石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

トクヤマ・・・R&D拠点の整備着々 つくば第2研ライフSに重点

一部新事業の製造機能も

既存のつくば研究所。この隣接地に第二研究所が秋にオープンする

トクヤマは研究開発の拠点整備を着々と進めている。今秋には国内3カ所目となるつくば第二研究所を全面開所する予定で、各研究所の役割や重点テーマの配分などが定まってきた。新設するつくば第二研ではライフサイエンス関連の研究開発に重点を置くほか一部、ニュービジネス関連の製造機能を設ける構想。出口を見据えて機能性を重視した質実剛健な研究開発施設が立ち上がる。

  • 東レ・・・ABS樹脂、高機能化を加速 透明品シェア 25年度45%に向上
  • UBE・・・窒化ケイ素、宇部で5割増強へ 25年度下期稼働
  • ポリプラスチックス・・・コンパウンド、富士の新系列が稼働 PP拡販加速へ
  • 東レ・・・RT炭素繊維 米韓で増設へ 圧力容器向け25年稼働
新社長インタビュー・・・日本ポリエチレン 安田孝氏

スピード重視で展開 高機能、環境対応品を拡充

「新型コロナウイルス禍や原燃料価格の高騰などで傷んだ収益力を改善し、高性能・高機能の新製品、環境配慮型製品の販売を伸ばすための投資をきちんとやっていけるような基盤を築く」 こう抱負を語るのは国内最大のポリエチレンメーカー、日本ポリエチレンの社長に4月1日付で就任した安田孝さん。
目下最大の悩みに、長引く需要低迷を挙げる。LDPEの国内需要は直近の5月まで9カ月連続で前年実績を下回り、HDPEは17カ月連続で前年実績を下回る。
「昨年は年初から半導体不足による自動車の減産で樹脂製燃料タンク向けが低迷し、住宅着工件数の減少を背景にパイプといった建材、電線被覆材向け需要も振るわない。夏を過ぎたころからは巣ごもり特需の一巡で、これまで堅調だった食品包装材や生活資材向けも落ち込んでいる。今年1〜2月のポリエチレン国内需要は過去10年で最低レベルを記録し、これを底に3月以降は回復傾向にあるものの、まだまだ力強さに欠ける」と振り返る。

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大阪ソーダ・・・ECOベースTPV開発 

車燃料系ホース向け提案

大阪ソーダは、エピクロルヒドリンゴム(ECO)ベースの動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)を開発した。良好な耐熱性、耐油性、ガスバリア性を併せ持つのが特徴で、これら性能が高いレベルで求められる自動車用燃料系ホース向けなどに提案する。

  • タキロンシーアイ・・・米でシュリンクF増産 PETボトルと同時再生

タキロンシーアイは、PETボトルと同時リサイクル可能なシュリンクフィルム「ボンペットリニュー」の製造条件を確立し、現行とは別の生産ラインでの製造を可能にした。生産能力は発売当初の5千㌧から1万㌧に倍増し、安定供給に向けて柔軟な生産体制を構築した。
ボンペットリニューはラベルを剥がすことなくPETボトルと一緒にリサイクルできることから、米国での引き合いが強まっている。25年までに米国で年間1万㌧の販売を目指す。

  • ADEKA・・・日本農薬と動物用抗寄生虫剤の共同開発を加速
  • ピエクレックス・・・圧電繊維の抗菌性ソックスを発売
  • エボニック・・・水電解用を25年量産 アニオン交換膜 PEEK系基材に
  • 独エボニック・・・PI膜で耐久性発揮 メンブレン 技術で先導し世界へ
  • ダウとP&G中国・・・eコマース包装のリサイクルで協業
  • 東ソーと日本カーリット・・・水電解触媒開発 NEDOに採択
  • 東レ・・・韓国でPPSのISCC認証取得
  • レゾナック・・・新技術、強度と磁気特性の異方性ボンド磁石
  • 帝人・・・熊谷組と耐火建築に利用 可能な集成材開発

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国内エポキシ樹脂メーカー・・・成長分野を拡大

高周波向け新樹脂開発

国内のエポキシ樹脂メーカーは蓄積した技術や基板向けなどでの採用実績を生かして高周波基板向けの需要を取り込もうと、低誘電特性などを備えた新規熱硬化性樹脂の開発を強化している。通信システムの高速化に伴う5G、6G市場向けの需要増を想定し、エポキシ樹脂事業の延長として成長分野を拡大させる考え。

  • 日本繊維産業連盟の鎌原正直会長・・・人材確保へ課題解決 外国人受け入れに力
  • プライムポリマー・・・バイオマスPP食品包装 エコマーク取得
  • たつみ工業・・・PU不燃断熱パネル 木更津プラント竣工 10月稼働

新プラントの連続生産ライン

たつみ工業はポリウレタン(PU)製不燃断熱パネルを製造する木更津プラント(千葉県)を竣工した。10月に稼働する予定。従来品より環境負荷の低いハイドロフルオロオレフィン(HFO)発泡剤を使用し、ウレタン注入式断熱パネルを連続ラインで製造する。発泡にHFOを使い連続ラインで製造する工程は世界初。従来の工法では困難だった厚みのある不燃断熱パネルの製造が可能になった。国内で唯一、厚さ200㍉㍍以上の断熱パネルを製造できる。需要が旺盛な物流センター、大型冷蔵冷凍庫、半導体のクリーンルーム工場などへの拡販を目指す。投資額は30億円。

  • 三井化学社外取締役馬淵晃氏・・・BV・RV向上後押し ブランド強化 余念なく
  • 日揮ホールディングス・・・ファインケミカル事業 新潟と北九州で拡大
  • 帝人・・・心臓血管修復パッチ製造販売承認を取得
  • 発泡スチロール協会・・・廃EPS有効利用率 昨年最高の92.3% 人手不足でMR率低下
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の用途別出荷推移(単位: トン)
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2023年6月のPSP出荷実績(単位: トン、%)
  • 日本銀行・国内企業物価指数の5月実績・・・基礎製品横ばい
  • リンテック・・・粘着紙など値上げ

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DIC・・・有機・無機・バイオ 3材料で市場開拓

基盤技術を深耕

DICはR&D統括本部で有機材料、無機材料、バイオ材料を3本柱に取り組む基盤技術の深耕と市場開拓を進展させた。一例として、有機材料で開発中の部材リサイクルに寄与する接着技術は25年ごろにサンプル供給開始を目指す。板状アルミナを放熱対策用の樹脂充填材向けなどに展開中の無機材料は、SiCパワー半導体の拡大を見据え形状最適化などを追求する。バイオ材料はアスパラギン酸を原料とする生分解性の高吸水性樹脂(SAP)で3年内にパイロット設備を確立、試験販売を開始し早期の上市を目指す。

三井化学と業界の未来 橋本修社長インタビュー<中>

足し算思考で成長持続 機能性樹脂、増設が戦力化

韓国で稼働中のMDIプラント。機能性と環境性を付加し第2期を立ち上げる

長期経営計画「VISON2030」の実現に向け、その通過点である25年度にコア営業利益2千億円を目指す三井化学。事業ポートフォリオ変革で整備したICT、モビリティ、ライフ&ヘルスケア(L&H)による成長3領域とグリーン&基盤素材(G&BM)のソリューションビジネス体制で、23年度から再び利益成長軌道を取り戻す。各事業の現状と目標達成の確度を橋本修社長に聞いた。

  • 出光ファインコンポジット・・・車部品・家電向けPPコンパウンド インドで拡販
    出光ファインコンポジットはインドでポリプロピレン(PP)コンパウンドを拡販する。これまでは射出・押出成形用の各種自動車部品向けが中心だったが「インド北部では自動車工場の拡張に合わせてシェアを維持しながら販売を伸ばし、成長トレンドに乗ることを目指す。北部以外では自動車に加え、家電部品向けの売り上げも増やしていく」(現地法人の豊嵜英夫社長)戦略だ。

 

  • UBE・・・PI多孔質膜を装着 培養キット年内上市
  • 三井化学・・・ESGで経営基盤強化 リスク対応、人材育成
  • 旭化成・・・ヘルスケア領域本部 米ボストン市郊外に

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