石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東レ・・・基幹ポリマー 原料の再生資源化加速

50年に比率 100 %へ

東レは、自社の繊維や樹脂、フィルムに使う基幹ポリマー原料の再生資源化の取り組みを加速させる。先行するリサイクル原料利用の拡大や、非可食バイオマスから原料となる糖(非可食糖)を生産する技術開発に加え、新たにCOを原料として利用する技術開発も本格化し、40年ごろの社会実装を目指す。

ENEOS中央技術研究所 4領域の研究開発推進

CN対応とデジタル化軸に

ダイレクトMCH 燃料電池技術を継承
実証スケールアップ着々と
ENEOSの中央技術研究所は、横浜市中区の本牧エリアに位置する。根岸製油所に隣接するこの地で50年以上も燃料、石油化学製品や機能材開発に取り組み、近年はカーボンニュートラル(CN)社会実現や水素サプライチェーン構築に向けた研究開発にも注力している。

中央技術研究所の外観

 今年4月新たに中央技術研究所長に就任した佐藤康司氏(写真)は、3月まで研究所下で領域研究所の「先進技術研究所」所長を務めていた。4月に旧組織の一部を分化するなど再編、領域研究所はほかに「サステナブル技術研究所」「デジタル研究所」「ソリューションセンター」がある。「持続可能な社会の実現のための研究開発やDXなどの注力領域に特化したマネジメント機能を強化した」。

  • ポリプラスチックス・・・環境対応型製品に力 リサイクルにも本腰
  • デンカ・・・卵殻含有樹脂を拡充 PS押出成形用とABS
  • クラレ・・・国内拠点中心に 耐熱PA 高付加価値化など推進 
  • 住友化学・・・耐アルコール性PMMAを開発

未来の社会担う若い力を育む 夢・化学-21

夏休み子ども実験ショー
ポストコロナで3年ぶりの開催となる「夏休み子ども化学実験ショー」が開催された。小学生が対象の同イベントを主催するのは化学関連産学四団体(日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会)で組織する「夢・化学―21」委員会。93年から化学の啓発と化学産業の社会への貢献の理解促進を目的とした各種キャンペーン事業を行っている。中学・高校生を対象にした化学の実力コンテスト「化学グランプリ」は1次選考がオンライン開催となったが真夏の恒例イベントとしてコロナ禍でも途絶えずに開催を続けた。化学グランプリで優秀な成績を収めた生徒が派遣される、世界の高校生が化学の実力を競い合う「国際化学オリンピック」では日本の代表生徒が毎回、優秀な成績を収めている。24年の第56回大会はサウジアラビアで開催される。

  • 化学グランプリ/国際化学五輪
    世界的化学者の第1歩 中・高生にまたとない機会
    中高校生を対象に行う恒例の夢・化学―21事業が「化学グランプリ」だ。毎年7、8月に開催されることから「化学の甲子園」として認知されている。国際的に通用する化学者を育てることを目的に開催され、大学のAO入試や特別選抜入試の対象にもなっている。コロナ禍では一次試験がリモート開催を余儀なくされたが、23年大会はコロナ前と同様に1次試験が全国の会場で行われた。2884人が参加し、その中から81人が8月29、30日に工学院大学八王子キャンパス(東京都八王子市)で開催された2次試験に参加した。

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