズ拡大

ファイン・スペシャリティー系の製品

環境製品、30年度売上収益1350億円に
LIB電解質、世界供給体制を整備
日本触媒はファイン・スペシャリティー系の製品で構成されるソリューションズ事業の拡大を加速する。10の注目市場に対して技術やノウハウの強みを生かし、積極投資を行うことで環境貢献製品を中心とする新製品・新事業の育成を促進する。自社認定製品である環境貢献製品の売上収益を30年度に1350億円(22年度は440億円)に拡大する方針だ。

  • セーレン・・・車シート材、ハンガリーで増設へ 合皮の採用好調受け
  • UBE・・・ポリイミド、新系列で成長加速 新市場展開も強化
  • 三菱ケミカルグループ・・・包装材、水平再生技術を開発 3社共同で
  • トクヤマ・・・省エネ電解槽実証へ 効率世界トップ 今秋から
新中計始動した東レ

フルに価値創出力発揮

成長領域へ全社横断対応
東レは23年度から3年間の新中期経営課題(中計)「プロジェクトAP―G2025」の成長戦略の一つとして価値創出力強化に取り組む。27日付で社長に就任する大矢光雄副社長は機関投資家向け説明会で「素材開発から得た研究技術開発力、グローバルにバリューチェーンを構築する営業オペレーション力、高い品質での生産・供給力といった当社が長年にわたり築き上げてきた有形・無形資産を融合し生かし切って新たな付加価値を創出する」と意気込んだ。
価値創出力強化の主な取り組みは、成長領域の全社横断対応、営業オペレーション力によるバリューチェーンの深化・延伸、戦略的プライシング、ブランド価値向上の4点。

<特集>成長実現に向け 研究開発強化〜 エポキシ樹脂 (2〜3面)

各社の現状と成長戦略
エポキシ樹脂は電気・電子、塗料、土木建築、接着剤、炭素繊維強化樹脂(CFRP)など幅広い用途に使用され、多くは他素材への代替が難しい固有の用途。事業環境は先行き不透明ながらも、エポキシ樹脂の市場は世界経済の発展に加えてデジタル化や通信システムの高速化、車両の電動化・自動運転化、さらには循環型経済への対応といった新たなニーズを取り込みながら広がる方向だ。ニーズに応えた製品や周辺技術の開発を追求し、持続的成長につなげていきたいところ。
・電気電子用 半導体、高速通信に力
・汎用品 海外中心に競争激化
・国内エポキシ樹脂メーカーの生産能力(単位: 年産㌧)

日本化薬

  • 半導体用、積極増産で成長加速
  • 高周波基板向け 新樹脂含め開発

三井化学

  • 基本液状 供給安定性を訴求
  • バイオマス由来 認証取得し投入へ

三菱ケミカルグループ

  • 電材関連に力 技術力駆使し市場拡大
  • 福岡で新系列 三重と2拠点体制

オリン

  • 生産再編 高付加価値化を推進
  • 川下強化 積層板、複合材用に力

日鉄ケミカル&マテリアル

  • 非ハロ難燃 日・韓で車載用を拡販
  • 低誘電材料 ビニル系の採用進展

ADEKA

  • 車両・電気用 総合力で解決策提案
  • 機能向上、環境対応 グローバルに顧客支援

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • デュポン・スタイロ・・・XPS、付加価値で成長加速。 リサイクル対象拡大
  • ポリプラスチックス・・・POM、医療用を世界展開 標準品と高流動品
  • クラレ・・・水溶性ポバールフィルム 欧米SUD向け拡販
  • 大倉工業・・・総合包装システム 省人・自動化へ提案

大倉工業は包装現場の省人化や生産性向上に寄与するトータルパッケージングシステム=写真=を提案している。個別販売が多い自動包装機や計量機を同社がセット販売することで顧客は包装作業全体を省人化でき、機械トラブルなどの相談窓口も一本化できる。フィルムメーカーとしての知見も生かす。アフターコロナを見据え営業を強化する。
システムは縦ピロー型包装機や自動袋詰め包装機といった自動包装機に製品個数を数える計量器やピッキング作業を自動化するロボットハンドシステムなどを顧客の要望に応じて組み合わせる。

  • 出光興産・・・全固体電池を増産千葉2プラントに
  • ランクセス日本・・・環境保護に拍車
  • 三菱ケミカルグループ・・・麹菌由来の代替品 米新興企業に出資
  • 住友化学・・・譲渡制限付き株式発行
  • 積水化学 千葉ソリューションセンター・・・樹脂管 展示・実演で体感 栗東と相互補完

実験棟の内観。壁に長尺配管を設置した

積水化学工業は環境・ライフラインカンパニーで展開する樹脂配管などの製品の実験・実演拠点、千葉ソリューションセンター(市原市)を報道陣に公開した。施設は製造子会社の千葉積水工業内に立地し、自社製品を顧客に体感してもらうことを目的としている。21年10月に稼働しコロナ禍の影響がありながらも来場者は順調に増加。22年度は237件に上り、23年度は大幅に増加する見通しだ。マザー工場の滋賀栗東工場(栗東市)で20年に稼働した栗東開発棟とも連携し、製品の認知度向上、採用拡大につなげる。
環境・ライフラインカンパニーは公共工事分野、工場・環境分野、建築分野などにさまざまな製品を展開している。例えば建築分野の給水給湯管、排水管、空調配管などの樹脂管は金属管に比べ耐久性、施工性に優れるが、市場導入を図るうえで顧客に製品性能を理解してもらうことが必須だ。

  • UBE・・・CPL6月、100㌦安の1590㌦

最近の記事一覧石油化学新聞一覧