石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

トクヤマ・・・高純度IPA 石化大手と地産地消体制

次世代半導体用で戦略転換

台・韓の現地有力顧客取り込みへ
トクヤマは電子工業用高純度IPA(イソプロパノール)の拡大戦略で大転換を図る。台湾・高雄で今年稼働を開始する新プラントに続き、韓国でも新拠点を立ち上げることを決めた。2拠点とも次世代半導体をリードする有力顧客の御膝元で、現地大手石油化学メーカーとの協業に基づく大掛かりな地産地消体制を構築する。汎用のIPAメーカーでは描けないパートナーシップで次世代半導体向けを中心とする市場成長を取り込む。
トクヤマが高純度IPAで第2の海外進出先に選んだのは韓国・蔚山。現地石化最大手のSKジオセントリック(旧SK総合化学)との間で高純度IPAを製造販売する折半出資合弁会社STACを今年7月に設立。約1200億㌆(約116億円)を投じて年産3万㌧能力の高純度IPAプラントを建設する。SKグループの蔚山・石化コンプレックスから競争力ある原料プロピレンの供給を受け、次世代半導体の洗浄用途にも対応する超高純度IPAを一貫生産する。新プラントは23年の完工と試運転入り、24年からの商業運転開始を目指す。製品はほぼ全量を同国内の有力顧客であるサムスン電子やSKハイニックスなど大手半導体メーカーに売り切るとみられる。

  • クレハ・・・微粒子型発泡剤、4年後に2割増収へ 高温品で車両用拡大
  • 帝人・・・社会課題近接型企業に 内川次期社長、新たな未来に邁進
  • エンジニアリング協会賀詞交歓会・・・山東理二理事長「難局に迅速対応を」
  • 丸善石油化学・・・スーパー認定事業所 24年度取得目指す
  • 日本化学工業協会の森川宏平会長・・・化学産業の役割遂行を CNとGHG削減推進
  • 石油化学工業協会の和賀昌之会長・・・保安・安全確保に全力 事業環境基盤整備など推進

THE PETROCHEMICAL PRESS

化学関連企業トップの新春メッセージ
新型コロナウイルスの感染第6波の懸念とともに22年が幕を開けた。長引くコロナ禍に加え、原燃料高やカーボンニュートラルへの対応など今年も激動の1年となりそうだ。こうした状況下、化学関連企業のトップは、事業環境の激変に対応し、持続的成長を遂げるよう従業員を鼓舞する。

最近の記事一覧石油化学新聞一覧