プロパン・ブタンニュース

総合面

バルク20年検査、販・充連携で計画消費を

経産省が次年度指針に追加 保安行動計画の構成案も提示

経済産業省ガス安全室は次年度のLPガス保安対策指針の新規項目として、バルク貯槽の20年検査の際にLPガス販売事業者が充填事業者と連携して貯槽の搬出工事日までに計画消費を行うことを盛り込んだ。6日の産業構造審議会LPガス小委員会(委員長=橘川武郎・東京理科大学大学院教授)に報告し、委員の了承を得た。

米中貿易摩擦、年後半の正常化に期待

中国「米国から買いたい」(国際セミナー)

産ガス国、消費国の対話促進を目的に東京・大手町の日経ホールで開かれた「LPガス国際セミナー2019」(主催=LPガス振興センター)は2日目の6日、講演者11人らと聴講者との間で総括質疑応答が行われた。
米中貿易摩擦に関するやり取りで、中国講演者のベンジャミン・ヤオ氏(広東油気商会)は「中国は米国から買いたいと思っている。米国との貿易は今年の後半には正常化し、元のレベルに戻るのではないか」との期待を示した。
石油やLPガス市場に対する米中問題の影響について基調講演者のウォルト・ハート氏(IHSマーキット社)は、「米国は中国に向けて350万㌧出していたが、18年はほとんどない。他の調達先を見つけないといけない」と指摘。

  • 資源・燃料分科会資料にLPガスの記述なし 岩井・日協会長、強靭化へ整備訴え
LPガス国際セミナーで荒木議長総括、「需給の多角化確信」

国際セミナー 650人が最新情報共有

「LPガス国際セミナー2019」は6日、2日間の日程を終えて閉幕した。速報値で延べ約650人が国内外から参加し、11の講演などから最新動向を共有した。総括質疑応答で議長を務めた荒木誠也・LPガス振興センター理事長は「今年はLPガス市場の新たなチャンスをテーマとした。セミナーを通じて需要、供給ともに多様化することを確信しつつ、産消両国の有意義な情報交換ができたと考える」と総括した。

  • 全L協青年部会代表者会議、各地の事例など発表し課題共有
  • エア・ウォーター発足20年、1兆円企業へ飛躍を

<平成、そして新時代へ>

マルエイ・澤田栄一社長

進取の精神で道を開く

本社の玄関に入ると、二宮金次郎の像が出迎えてくれる。多くの日本人から敬愛され、至誠、勤勉を心情としたその精神がマルエイには息づいている。1885年の創業以来、明治、大正、昭和、平成と四つの時代を生き、絶えず仕入先や販売先に感謝し、事業に勤しんできた。そして常に進取の気質で新たな道を歩んでいる。澤田栄一社長は盛和塾で稲盛和夫・京セラ名誉会長から人生哲学と経営哲学を学び、実践し、新しい時代に相応しい企業として同社を発展させてきた。アメーバ経営からはたくさんの芽が出て花開き、さらに新しい芽が成長している。

首都圏版

  • ミライフ、カタログセールの売上高が4%増の2億7702円に
  • 鈴与商事、BCP対策強化へ29拠点に非常用発電機導入
  • KHK、横浜市消防局と協定 技術基準化や人材育成など
  • 神奈川県協青年部、平塚養護学校にLPガス関連設備機器を寄贈

地方版

北海道=道協網走北見、簡易給湯システムの自己完結型設備をPR

道協網走北見分会 避難所の衛生維持を

北海道LPガス協会網走支部北見分会(清水敬司分会長)が、LPガスによる手製の自己完結型の簡易給湯システムをPRした。給湯システムは災害でライフラインが寸断した際の避難所の衛生環境確保を目的に作成したもので、1月26~27日に北見市で実施した厳冬期避難所展開・宿泊演習で披露され、LPガスの優位性をアピールした。

北海道=北海道ガス、GHPの運用でIoT活用の新サービス

北海道ガス 遠隔管理で省エネ

北海道ガス(本社・札幌市、大槻博社長)は2月27日から、IoT(モノのインターネット)を活用した法人対象の「GHPの省エネ・遠隔通信保守サービス」の受け付けを開始した。
GHPを北ガスが遠隔操作し、エネルギー消費を抑制するほか、稼働そのものを監視することで故障の発生を未然に防ぐという、IoTを使った道内初めてサービスとなる。

  • 東北=火災警報器普及はLPガス店の役割 会津保安協組青年部が研修会
  • 中部=共栄液化ガスの販売支援策、こんろ拡販に重点
  • 近畿・四国=愛媛県協、全国からの支援金活用で仮設住宅にガス乾燥機設置
  • 近畿・四国=あさひ堂(京丹波町)・髙畑滉平氏、販売店継ぎ未来目指す
中国=松江市、小中学校11校にLPガスGHP導入 

島根県協松江の要望が実る

島根県LPガス協会松江支部(奥田薫支部長)は昨年10月に松江市役所を訪れ、松浦正敬市長に「公共施設等へのLPガス導入に関するお願い」と題する書面を提出し、公立小中学校へのエアコン設置や公共施設へのLPガス導入を要望していたが、空調機の設置を予定している市内の公立小中学校38校のうち11校(小学校7校、中学校4校)でLPガス仕様GHPが採用されることになった。

  • 中国=<新社長登場>松江石油・山本公司氏、縁重んじ人生意気に
  • 九州=九州コラボが鹿児島で体感セミナー 最新機器の機能紹介
  • 九州=九州電力、4月から電気料金値下げへ 西部ガスも対抗

住設・新技術

  • スマートグリッド展にLPガス関連も多数出展 発電機やLPWA活用など
  • FCエキスポに水素社会の先端技術が集結 岩谷産業はフォークリフト充填装置を出展

特集記事 <国土強靭化特集>

岩谷産業、「デリステ」標準化へ拍車 防災学習会に協力

日団協と連携 全地婦連10会場で

大規模自然災害への対応に待ったなしの状況が続き、「エネルギー供給の最後の砦」たるLPガスの常用化が大きな課題になっている。その優位性を国民に広く認知してもらい実装にたどり着かなければ、絵に描いたもちのままだ。岩谷産業(本社・大阪、東京、谷本光博社長)がリンナイの協力を得て開発し一昨年10月に発売した炊き出しセット「イワタニ デリバリーステーション」は、機能と使いやすさから平時のイベントにも活用され、発売1年で300台超を出荷している。昨年は日本LPガス団体協議会(岩井清祐会長)と連携し、全国地域婦人団体連絡協議会(岩田繁子会長)の傘下団体の要望に応えて全国10地区の防災学習会に全面協力した。デリステを使った炊き出し訓練が好評で、傘下の全国26婦人団体の間で一気に存在感を高めた。導入には強靭化で注目を集める「災害バルク補助金」が適用されるケースも多く、今後は地域防災を支えるLPガス事業者の必需品となりそうだ。

  • 女性視点で対策強化、座学に加え調理体験
胆振東部地震~道民、LPガスを再評価

全道停電を経験 エネ見直す契機に

強い規模の地震が半年の間に2度発生したことで、道民の意識は確実に変わった。特にこれまで地震災害とは無縁と思われてきた札幌市で大きな被害が発生したことが大きく、市民は災害をより身近なものとしてとらえるようになった。
意識の変化は、エネルギーを考えるきっかけともなった。胆振東部地震で多くの消費者が分散型エネルギー・LPガスに触れる機会が多かった影響も大きい。カセットガス式のストーブや低圧LPガス発電機を買い求める人が増え、一時的な品薄状態を生んだ。全道ブラックアウト(停電)中でもLPガスを使って炊事できた点に加え、エア・ウォーターの移動電源車を活用した携帯電話への充電サービス、発電機で同様のサービスを自発的に展開した販売事業者が多く存在していたことも、好意的に受け入れられた。

自治体がBCP強化

業界は常設拡大で供給対応

消費者だけでなく、自治体もLPガスに熱い視線を注ぎ始めた。市役所庁舎をはじめ大規模な公共施設の更新時期を各地で迎えており、事業継続計画(BCP)の観点からLPガス仕様の非常用発電機や災害対応バルク貯槽の導入を真剣に検討する市町村が以前に比べ増えたのは確実だ。

エア・ウォーター、移動電源車が窮地救う 

避難所に給電

昨年9月6日の北海道胆振東部地震以降、エア・ウォーター(本社・大阪市、豊田昌洋会長)の移動電源車に改めて注目が集まっている。地震で道内全域が停電に見舞われるという未曽有の事態のなか、稚内、函館、釧路にある同社2次基地が移動電源車からの給電により充填業務を継続できたためだ。7年前、室蘭登別の暴風雪による大停電以来の本格的な防災復旧出動となった今回、100㌔㍗から9・8㌔㍗級まで道内にある移動電源車全15台が市民の生活を支えようと奔走した。
AWは道内で、100㌔㍗級移動電源車を2次基地向けに3台、9・8㌔㍗級を11ある充填所に配備している。今回の災害出動では初めて小回りの利く9・8㌔㍗級が現場へ急行し、福祉施設や食品工場に給電した。

停電対策で注目集める「LPガス発電機」

LPガス発電機でレジリエンス強化-メーカー8社の製品ラインアップ

北海道胆振東部地震では道内全域で停電に陥り、電力を含めたエネルギー供給のレジリエンス(災害に対する強靭さ)が大きな課題となった。非常用発電機が活躍したものの、石油燃料が調達できずに燃料切れとなり、併用していたLPガス発電機がフォローした事例もあった。大型のものは石油燃料仕様の独壇場だった時代もあるが、劣化なく長期保存できるLPガスの特性を生かした製品のラインアップが拡充してきた。国が電源の強靭化に注力して予算を組むなか、存在感を存分に発揮させたい。

  • 最前線フォト/暮らし正常化へ
  • 暮らし正常化へ支援・協力を継続
  • 震災・豪雨被災地-LPガスで強靭化
  • 熊本地震=復興住宅1717戸建設予定 新築戸建ての電化傾向には危機感
  • 大阪府北部地震=常設要望活動に拍車 体育館GHPが台風避難で底力
  • 西日本豪雨=岡山県協、防災力を一層向上 BCP、企業別に策定促進
津波被害の宮古市田老地区~再建への思い

流出家屋再建半数で終息 宮古市田老地区 東日本大震災 8年

東日本大震災から8年。津波被害を受けた岩手、宮城県の沿岸部は大規模なかさ上げ工事を行った地区で宅地整備が完了していないところもあるが、多くの地域では住環境が整い住宅再建もほぼ落ち着いた。宮古市田老地区の住宅再建熱は昨年で終息した。津波で流出した住宅は約800戸で、再建された住宅は半分の約400戸。震災時4400人だった人口は、今年2月に3千人を割った。津波で店舗兼自宅を流された田老ガス水道設備工業の前川邦夫社長は、同地区まちづくり協議会のメンバーとして復興に携わりながら、この8年、変わっていく田老を見つめてきた。町はどう再建されたのかを紹介しながら、前川社長に人口が減少していく田老で店舗を再建した思いを聞いた。

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