石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

リケンテクノス・・・エラストマー、国内外で増設検討

塩ビコンパウンドも

リケンテクノスは、国内外でエラストマー生産設備を増設する。三重工場とタイが有力候補地で、近く結論を出す。インドネシアでは塩ビコンパウンド設備を増設する検討に入った。いずれも25年までの完成を目指す。既に着手したタイ、ベトナム、米国での塩ビコンパウンド設備増設に続いて積極的な設備投資で事業拡大を加速させる。

  • 積水化学工業・・・米国でPVA増設へ 次期中計内に実行
  • 石油化学工業協会・岩田圭一会長・・・事業環境は厳しさ続く 安定供給果たす
  • 出光興産・木藤俊一社長・・・50年へ事業再編目指す 新中計で6900億円投資
  • 日本化薬・・・ドローン安全装置 来期の量産採用へ
  • ダイセル・・・1・3―BG 新系列で拡販
  • 石油化学工業協会・・・10月の石化製品生産実績
地域統括機能を強化する三井化学ヨーロッパ(下)

包材と自動車 共通はサステナブル

R&D強化 先端トレンドを発信

平岩健司社長

欧州は気温とともに経済も冷え込みが厳しさを増しそうだ。エネルギー価格が2、3倍に跳ね上がったなかで冬の暖房シーズンを迎える。10月中旬のドイツ・デュッセルドルフ。肌寒い朝晩もホテルの暖房機器は停止状態。物価がさらに騰勢を強めるのは必至だという。環境先進国とされるドイツにあって、こうした厳しい経済情勢下でサステナブルのニーズはトーンダウンするのではないか。答えは誰に聞いても「Nein(ナイン)」だ。
三井化学ヨーロッパ(MCE)の平岩健司社長も「確かにドイツ経済はロシアのガスと中国の市場成長を背景にEU全体の安定成長を支えてきたが、雲行きは怪しくなっている」としながらも、「環境意識に後退はない」と断言する。背景にEUの法規制もあるが、「一般的にエコフレンドリーなものに対してプレミアムを支払うことが習慣化されている」というのだ。原燃料高騰で化石資源によるバージン材とリサイクル品あるいはバイオマス材料の価格差が薄まりつつあるなか、サステナブルな材料へのニーズは一段と高まるとみられている。

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UBE・・・単独で欧州拠点計画

C1ケミストリー、スペインも候補に

UBEは、Cケミストリーのグローバルな需要増に対応し、既に工場新設計画を策定した米国に続き、欧州でも単独投資によるジメチルカーボネート(DMC)工場を新設する計画だ。年産5万~10万㌧規模を想定しており、原料確保などを考慮しながら立地を含めて事業化調査(FS)を進め、27~28年稼働を目指す。既に他の製品で生産拠点を置くスペインも候補地の一つとする。

  • ダイセル・・・機能フィルム、取得事業とシナジー 生産を亀岡に集約へ
  • 東レ・・・今期売上収益が急拡大 PETボトル再生繊維
  • クレハ・・・PVDF、いわき事業所で増強 中国の増設遅延に対応
  • UBE・・・中国は技術供与で 高純度品は合弁
  • 三菱ガス化学・・・半導体向け超純過水、日米で増強検討 需要増に対応
  • 荒川化学工業・・・ファインケミカル、水島に設備新設 25年度稼働メド
  • リケンテクノス・・・ACS樹脂、環境グレード製品化 錫フリー実現
  • ゾール・メディカル・・・レナートCEO、30年売上高50億㌦に
  • ダイセルと産業技術総合研究所・・・CO分離膜を開発 大気から直接回収
  • 荒川化学工業・・・精密研磨剤を子会社で増強
  • 横河電機・・・DCSの圧縮機・ターボ制御を強化

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三洋化成工業・・・利益成長へ基盤固め

プロセス革新、連携加速

三洋化成工業は利益成長に向け基盤事業の体質強化に邁進する。既存の製品や工場を対象にプロセスや設備のリノベーションを図り生産性を向上させる。基盤周辺での新事業、新製品創出を加速すべく、7事業本部でアライアンステーマの抽出を進めている。30年に営業利益500億円という目標の達成に向け収益体質の礎を築く。

  • 積水化学工業・・・次期中計へ「仕込み」 今期、最高業績を予想
  • 大手5社石化部門・・・上期、軒並み減益 値差縮小と需要減響く
  • 積水化学工業・・・CCU技術実証設備 スペインで来期稼働
  • DIC・・・機能化学品、エポキシ底打ち PPSは住設向け健闘
  • ブリヂストン・・・今期連結売上収益初の4兆円突破へ
  • タキロンシーアイ・・・デジタル対応強化へ 人材育成講座を開始
  • 日本ソーダ工業会・・・9月のカセイソーダ出荷内訳
  • 塩ビ工業・環境協会・・・10月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の10月国内出荷
  • 日本銀行・国内企業物価指数の9月実績・・・石化基礎製品平均1.6㌽上昇
  • 化学製品値上げ
    ・DIC・・・共押出多層フィルム
    ・デンカ・・・アルミナ繊維
    ・トクヤマ・・・クロロメタンなど
    ・住友化学・・・12月から硝酸アンモニウム25円
  • 石油化学工業協会・・・「石化工業の現状」最新版700円で頒布

石油化学工業協会は、石油化学産業に関する基礎データをまとめた冊子「石油化学工業の現状2022年」(A4判横63㌻)を発行した。 同冊子は石化協創立3周年目に当たる1961年以来ほぼ毎年発行され、「日本の石油化学コンビナートの現況図」や各種統計は、広範な製造業のサプライチェーンの川上に位置する化学産業の構図把握のための資料として産・官・学の各方面で活用されている。日本の石化産業の再編状況や、石化協会員企業の国内・海外での主要石化製品の生産品目も解説している。1部700円(送料別)で頒布する。申し込みは石化協ホーページ「刊行物案内」に掲載の刊行物申し込みフォームから。

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日本エイアンドエル・・・LIB向け積極増強

事業構造最適化

日本エイアンドエルはラテックス事業で急増するリチウムイオン電池(LIB)負極材用バインダー向け需要に対応し、愛媛工場で増産対応を継続しながら千葉工場での新設も検討していく。既存用途も紙加工向けなどは安定供給の継続でシェアを拡大、新規用途の開拓にも本腰を入れる。一方、手袋向けは競争激化から撤退し、ロトール事業も設備老朽化などから生産停止を決めた。市場の変化に沿って持続的成長が可能なポートフォリオにシフトしていく。

  • 東洋紡・竹内郁夫社長・・・価格転嫁「危機感持ち推進」 コストダウンも強化
  • ユニチカ・上埜修司社長・・・事業構造改革を継続 次期中計へ課題整理
  • 日本化薬・・・光学フィルム、中国で車載用拡販 深圳に拠点移設
  • JNC・・・液晶事業が収益改善 地産地消モデル貢献
  • 三菱ケミカルグループ・ジョンマーク・ギルソン社長・・・重要施策が進捗
  • 三井化学・・・研究開発、DX加速へ新ラボ 袖ケ浦に24年10月
  • ダイセル・・・酢酸セルロース、機能性前面に拡販 25年に100億円
  • センコーグループホールディングス・・・中央化学にTOB 連結子会社に
  • 三井化学・・・米のメガネレンズ加工メーカー買収
  • 三井化学・・・低環境負荷CF技術 来年末メド実証設備
  • ダイセル・・・化粧品用新基準対応 真球状で開発にメド
  • カネカ・・・MSポリマー増設 今期末に詳細決定

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