石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

三菱ガス化学・・・環境循環型 メタノール 合弁先と協議開始

サウジと南米で事業化

三菱ガス化学は、サウジアラビアと南米ベネズエラのメタノール合弁工場で、回収したCOと水素を原料とする環境循環型メタノールを事業化する検討に入った。事業化のスケジュールなどは未定だが、化石資源由来メタノールの世界的大手として、環境循環型メタノール事業の拡大でCO排出削減を図り、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する考えだ。
サウジではサウジ基礎産業公社(SABIC)などと、ベネズエラでは国営石油化学公社ペキベンなどと合弁でメタノール生産拠点を置く。各合弁パートナーと環境循環型メタノールの事業化に
向けて協議を開始した。

  • 住友化学・・・石化触媒の増産検討 POなど技術供与拡大へ
  • UBE・・・宇部で機能品増産 分離膜や窒化ケイ素など
  • ダウ・・・日本市場 環境対応を支援、GDP比1.5倍成長を
  • 三菱ケミカルグループ・・・横浜で医薬品研究棟を増設
  • デンカ・・・半導体材料のHCDS増強
サステナブルな材料・技術で質的成長  三菱ケミカルヨーロッパ

欧州事業管理 ワンカンパニーで 環境製品をチャンスに

㊤左からトーマス・ヘイルMFE社長、アンスガー・ポールMCE社長㊦三菱ポリエステルフィルム(欧州)のヴィースバーデン工場

三菱ケミカルヨーロッパ(MCE)は、欧州経済のリセッションを前に、これまでの拡大路線から質的成長へと舵を切る。サステナブルな材料・技術に対する強いニーズに応えるべく、環境対応型の製品・事業に投資を集中。「ワンカンパニー・ワンチーム」の旗印の下、グローバルネットワークの強みを次代の成長につなげる。
三菱ケミカルグループにおける欧州地域統括会社(RHQ)であるMCEの売り上げ規模は年間40億ユーロに達している。3年前に20億ユーロからの売り上げ倍増を目標としていたがそれを達成。欧州市場における存在感を着実に高めている。
特に今年度からはRHQとして役割に加え、三菱ケミカルグループとして「ワンカンパニー、ワンチーム」の運営体制に移行したことを受けて、その横串機能も担っている。グループ全体が事業・機能別のタテ列のマネジメントラインで統合管理されるなか、これをより効率的に回すことで一体運営の組織力を発揮しようとしている。

  • 【おことわり】本号(19日付)が今年の最終号となります。年明けは1月1日付新年特大号からとなります。ご了承下さい。

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ダイセル・・・亀岡工場 23 年度内にフル活用

取得事業とシナジー

ダイセルは、グンゼから取得した事業(電子部品事業部フィルム部門)とのシナジー最大化に取り組む。コーティングなどの技術や亀岡工場(京都府亀岡市)を取得したことで、まず高機能フィルムの生産を外注していた製品を含めて亀岡での生産にシフトし、23年度中にはクリーンルームを含む亀岡の既存設備をフル活用できるようにする考え。将来はレンズをはじめ高機能フィルム以外の製品についても亀岡での生産を検討していく。

  • 旭有機材・・・陸上養殖事業に参入 バルブ配管ノウハウ活用
  • タキロンシーアイ・・・伸縮フィルム、バイオマス品を開発 梱包用で市場開拓
  • 東レ・・・PETフィルム、水系塗料向け新製品 塗布・密着性を両立
  • JSR・・・分子結合材を製品化 高速通信用 平滑な界面も強固に
  • DIC・・・低誘電材の提案強化 高周波基板用 活性エステルやBMI
  • 三菱ケミカルグループ・・・樹脂コンパウンド、再生炭素繊維を使用 環境配慮型で拡販
  • プライムポリマー・・・バイオマスPPがマグカップに採用

バイオマスPP採用のマグカップ4色

  • 積水化成品工業・・・複合樹脂発泡体、ラインナップ刷新 環境品で新用途
  • 三菱ケミカルグループ・・・コーヒー豆包材に生分解性樹脂採用「バイオPBS」

BioPBSを使用した包材がドトールに採用

  • ダイセル・・・新規投与デバイス 米医療承認取得へ

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アクリル酸エステル・・・需要回復に期待感

都市封鎖 緩和 減産と在庫調整進む

夏場以降のアジア市況急落で実取引が停滞していた中国のアクリル酸エステル市場で、当初想定より早い回復を期待する向きが出てきた。メーカーの減産強化と流通在庫の調整完了で需給バランスが改善に向かいつつあり、ゼロコロナ政策の緩和で幅広い産業分野に用いられる同製品の需要が盛り返すとの観測が強まっている。一方、日本国内の生産と需要は前年同期比でともに7%程度減少しているが、コロナ禍で需要が鈍化した20年との比較では2ケタ増加している。

  • エクソンモービル・・・廃プラ再生設備稼働 処理能力、年3.6万㌧超
  • JSP・・・発泡と射出成形融合 技術開発へ連携拡大
  • エクソンモービル・・・排ガス低減投資、次期5ヵ年15%増
  • アジア石油化学工業会議(APIC2023)・・・ インドのニューデリーで23年5月18~19日
  • 日本ABS樹脂工業会・・・11月国内出荷5%減
  • 日揮ホールディングス、岩谷産業、豊田通商・・・廃プラガスで水素製造へ協業検討
  • 住友ベークライト・・・障がい者アートを自社カレンダーに
  • JOGMEC・・・エネ資源やCCS 西豪州と関係強化
  • 石油資源開発・・・環境ファンドに出資
  • 化学製品値上げ
    ・東ソー・・・トルエンとキシレン
    ・ポリプラ・エボニック・・・2月からPA200円
    ・東亞合成・・・粉体塗料を10%。 工業用接着剤
    ・三菱ケミカルグループ・・・OPSを10円以上
    ・タキロンシーアイ・・・床・建装・防災製品

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DIC・・・事業構造変革 M&A活用で加速

シナジー最大化

DICはM&Aを有効活用し事業ポートフォリオ変革を加速させる。カラー&ディスプレイ部門のC&E顔料事業(BASFから取得)に続きパッケージング&グラフィック部門はイタリアの接着剤・ポリマメーカーSapici、ファンクショナルプロダクツ部門は中国のコーティング用樹脂メーカーTODを加えるなど各部門で事業体質を強化した。事業創出もCVCの活動を中心に、ヘルスケア領域などで注力する。強化した体質を基盤にシナジーを最大化し、成長促進につなげる。

  • ダイセル・・・CO新系列が来春稼働 酢酸原料や水素活用
  • クラレ・・・放射線検出ファイバー、民生用途を拡大 貨物や鉱物検査
  • デンカ・・・アセチレンブラック、千葉で補強完了 車載LIB向け
旭化成・・・DX 100億円増益に貢献

24年度、プロ人材2500人

デジタル変革のロードマップ。24年度には全従業員が当たり前にデジタル技術を活用する体制を整える

旭化成はDX戦略説明会で22~23年度をDXの第3フェーズ「デジタル創造期」に位置づけ、同社グループの多様なデータを有するデータマネジメント基盤をベースに①デジタル基盤強化②経営の高度化③ビジネス変革――の3本柱でDXを推進する考えを示した。24年度からは最終の第4フェーズ「デジタルノーマル期」に移行し「約4万人の全従業員が当たり前にデジタル技術を活用する状態にする」(久世和資取締役兼専務執行役員デジタル共創本部長)。

  • 出光ファインコンポジット・・・アジア市場を拡大 次期中計で現地法人新設
  • タキロンシーアイ・・・紙おむつ再生に協力 現物から回収袋開発 大崎町に無償提供
  • PSジャパン・・・CR設備を年内完成 年明け実証スタート
  • 出光興産・・・バイオマス発電所 出力5万㌔㍗竣工 徳山
  • 日本化薬・・・UMIファンドに新事業創出へ出資
  • 日本ゼオン・・・LIB電極製造装置米国新興企業に出資

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