石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

三菱ケミカル・・・茨城でEOタンク増設

界面活性剤向け供給能力強化

三菱ケミカルは、茨城事業所で生産するエチレンオキサイド(EO)の貯蔵タンクを増設し、22年6月までに完工する。EOの在庫能力を高め、隣接する界面活性剤メーカーへの安定供給体制を強化する。需要が堅調なEOの供給を拡大し、収益の安定化につなげる。
三菱ケミカルは、鹿島コンビナートの東部地区に位置する茨城事業所で、ナフサ分解装置で得られるエチレンを主原料にEOを生産している。EOの多くはモノエチレングリコール(MEG)に誘導し、ポリエステル繊維やPET樹脂などの原料として国内外で販売しているが、MEGの輸出市場は市況変動が激しい。そこで同コンビナート内の界面活性剤メーカーに対し、EOとしての供給を増やす戦略をとっている。貯蔵タンクの増設で同戦略を強化する。

  • ポリプラスチックス・・・POM 世界で顧客層拡大 欧米中重点に新組織
  • ポリプラスチックス・・・POM新製品で市場探索 医療機器向けに本腰
  • 日本化薬・・・ありたい姿 見直し 25年度営業利益260億円に
  • 三菱ガス化学・・・人材育成施設を22年末竣工で新設
  • 住友化学・・・総合化学の強さ発揮 21年度、石化改善が収益貢献
  • デンカ・・・営業最高益の更新へ 中計残り2年間、不採算整理もメド
  • カネカ・・・事業構造変革を加速 先端事業群が好調
  • 東洋紡・・・経営基盤を再構築 信頼回復を最優先課題に

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三井化学・・・紙おむつ向け差別化

不織布、タイで高機能品増産

三井化学は、タイで紙おむつ向け高機能不織布の供給量を大幅に増やす。通常品の需給タイトな状況が解消しつつあり、余力がなくて進まなかった高機能品にシフトする環境が整ってきた。21年度は全量、高機能品の販売を目指しており、紙おむつ向け不織布市場でのさらなる差別化につなげる。
増やすのは省資源性などの特徴を有する「エアリファ」だ。紙おむつのギャザーやバックシートに使われる。素材のポロプロピレン繊維は中空構造であり、中空構造でない繊維に比べて約20%原料使用量が少ない。また、柔軟性と強度を兼ね備え、高品質な紙おむつの生産に寄与する。

  • 横河電機・・・「IA2IA」具体化へ 新3ヵ年中計、CF累計1400億円超に
  • JSR・・・ライフサイエンス、今期21%増収を計画 バイオ医薬など拡大
  • ENEOS・・・第2次中計、営業益7600億円に修正 コロナ長期化で減益
  • 出光興産・・・3ヵ年中計見直し 累計純利益2200億円に ポートフォリオ転換推進
  • 昭和電工マテリアルズ・・・食品包装用ラップフィルム、信越ポリマーに譲渡
  • SABIC・・・EV電池に新提案。PIフィルム、5G対応原料を開発
  • 東洋紡・・・工業用フィルム2製品販売好調
  • ソルベイ・・・高耐熱PPA投入 電車向けに力
  • 三菱ケミカル・・・最短1分硬化のCFプリプレグを発売

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  • ダイセル・・・樹脂事業、ポリプラとシナジー 来期から効果顕在化
  • 東洋エンジニアリング・・・受注2800億円めざす
  • クレハ・・・高機能製品を拡大 中計延長、未達成課題完遂へ
  • 総合化学5社石化系部門今期営業益・・・軒並み改善予想
  • 帝人・・・マテリアル事業領域の営業益11倍を見込む
  • 千代田化工建設・・・水素・アンモニア取扱量、30年に175万㌧目標
  • ダイセル・・・COと1.3BG、稼働時期修正
  • ブタジエン・・・極東向け1000㌦供給増で先安観も
  • 帝人・・・3ヵ年中計、投資積み増し4500億円
  • ダイセル・・・飲む美容液発売 アップサイクル素材
  • 化学製品値上げ
    ・クラレ・・・PVA国内外で
    ・三菱ケミカル・・・AEを10円以上
    ・タキロンシーアイ・・・塩ビ波板など
    ・東洋インキ・・・グラビアインクなど

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日本触媒・・・数十億円コスト減へ

EO系事業も強靭化  用途・市場開拓に力

日本触媒は主力のアクリル酸(AA)~高吸水性樹脂(SAP)事業で推進している収益改善策「SAPサバイバルプロジェクト」を酸化エチレン(EO)系ビジネスに横展開する新たなプロジェクトを始動させた。「EOレジリエンスプロジェクト」と銘打ちサプライチェーン全体で年間数十億円規模のコストダウンを目指すとともに、顧客業界との協業を通じて新用途・新市場開発を加速させる。コスト削減には設備改造を伴うため迅速に意思決定し、25年度をメドに強靭な事業体制を構築する。

東レ・・・先端材料の創出推進 横断連携で技術融合

構想・協創力で未来開く

恒川哲也常務執行役員

昨年、30年度を見据えた長期経営ビジョンを策定した東レ。これに基づき革新的な先端材料の継続的創出を推進する研究開発戦略について恒川哲也常務執行役員研究本部長(13日付で在ヨーロッパ東レ代表トーレ・インダストリーズ・ヨーロッパ社長に異動)に聞いた。
―東レの研究開発の方向性をお聞かせください。
当社は「素材には、社会を変える力がある。」という強い信念の下、有機合成化学、高分子化学、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーの四つのコア技術をベースに革新機能材料、次世代構造材料、新バイオ材料の創出に取り組んでいる。強みの一つは、分断されていない研究・技術開発組織である。組織横断連携で技術の融合による新技術が生まれやすくなり、総合力を発揮できる。

三洋化成工業・・・改革の成果定着へ

安藤社長 成長と新事業開花を期待

安藤孝夫社長

「やり残したことは何もない。特に風通しの良い会社にするという改革はできた。ただトップダウンで進めてきたので、今後は改革の成果をしっかり定着させるよう社員と話し合っていきたい」
三洋化成工業の安藤孝夫社長は20年度業績発表の記者会見で、社長在任の10年間を総括した。6月18日開催予定の定時株主総会と取締役会で樋口章憲副社長に経営のバトンを渡し、自身は代表権のない会長に就く。「業務執行は次期社長にすべて任せ、決して二頭政治にはしない」と明言するも「ダイバーシティー&インクルーシング(D&I)にはかかわっていきたい」。

  • JSR・・・エラストマー事業売却、ENEOSに来春1150億円
  • 宇部興産・・・化学事業、今期営業益2.5倍に 19年度水準も超過
  • KHネオケム・・・基礎化学品営業益 1~3月期3倍に

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