石油化学新聞

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日本化薬・・・色素材料 環境対応品の拡大加速

非フェノール、水系で

日本化薬は、地球環境保全への関心が世界で高まるなか、色素材料事業で環境・安全対応型製品の拡大に本腰を入れる。ノンフェノール系の感熱顕色剤では欧州に続いて米国でも法規制対応を終え、これを機に顧客での評価・認定作業を加速し、世界市場での拡大を図る。水系のインクジェット(IJ)プリンター用顔料インクもヘッドメーカーなどとの連携で実用化に向けた開発が進んでおり、印刷メーカーでの評価を得ながら飲料・食品の軟包装材向けなどを拡大していく。

  • 三菱ケミカル・・・有胞子性乳酸菌、海外展開を本格化 食品向けや飼料用も
  • クレハ・・・PVDF中国増設分 26年度フル稼働に 車載LIB向け増販
  • ダウ・・・接着性ポリマー、PCR用の提案強化
  • 旭化成・・・スチレン系TPE、用途深耕と探索推進
  • クラレ・・・PA9T、DDR5用に本腰 高まる物性優位性
  • ダイセル・・・半導体関連、新規工程材開発に力 洗浄剤や添加剤
  • 石油化学工業協会・・・7月の石化製品生産実績

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東ソー・・・臭素 生産設備の増強推進

需給タイト状況続く

東ソーは、南陽事業所(山口県周南市)でプラスチック難燃剤などに使う臭素の生産設
備増強を推進している。23年1月までに生産能力を約3割増強する計画。海外の臭素メーカーの供給減で需給タイトの状況が続くとみられるためだ。
東ソーはアジア最大の臭素メーカー。世界では3大メーカー(イスラエルのICL、米アルベマール、独ランクセス)に次ぐ4位のポジションにある。南陽事業所で海水から抽出する製法で臭素を生産し、国内やアジア圏に販売しているほか、臭素を原料に用い臭素系難燃剤テトラブロモビスフェノールA(TBBA)、臭化水素酸といった誘導品を生産し販売している。

  • SABIC・・・オランダ工場がISCC認証 PCシート、再生可能原料使用で
  • 米ナノグラフ・・・米に量産設備建設へ 数十㌧規模 22年稼働 LIB負極材用添加剤
  • ダイセル・・・PEで共創サービス 銀ナノインク 開発短縮し需要喚起
  • 三井化学など3社・・・再生プラスチックの利用促進などを目的にコンソーシアムの設立で合意
  • アズビル・・・一目で状態把握する気体流量制御機器
  • 中越パルプ・・・CNF含有エマルジョンを共同開発

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積水化学工業・・・データビジネス検討 

住・インフラ材 センサー活用

積水化学工業は住・インフラ材分野でデータビジネスの立ち上げを検討している。独自開発のセンサー製品で収集したデータを活用し、新たな収益を生み出す機会としていく。
20年に上市した圧電センサー「アンシエル」と超音波センサー「スマートレベル」で集めたデータを活用する。アンシエルは人の動きや心拍数といったバイタル情報を病気の予防に役立てられるとみている。体積量を計測するスマートレベルでは大規模施設内などで場所により差が出る「ごみ箱」へのごみのたまり方に関する膨大なデータを最適配置場所の提示サービスなどに応用するといったことが考えられる。
住・インフラ材分野は高機能プラスチックスカンパニーの戦略分野の一つ。建物の配管材料となる塩素化塩ビ樹脂や建築用耐火材料などを扱うなか、新規事業としてセンサー製品の育成に力を入れている。

  • クレハ・・・PVDFを値上げ LIB向け 原料HCFC急騰
  • 旭化成ホームズ・・・「RE100」目標 前倒し達成へ
  • 宇部興産・・・8月CPL2070㌦ 据え置き
  • ドイツ化学大手3社・・・4~6月 大幅増益 増販と値上げ効果
  • エチレン・プロピレンゴム(EPDM)需給・・・車向け好調でタイト
  • APIC(アジア石油化学工業会議)2022インド大会・・・「開催検討は尚早」11月に再度協議
  • 石油化学工業協会・・・7月の汎用4樹脂の出荷実績
  • 塩ビ工業・環境協会・・・7月のPVC、VCMの生産・出荷
  • カーボンブラック協会・・・6月のカーボンブラック実績
  • 日本プラスチック工業連盟・・・プラ原材料と製品の在庫月数推移
  • 化学製品値上げ
    ・宇部興産・・・ナイロン66を50円
    ・日鉄ケミカル&マテリアル・・・BPAを25円以上
    ・DICマテリアル・・・不飽和ポリエステル樹脂など
    ・昭和電工・・・CRを42円以上
    ・東ソー・・・CRを40円以上
    ・クラレ・・・EVOHなど、PVAを30円以上
    ・三菱ケミカル・・・イオン交換樹脂など
    ・クボタケミックス・・・塩ビ・ポリオレ管

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昭和電工・・・NSC供給網を強化

傘下のILAG マレーシアに新工場

昭和電工はノンスティックコーティング剤(NSC)事業のさらなる拡充を図る。M&Aで傘下に入れたスイスのILAG(イーラグ)が現在、マレーシアに新工場を建設中で、年内に完成し来年初頭から営業運転を開始する。同じく買収したGMM(香港)と併せ昭和電工グループとしてNSCのグローバルな供給ネットワークを強化し、フライパンなど家庭用調理器具を中心とする消費財分野で世界トップクラスのシェアを拡大させる。自動車部材など産業財向けや新興市場向けの拡販にも拍車をかける。

  • 大倉工業・・・アクリル系接着剤 溶接容器代替提案に力
  • JNC・・・機能性液晶、低誘電基板材料に 用途開発に拍車
  • 横河電機・・・重合プロセス改善へ 米新興企業と提携
  • 東レ・・・マレーシアのABS本稼働 透明品シェア拡大
  • デンカ・・・千葉のABS設備近代化投資を完了
  • 東亞合成・・・アクリル系複合ポリマー、液状化防止に効果
  • 帝人フロンティア・・・新開発の遮熱塗料 表面平滑きれいに
  • テラドローン・・・トタルのフレア設備 欧州子会社が無人点検
  • リケンテクノス・・・タイ工場、塩ビコンパウンド15億円を投じ増設
  • ENEOS、日本触媒、三菱商事・・・バイオ誘導品供給へ共同調査をスタート
  • 三菱ケミカル・・・食品乳化剤を新設 福岡で2年後 三重と2拠点体制に

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