石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東ソー・・・石油化学事業、基盤強化と脱炭素追求

バイオ原料、CR設備導入も

芳香族化技術開発
東ソーは、石油化学事業の主力拠点、四日市事業所(三重県四日市市)で種々の基盤強化策、脱炭素対応策を実施する検討に入った。基盤強化策は、現在燃料に使用しているC残留分を芳香族化する技術の導入を検討、留分の高付加価値化を図る。脱炭素対応は、ガスタービン発電設備増設やバイオ原料導入を計画。中長期的には廃プラスチックを石化原料として再生利用するケミカルリサイクル(CR)の設備導入や、グリーン燃料の導入などを進める。

「レゾナック」始動  化学の力で世界を変える

髙橋社長 幅広く共創し成果を

会見する髙橋秀仁社長

アンサングリ ー ダ ー 変革と成長を牽引
人材育成 働く人がブランドに
半導体・電子材料を中核事業とし、世界トップクラスの機能性化学メーカーを目指すレゾナックがスタートした。旧昭和電工による旧日立化成買収発表から3年、統合作業を本格化させて2年が経過し、その間、新会社の企業理念であるパーパスとバリューを社内で共有化(「自分ごと化」)した。次は社外との共創を通じて「化学の力で社会を変える」。
◇   ◇
「僕なりに10年先の変革のイメージは持っており、それをこの1年かけて社員に直接発信してきた。手応えは感じている。今年からは双方向で議論を回していく」。

  • フタムラ化学・・・海外新工場を検討 セルロースフィルム、4拠点体制構築 高機能品は英で増設
  • 東亞合成・・・CNFの本格販売開始 名古屋に量産設備新設
  • 東レ・・・樹脂テクニカルセンター、墨と印に設置検討 自動車など顧客支援
  • ポリプラスチックス・・・中国拠点を移転増設 コンパウンド、25年に供給開始
  • カネカ・・・ワクチン原料をベルギーで5倍増
  • 帝人と富士通・・・再生炭素繊維の環境価値化実証へ

<特集>SAP、世界市 場に変化の兆し (2面)

アクリル酸を原料に70年代後半に日本で初めて工業化された高吸水性樹脂(SAP)は、紙おむつを中心とする衛生材料には必須の素材として瞬く間に日米欧の先進国市場で生活必需品としてのポジションを確立。00年代以降は中国をはじめとする新興国にも市場を広げ、今も成長を続けている。しかし、各国市場ごとの需給動向には温度差があり、新興勢力の台頭もあって競争環境が激化。収益性の低さから、もはや数量を追う時代ではなくなった。主要メーカーは世界市場の変化の胎動を機敏にとらえ、SAPの機能や特性、サステナブルな対応を念頭に置いた高機能・高付加価値路線に活路を見出す。
日本メーカー、高機能領域に活路
中国市場、淘汰・再編の動きも
概況

住友精化

  • アジアで6万6000㌧新設
  • 合理化と新製品開発に力

日本触媒

  • 旧系列、S&Bで競争力強化
  • サステナブルな取り組みも

SDPグローバル

  • マレーシア高稼働、西南アジア開拓へ
  • ライフサイエンス分野など 高機能領域にも道

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  • POM・・・日本企業が存在感 中国で増産、攻勢  欧米・インド市場も拡大
  • UBE・・・GHG排出量データ 製品別に顧客へ提供
  • 大倉工業・・・オリーブを有効活用 機能性成分抽出へ研究

大倉工業は地元・香川県の特産品オリーブを有効活用しようと、未利用部の葉の部分から加圧熱水抽出法という特殊な方法で機能性成分を取り出し、オリーブ葉由来エキスとして開発を進めている。既にサンプルワークの段階で、今年上期中に機能性表示食品として登録される見通しだ。同社は試験農場を整備し、葉の機能性成分をより豊富に含有する栽培方法を研究している。他の植物や食品の加工残さからの機能性成分抽出も検討し、共同研究も募集している。【写真】ハウス栽培するオリーブ。生育期間は1~4年に及ぶ

  • 積水化学工業・・・6年連続 グローバル100入り
  • 旭化成・・・「人財」終身成長へ 社員向け講座開始
  • 塩ビ工業・環境協会・・・12月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・11月のOPP・CPP出荷実績
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の用途別出荷推移
  • 日本プラスチック板協会・・・11月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績、11月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、11月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績
  • 日本化学繊維協会・・・11月の合成繊維生産・在庫量
  • カーボンブラック協会・・・11月のカーボンブラック実績
  • 化学製品値上げ
    ・クラレ・・・PA9T2月から
    ・日本エイアンドエル・・・ラテックス25円以上

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ポリプラスチックス・・・新規事業育成を加速

複数テーマ成果着々 商業規模の採用も

ポリプラスチックスはエンプラ専業大手として持続的成長を目指し、新事業の育成を加速させる。既に長繊維強化熱可塑性樹脂「プラストロン」、ファインパウダー「DURAST」、超耐熱スーパーエンプラのポリエーテルケトン(PEK)に加え最大のコア事業であるPOMの医療用やマスバランスアプローチを候補に拡大に取り組み、成果も得られてきた。いくつかを新たな柱に育て上げることで提案できるソリューションの幅を広げ、一層の事業基盤強化につなげる。

  • 積水化学工業・・・EV放熱材 米で生産 世界シェア20%目標
  • フタムラ化学・・・セルロース100%不織布 環境配慮の新製品 2月発売
  • ダイセル・・・酢酸セルロース、石油由来代替に力 特性生かす用途も
  • 日本ポリプロ・・・フィルムを肉薄化 高剛性PP開発
  • 帝人・・・RFID技術を活用 医療材の物流効率化 システム開発
  • ランクセス・・・バイオスチレン、トタルから調達
  • UBE・・・米国事業強化へ 現地に統括会社
  • DIC・・・化粧品原料拡大へ GSMを子会社化
  • デンカ・・・米社とCVCファンド設立
  • 東洋紡・・・高機能フィルム試作棟を大津で竣工
  • 長瀬産業・・・バイオ関連を林原に 事業統合
  • 帝人フロンティア・・・高機能素材を使った生活雑貨ECサイト開設

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