石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

日本触媒・・・光学用アクリル樹脂 射出成形グレード開発

耐久性などで差別化

日本触媒は光学用アクリル樹脂「アクリビュア」で新たに射出成形用グレードを開発した。耐久性に優れ、光学歪みが起き難く、優れた成形性で顧客の生産性を向上するといった多くの差別化ポイントを持ち、既に複数顧客との間で採用に向けた検討が進められている。PMMA(メタクリル樹脂)やPC(ポリカーボネート)などとの置き換えを視野に、車載向けの光学成形材料やレンズ材料、センサーカバー向けなどで市場開発を加速。22年度中の製品化を目指す。
開発したのは「アクリビュア」のRMシリーズの3グレード(RM104、同250、同Z―100)。透明樹脂として一般的なPMMAと同等の光学特性を持ちつつ耐熱性を高めており、ガラス転移温度(Tg)は同250で130度CとPMMAを凌駕する。

新社長インタビュー 加藤産商 加藤進一氏

海外事業拡大 アジアの成長取り込む

脱炭素を切り口に顧客に解決策提供
「当社のスローガンは世界一のゴム関連商社。世界一かどうかは別として、アジアトップは実現できると思っている。そのためには、現地企業とどれだけビジネスできるかにかかっているし、社員も短期間のトレーニングを積ませた後、積極的に海外に送り出す」
経済紙や専門紙のゴム市況に関する記事では、加藤事務所社長のコメントをよく目にする。昨年末、同事務所の社長を兼務するかたちでゴム材料商社大手の加藤産商の社長に就任した。
グループ全体で年商500億円に達する加藤産商は、海外8カ国に営業拠点、中国とマレーシアに計3カ所のゴムコンパウンド工場を構えている。売上高の8割をトレーディング部門、2割をメーカー部門が稼ぐ。主な顧客は日系の自動車部品メーカーやタイヤメーカー。今年で創業113年目だ。

  • 日本化薬・・・エポキシ樹脂、新系列含め積極増産 半導体封止、基板用へ
  • セーレンKST・・・ SOIウエハー 福井で生産能力3倍増 需要増に対応
  • 石油化学工業協会(石 化協)和賀昌之会長・・・下振れリスク懸念 稼働率や需要 ウクライナ問題で

宇部興産、商号変更で ブランドタグラインを策定
宇部興産は、4月1日の化学事業を中心とする新経営体制移行とUBE(ゆーびーいー)への商号変更を機にブランドタグライン「Transform Tomorrow Today(今日、明日を変える)」を策定した 写真。

<特集>デジタル化を背景に拡大する電子・情報材料 / 化学企業のエレ クトロニクス関 連事業〈上〉

エレクトロニクス分野は化学産業にとって主要市場の一つ。最終製品の市場がグローバルに広がり、顧客ニーズが高度化、多様化するなか、化学技術を駆使して投入された材料や部材は、幅広い領域で活躍の市場を広げている。その市場は、コロナ禍でのテレワーク普及を追い風としたデジタル化の加速によって半導体、ディスプレイ関連を中心に急拡大しており、さらに通信の高速化や自動車の電動化、自動運転化といった追い風となるニーズも台頭してきている。長引くコロナ禍や政情不安など懸念材料はあるものの、需要は強い。

概況・・・半導体市場 商流全体で増産投資 5Gや電動車 期待増す新規領域

出光興産

・有機EL材料 世界トップランナーへ
・技術 サービス 韓・中を中心に拡充

住友化学

・ディスプレイ材料、OLED向け強化
・半導体材料 最先端材に積極投資

DIC

・シードフィルム、高周波基板向け拡大
・太陽インキと新製品開発

三井化学

・半導体光学材料、付加価値提供へ新組織
・COC TPX 新タイプで市場拡大

クラレ

・PA9T 3拠点体制で世界展開
・高い物性バランス 車両用含め採用進む

東洋紡

・PENフィルム 新体制でシナジー追求
・FPCや絶縁など 新市場開拓を加速

ユニチカ

・樹脂事業 差別化品を積極提案
・PARPA10T 新立地で増産へ

昭和電工マテリアルズ

・感光性材料 山崎で供給能力を倍増
・次世代技術 顧客や同業と共創も

JNC

・青色有機ELに強み
・LCDから置換 スマホパネルでも

東レ

・マイクロLED材料で攻勢
・感光性PI 東海工場で増産

トクヤマ

・CMP材 世界トップシェア確保
・半導体向け需要が増加

積水化学工業

・半導体構成材料を拡大
・生産拠点 需要地軸に分散化

<特集>世界で市場広がるバイオプラ

バイオプラスチックは、微生物により分解される「生分解性プラスチック」と、バイオマスを原料に生産される「バイオマスプラスチック」の総称である。環境配慮型素材としてだけではなく、高機能樹脂としての側面からも多様な分野でグローバルに市場が広がっている。市場動向と主要企業の事業戦略をまとめた。

中国で新増設ラッシュ PBATなど投資活発化
【生分解性プラ】
【バイオマスプラ】

日本バイオプラスチック協会
普及促進へ多様な活動
生分解性プラ 識別表示制度を改正

三菱ケミカル

・PBS 食品資源循環に貢献
・バイオエポキシ樹脂も開発

カネカ

・生分解性樹脂 大型能力増強を決定
・汎用プラ代替需要拡大で

クラレ

・ガスバリア材 包装向け樹脂販売始動
・紙コート用グレードも投入

ユニチカ

・PA10T 車部材で実用化進む
・PA11繊維 衣料向け本格展開

ダイセル

・酢酸セルロース 生分解など高い環境性
・射出はじめ加工法も幅広く

岩谷産業

・バイオPPとPE発売
・PET アルミ触媒品を投入

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • エフピコ・・・OPET 冷凍食品向け攻勢 耐寒衝撃性前面に
  • 三菱ケミカル・・・バイオエチレン、25年度生産開始へ 事業化を検討
  • JSR・・・上海の技術拠点拡張 ディスプレ材、中台集約。 創薬基盤技術開発でAMEDと委託契約
  • ダイセル・・・機能性腸内代謝物 発酵技術で新製法
  • 三井化学・・・PTA国内生産停止 タイ製品で販売継続 来年夏
  • ピエクレックス・・・抗菌性生む圧電繊維 デサントのマスクに
  • JSR・・・抗体医薬品向け バイオ工程材料 商業生産で採用
  • 三井化学・・・幹細胞培養装置向け高機能不織布を開発 フルステムと
  • 旭化成・・・バイオHMDで米社と戦略提携
  • 旭化成と農業・食品産業技術総合研究機構・・・青果物輸送に高断熱・密閉箱
  • 石油化学工業協会・・・2月の石化製品生産実績、2月の汎用4樹脂の出荷実績
  • 化学製品値上げ
    ・ダウ・ケミカル日本・・・機能性化学品
    ・KHネオケム・・・オキソ誘導品など
    ・プライムポリマー・・・PEとPP60円以上
    ・クラレ・・・PVAとPVA系、水添エラストマー、MMAやPMMA
    ・日本ポリエチレン・・・PEとPP45円以上
    ・住友化学・・・ヘキセン使用品も、硝酸アンモニウム
    ・エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル・・・無水フタル酸
    ・カネカ・・・PVCを30円以上
    ・信越化学工業・・・PVCを35円以上
    ・出光興産・・・MEKを46円以上
    ・三井化学・・・PPGとPOP
    ・ジェイ・プラス・・・汎用可塑剤4月から
    ・東レ・オペロンテック・・・ポリウレ弾性繊維
    ・トーヨーケム・・・粘着剤と樹脂製品
    ・三菱ケミカル・・・EG類を50円以上、EVOHを110円

最近の記事一覧石油化学新聞一覧