石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

セーレン・・・速硬化CFプリプレグ モバイル関連で実用化へ

25年メドに能力増強

セーレンは、新規事業の速硬化炭素繊維プリプレグ「セレカーボ」の展開を加速させる。成形加工時間を従来プリプレグより大幅に短縮でき、低いプロセスコストでCFRP部品が得られる利点が評価されており、23年度中にモバイル関連での実用化を目指す。さらに拡販を進め、30年度に売上高数十億円規模に育成する。生産設備も25年をメドに増強する。

  • トクヤマ・・・窒化アルミフィラー、柳井で設備本格稼働
  • UBE・・・研究開発、千葉へ機能をシフト 宇部研究所は廃止
  • 東レ・・・大型新規事業群、25年度売上収益3000億円に
  • 東洋紡と三菱商事・・・環境・機能材で新会社 30年度売上高2500億円へ
  • ダイセル・・・自動安全装置、低コスト要請に対応 品種数削減など
  • 三菱ケミカルグループ・・・農業フィルム子会社 住化積水に9月譲渡
  • クラレ・・・タイ新工場で開所式 イソプレン関連事業BCP対応を強化

テープカットしたクラレの川原仁社長(右から2人目)ら関係者

PA9T増設「26年までに決定」
クラレは5日、タイのイソプレン関連事業新工場のオープニングセレモニーを開催した。新工場は同国ラヨン県マプタプット石油化学コンプレックス内のWHAイースタン工業団地に立地。ブタジエン誘導品の高耐熱ポリアミド(P A ) 9T「ジェネスタ」の年産1万3千㌧設備と水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(H S B C)「セプトン」の1万6千㌧設備、イソブチレン誘導品の3―メチルー1・5―ペンタンジオール(MPD)の5千㌧設備で構成し、いずれも2月から順次稼働している。川原仁社長は会見で「3製品とも需給は世界的にタイト。新設備は非常に早く立ち上がるだろう」と述べ、「特にPA9Tは電気・電子、自動車部品向けに需要が旺盛であるため、増設計画を26年までに決定したい」との考えを示した。

<特集>需要回復の期待 高まるクロル・ アルカリ (2〜3面)

カセイソーダをはじめとするクロル・アルカリ製品はさまざまな産業を下支えし、人びとの健康で安全な生活にエッセンシャルな基礎素材である。足元は世界的な経済停滞で需要は鈍化しているが、年後半からの回復を期待する向きも多く、事実、弱含みで推移していた極東アジア市況はここにきて下げ止まった模様だ。主要電解メーカーは需要回復に万全の備えで臨み安定供給の継続に努める一方、カーボンニュートラル(CN)時代における新たな事業リモデルを視野に入れ、取り組みを加速させる。

概況

  • 市況、アジアは下げ止まり
  • CN実現へ取り組み加速
  • カセイソーダ生産・出荷推移
  • 2022年と2023年2月のソーダ工業薬品の需給状況
  • 2022年と2023年2月のカセイソーダ出荷内訳

有力各社の現状と戦略

東ソー

  • 強固なチェーンの起点
  • 輸出でアジアの成長取り込み

カネカ

  • 収益最大化 最適バランスで高稼働
  • 輸出含め「顔の見える営業」を

東亞合成

  • 設備更新、持続可能な基盤構築
  • ガス拡散電極活用も視野

トクヤマ

  • 安定供給体制を維持
  • 石炭火力発電 積極的にCN対応

信越化学工業

  • 鹿島 成長分野で市場開拓
  • 直江津 地域ユーザー密着で

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日本化薬・・・触媒事業 実験・試験設備を増強

顧客層広げ収益安定化

日本化薬は触媒事業の基盤強化に向け、厚狭工場(山口県)内で実験棟やパイロット試験設備を増強する。これらを最大限に活用して新規分野の触媒開発や開発品の採用促進に取り組み、顧客層を広げる方針だ。同事業の収益は市場環境の変化に左右され、大きな変動を繰り返してきた。増強する設備を有効活用して25年度以降は100億円以上の売上高を安定的に確保できる体制を整え、事業体質を改善する。
同社の触媒事業はアクリル酸とメタクリル酸の製造向けが主力。同事業は従来、最終製品の市場環境や顧客の触媒交換時期などに収益が影響されやすく、20年度は過去最高の売上高109億円を達成したが、21年度はコロナ禍も影響し60億円と大きく減少した。22年度は上期に中国で前倒し需要があり、通期で100億円以上を確保できる見通しだが、23年度は前倒し需要の反動も懸念されるため状況は厳しい。

  • カネカ・・・廃食油 生分解樹脂に 資源循環で連携
  • DIC・・・抗ウイルス抗菌剤 サンゲツの壁紙に
  • クレハ・・・30年度に営業益350億円 8年間で2500億円投資
  • 帝人・・・炭素価格と適用範囲 帝人が社内基準改定
  • 資源エネルギー庁・・・ナフサ今期6%増 原料需要見通し
  • 日本塗料工業会・・・今期予測 塗料需要4%増
  • 日本化学繊維工業会・・・2022年合繊長繊維不織布生産実績
  • クレハ・・・韓国事務所を法人化
  • 国際化学五輪・・・日本代表4人が決定

「夢・化学―21」委員会と日本化学会は第55回国際化学オリンピックスイス大会に派遣する日本代表生徒4人を決定した。4人は聖光学院高校(神奈川県)の鈴木晴翔さん、徳島市立高校(徳島県)の田中舜さん、東海高校(愛知県)の松坂康平さん、久留米大学附設高校(福岡県)の山之内望花さん。いずれも23年度の高校3年生。国際化学五輪スイス大会は7月16~25日に同国のチューリッヒで開かれる。理論試験(筆記)と実験課題で世界中の高校生が化学脳を競うほか、交流企画なども行う。

  • JSR・・・バイオマス原料 共同開発へ出資
  • レゾナック・・・SiCエピウエハー、「レクサス」BEVに
  • 旭化成・・・人工皮革ブランド「ディナミカ」に。延岡の人工皮革設備、全面再エネ電力認定
  • 東洋エンジニアリングと日揮・・・国内SAFで提携
  • 千代田化工建設・・・サムスンC&Tとスペラ水素で協業
  • ランクセス・・・アドベントと合弁設立完了
  • 三菱ガス化学・・・日本ユピカを完全子会社化
  • 東レ・・・スマートウエア、心房細動診断に有効 筑波大と実証
  • ダイセル・・・独CDMO子会社 バイオノリカに売却
  • 東レリサーチ・・・LIB解析特化 新事業部を発足
  • 東大LCA研究機構・・・化学など14社参画
  • コベストロジャパン・・・新社長に内村氏

コベストロジャパンは完全子会社、日本特殊コーティングの内村宗誉社長が7月1日付でコベストロ日本代表兼コベストロジャパン社長に就く人事を内定した。日本特殊コーティング社長も兼務する。米丸公康社長は6月30日付で退任する。
内村宗誉(うちむら・むねたか) 早稲田大学商学部卒、90年日商岩井(現双日)入社。95年日商岩井香港(現双日香港)出向、化学品合成樹脂部長。02年GE入社。11年DSM入社、エンジニアリングプラスチック事業部営業本部長。14年日本特殊コーティング出向、常務。20年から社長。兵庫県出身、56歳

  • JOGMEC・・・新理事長に髙原氏 JOGMECの新理事長に1日付で、資源エネルギー庁長官などを歴任した髙原一郎氏が就任した。3月31日付で退任した細野哲弘氏の後任。
    髙原一郎(たかはら・いちろう) 1979年通商産業省(現経済産業省)入省。10年7月中小企業庁長官、11年9月資源エネルギー庁長官。13年10月丸紅顧問、14年6月代表取締役常務執行役員に就任後、専務、副社長、副会長を歴任。
  • ベンゼン4月ACP・・・25㌦高の975㌦
  • 化学製品値上げ
    ・宇部丸善ポリエチレン・・・PEを10円以上
    ・カネカ・・・モダクリル繊維50円
    ・三井化学・・・PPGとPOP
  • レゾナック・・・本社を汐留に統合 レゾナックは東京の大門と丸の内に分かれている本社オフィスを汐留に統合・移転する。移転先は東京都港区東新橋1―9―1東京汐留ビルディング(24~26階)。7月1日に業務を開始する。

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