石油化学新聞 5304号
THE PETROCHEMICAL PRESS
ＣＮ実現へ研究開発加速する東レ
井口雄一朗研究本部長に聞く
基幹ポリマー 50年度に100％ＣＮ化
ＣＯ２原料化技術も視野
東レが50年のカーボンニュートラル（ＣＮ）実現に向けた研究開発を加速させている。18年に策定した「東レグループ・サステナビリティ・ビジョン」に基づく施策で、革新技術・先端材料の創出によってこの難題に挑む。研究本部長を務める井口雄一朗上席執行役員な具体的な取り組みを聞いた。
◇ ◇
―ＣＯ２排出削減に向けた取り組みをお聞かせください。
当社は50年のＣＮ実現に向けてサプライチェーン全体でのＣＯ２排出削減に取り組んでいる。自社の生産活動でのＣＯ２排出量は30年度に13年度比30％削減、50年度にゼロにする目標を掲げ、燃料転換、再生可能エネルギー由来電力導入、省エネルギーなどを推進している。
- ポリプラスチックス・・・６番目の柱を育成 新事業、５品目候補に創出へ
- 旭化成・・・ＣＯ２とメタン、バイオガスから回収 ゼオライト系吸着剤
- ダイセル・・・機能フィルム、付加価値市場拡大 ２年間で売上高倍増
- 昭和電工マテリアルズ・・・銅張積層板、下館と台湾で増強
THE PETROCHEMICAL PRESS
- ＪＮＣ・・・ポリリジンウイルス剤、安全・幅広い効果訴求 食添以外の用途開発を加速
- 三洋化成工業・・・匂いセンサー、年内にも実生産開始 来上期、売り上げ計上へ
- テラドローン・・・タンク点検にドローンを シンガポールでデモ会
- ポリプラスチックス・・・ＰＯＭ、３Ｄ印刷技術を確立 顧客の開発を加速
- 三菱ケミカルグループと東京大学・・・環境保全、化学産業の道筋示す
- ＳＡＢＩＣ・・・ＧＮＳＳアンテナ材料 高い信号利得性実現
- ＤＩＣ・・・12億円投じ排水ゼロへ 藻類培養 米中の工場で環境投資
- 帝人フロンティア・・・タイヤコードの環境配慮型開発
THE PETROCHEMICAL PRESS
- クレハエクストロン・・・フッ素樹脂 加工品の戦列拡充 ＰＦＡ・ＥＴＦＥも
- エンジニアリング協会・・・エンジ受注高5.4％増 前期18.7兆円 今期は過去最高に
- 日本ペイント・・・建築塗料 主力ブランド一新 栃木で出荷式
- セーレン・・・太陽光発電設備 中国子会社で稼働
- 横河電機・・・広域モニタリング、クラウド一元管理
- 積水化学工業・・・シナジー拡大へ 戦略分野を再編
- 日本ＡＢＳ樹脂工業会・・・ＡＢＳ国内出荷12ヵ月連続減少
- アキレス・・・ウレタンフォーム最高等級の断熱材
- 日本銀行・国内企業物価指数７月・・・基礎製品2.6㌽下降 プラは過半が上昇
- 積水化学工業・・・創薬支援子会社 米国同業に譲渡
- 化学製品値上げ
・旭化成・・・紙用ＳＢラテックス
・デンカ・・・電子包材用シート
・三菱ケミカルグループ・・・透明蒸着フィルム10月1日出荷分から。樹脂改質剤30円以上
・サン・トックス・・・ＯＰＰとＣＰＰ
THE PETROCHEMICAL PRESS
- クラレ・・・ＰＭＭＡ、耐熱品開発に本腰 新潟に試験設備
- 日本触媒・・・中国でＬｉＦＳＩ展開 現地企業に出資
- プライムポリマー・・・ＰＰ新設備 市原で起工
- 出光興産・・・千葉で廃プラＣＲ 25年度商業運転 年２万㌧再資源化
- 三菱ケミカルグループ・・・茨城県とＣＮ協定 まずはＣＲ商業化
- 東レ・・・印チェンナイに水処理研究拠点 10月始動
- 積水化学工業・・・可燃ごみ エタノールに 微生物活用 実証推進
㊧微生物を活用したエタノール化プラント ㊨ガス化施設
25年事業化
微生物という自然の力と、化学という人間の知恵の共同作業による新しいリサイクル事業が立ち上がる。積水化学工業は４月、バイオリファイナリー（ＢＲ）エタノール技術の実証実験として岩手県久慈市に本格事業の10分の１のスケールの実証プラントを稼働させた。可燃ごみを原料に、微生物を使ってエタノールを製造する世界初の技術を確立する。このエタノールからエチレンを経てポリエチレンなどのプラスチックを生産し、それを再循環することもできる。