石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

ENEOSマテリアル・・・S-SBR 第6世代開発に拍車

EV専用タイヤ向け 25年にも事業化

世界3拠点へ水平展開
ENEOSマテリアルは溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(S―SBR)の差別化グレードとして第6世代S―SBRの開発に拍車をかける。電気自動車(EV)専用タイヤ向けをターゲットにユーザーの要求性能を満たす機能を実現させ、市場が本格化する見通しの25年をメドに事業化し、グローバル拠点への水平展開を図る構えだ。

東ソー・・・輸液バッグ薄肉化実現

PE新グレード開発

東ソーは、ポリエチレン(PE)製輸液バッグの薄肉化を可能にするPEの新グレードを開発した。樹脂の使用量や医療廃棄物の削減につながる材料として提案し、拡販を図る。
輸液バッグ用の水冷インフレーション成形3層フィルムの内層と外層に使う新グレードを開発した。このグレードを内層と外層の原料とした3層フィルムは、輸液バッグに要求される水蒸気バリア性、剛性、落袋強度、耐熱性、透明性をすべて満たしながら、厚さを180㍈と従来バッグに比べ28%薄肉化することに成功した。これで樹脂使用量も25%以上削減できるとしている。

旭化成・・・事業構造転換を加速

24年度 営業益 2000億円以上に再設定

石化チェーン CN見据え方向性明示
成長領域、資源配分に優先順位
旭化成は事業ポートフォリオ変革を一段と加速する。外部経済環境の悪化で収益計画の後ろ遅れが余儀なくされるなか、成長戦略の優先順位を明確にする一方で再構築事業の構造改革を急ぐ。工藤幸四郎社長は経営説明会で、足元は需要、市況のダブルで低迷に喘ぐ石油化学チェーン関連事業の今後について「中長期的な方向性を24年度中に示す」と明言した。

  • 東レ・・・ジルコニアビーズ、高耐久品を開発 電池材料粉砕向け
  • 出光興産・・・都市ごみから水素 地産地消の事業化検討
  • 日本化薬・・・導入広げGHG削減 太陽光発電とコージェネ
  • ポリプラスチックス・・・超耐熱樹脂、PEKを本格投入 商標「SARPEK」

<特集>自動車に求められる変化や進化に対応

新たな価値を創造する化学素材・技術/主要メーカーの事業戦略と展望〈上〉(2〜3面)
化学関連企業が自動車分野での用途開拓に拍車をかけている。各社はこれまでも自動車を重要な市場分野に位置づけ、自動車に求められる3大要素「環境」「安全」「快適」の実現に大きく貢献してきた。さらに環境規制の強化に伴う自動車の電動化、自動運転技術、カーシェアリングの進展などによる大きな環境変化を大きなビジネスチャンスと捉え、拡大する関連需要を取り込む構えだ。主要企業の取り組みを紹介する。


 

DIC

  • CFRPシート、軽量素材で金属代替
  • 25年本格投入 速硬化で常温保管も

 

帝人フロンティア

  • 吸音材、EV向け高機能品拡販
  • 立体成形型はFCVに採用

 

ダイセル

  • インフレーター、世界シェア25%目指す
  • 電流遮断器 欧米で先行し拡大

 

ダウ

  • モビリティ向け 5年後売上高倍増
  • サステナビリティーへ対応 幅広くEV化支援

 

JSP

  • EPP、4戦略で販売量伸長
  • 軽量化や環境ニーズに応え

 

クラレ

  • PA9T、増産機に車両用強化
  • 主要顧客向け材料登録完了

 

積水化学工業

  • ニーズ満たす製品供給
  • 高機能膜と放熱材料軸に

 

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ポリプラ・・・GHG削減へ革新技術

3製品の新系列などに

ポリプラスチックスは事業拡大と並行し環境保全への取り組みを強化する。生産設備には環境負荷低減に向けて革新技術を導入し、リサイクルなどにも取り組む。特に同社はポリアセタール(POM)など3製品で新系列を増設し、24年から順次稼働開始する計画。これらを活用して拡販を加速する一方、グループの温室効果ガス(GHG)排出量原単位をエネルギー効率の高いプロセスの導入などによって30年に13年比で46%削減する方針だ。

クラレ・・・タイ新工場稼働 PA9T・HSBC・MPD

イソプレン関連 第2の柱に

ラヨン県マプタプットに立地する新プラント

オープニングセレモニーに臨む川原仁社長(左から2人目)ら

クラレがタイでイソプレン関連事業の新工場を立ち上げた。新工場は総事業費約700億円を投じた一大プロジェクトで、クラレは同社の設備投資として過去最大規模の500億円弱を投じた。現地で5日に開いたオープニングセレモニーの会見で川原仁社長は「新工場で生産する3製品とも需給は世界的にタイトであり、新設備は非常に早く立ち上がるだろう」と勝算を語った。
新工場は首都バンコクから南東に約150㌔㍍、ラヨン県マプタプット石油化学コンプレックス内のWHAイースタン工業団地に建設。ブタジエン誘導品のポリアミド(PA)9T「ジェネスタ」と水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(HSBC)「セプトン」、イソブチレン誘導品の3―メチル―1・5―ペンタンジオール(MPD)の3設備が2月から稼働した。百数十人の従業員が従事する。

  • DIC・・・水素バインダー新製品、LIB長寿命化に寄与
  • 旭化成・・・CN特化で1億㌦5ヵ年CVC投資
  • 帝人フロンティア・・・PET衣料品からPU弾性繊維除去
  • プライムポリマー・・・間伐材製食器にバイオPP配合
  • 住友商事・・・グラフェン添加樹脂ゲルダウの代理店に 国内独占販売
  • 双日プラネット・・・バイオPEを配合医薬包装用PTP
  • 花王・・・薩摩川内市で プラ包装容器回収実証実験スタート
  • 千代田化工建設・・・カーボンフリー水素 豪社・中部電と生産覚書
  • 日本ABS樹脂工業会・・・出荷5ヵ月連続減
  • カーボンブラック協会・・・2月のカーボンブラック実績
  • 化学製品値上げ
    ・東亞合成・・・アクリルモノマー
    ・デンカ・・・ABSなど30円以上
    ・リケンテクノス・・・ラップを10%以上
    ・大倉工業・・・合成樹脂加工品も
    ・三菱ケミカルグループ・・・EOとEG類。 PTPシート

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