石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東海カーボン・・・カー黒、安定供給体制を強化

米で環境投資完了

東海カーボンは、主力のカーボンブラック事業で安定供給体制を強化する。米国では18年に買収した3工場の環境対応投資を完了。タイでは既存工場の移転により建設中の新工場を予定通り25年に稼働する。主にタイヤの補強材に使うカーボンブラックの世界需要は中期的に安定成長が見込まれており、大手サプライヤーとして北米、タイ、日本の各生産拠点を活用し需要を取り込む。

横河電機・・・始動した5ヵ年新中計 受注・売上高 年 10 %以上成長へ

業種軸事業基盤で刈り取り

横河電機は24~28年度までの5カ年の新たな中期経営計画「グロウス・フォー・サステナビリティ(GS)2028」を始動させた。システムオブシステムズ(SoS)が進む世界で、同社は制御・計測の力で効果的に「つなぎ」、統合化・自律化・デジタル化( DX)による全体最適を実現。ESG(環境・社会・ガバナンス)視点での事業活動を通じて、社会価値と企業価値を向上させる変革を加速する。
世界の製造業が規模的拡大だけでなく、より高効率化や地球環境に配慮したプロセスへの転換を進めるなか、石油・化学などのプロセス産業における制御ビジネスをコアコンピタンスとし、世界規模でシェア拡大を続ける同社にとって、足元のビジネス環境はおおむね良好と言える。世界経済の停滞感や中国の成長鈍化が顕在化しているが、同社は21~23年度までの前中計で掲げた経営指標の全項目を超過達成した。期間中の受注高成長は年平均15・1%に達し、売上高成長も13%。3年間累計の営業キャッシュフローは1559億円に到達した。

  • 旭化成・・・石化事業、体質変換へ準備着々 水島減損などで黒字化
  • デンカ・・・千葉でフラーレン量産 27年度稼働 FCCの事業拡大
  • 旭化成・三井化学・三菱ケミカル3社・・・原燃料転換など 西日本連携の検討開始
  • 日鉄ケミカル&マテリアル・・・23年度 事業利益は実質増加 電材など好転へ
  • オリン・・・風車用エポキシ 産学共同で推進 再利用へプロジェクト

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KHネオケム・・・高機能製品群が回復軌道

冷凍機油原料や電材など

KHネオケムの高機能製品群が揃って回復軌道を歩み始めた。収益の核である冷凍機油原料をはじめ、化粧品原料や電子材料が当初想定以上に復調してきた。7月には千葉工場での冷凍機油原料の増強工事が完了予定で、市場回復と相まってその効果を発揮しそうだ。

エフピコ・・・超高剛性で高機能実現 積層OPPシート

自動車向け展開狙う

OPP積層シートによる車載ドアミラーの試作品

エフピコは、世界初となる超高剛性2軸延伸ポリプロピレン(OPP)シートと、このシートを熱融着した積層OPPシートの開発に成功した。プラスチック食品容器としては極低温から高温まで幅広い温度域で使用でき、2軸延伸ポリスチレン(OPS)シートの代替を狙う。積層シートはモビリティ分野や住設関連などさまざまな産業用途での展開を目指し事業化を検討している。量産化の新工場建設を茨城県坂東市で予定しており、27年の稼働を目指す。

  • クラレ・・・PA9T、ブリスター大幅低減 車載用の拡大加速
  • 住友化学・・・スーパーエンプラ、3種を医療向け拡販 ヘルスケア品戦列に
  • エム・エーライフマテリアルズ・・・生分解不織布を開発 各種用途で展開へ
  • デンカポリマー・・・卵殻PSで鶏卵パック 環境型容器に提案
  • UBE・・・基幹システム全面刷新しDX化加速
  • 理研計器・・・ガス検知器、操作性と視認性向上 ポータブル型新機種
  • 旭化成エレクトロニクス・・・半導体技術開発で新横浜に新拠点

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日鉄ケミカル&マテリアル・・・基板用低誘電樹脂 ビニル系拡大に力

神戸で生産体制整備

日鉄ケミカル&マテリアルは、エポキシ樹脂と新開発した熱硬化性のビニル系樹脂で通信インフラの高速化に対応した高周波基板向けを拡大する。エポキシで誘電正接(Df)の低減を図りながら5G周辺の基板用途などを広げ、より低Df化が求められる用途へはビニル系を提案する。ビニル系樹脂は10㌐㌹で0・002以下のDfを可能にし、採用も順調に拡大。神戸工場に供給体制を整備しており、6G対応を見据え0・001以下を目指した材料開発も追求していく。

  • トクヤマ・・・設備投資、自家発改造に重点 医療診断装置増産
  • タキロンシーアイ・・・純利益60億円超確保へ 3ヵ年中計で構造改革
  • 半導体後工程自動化・標準化技術研究組合(SATAS)が発足 15社参画
  • JSR・・・EUVなど収益貢献 来期以降も
  • 東ソー・・・四日市、医薬用分離精製剤新設に140億円投資
  • ベンゼン国内価格・・・175円超え 円安で最高値肉薄
  • CLP前期・・・値差が過去最少に
  • 日本ソーダ工業会・・・2024年3月と2023年度のカセイソーダ出荷内訳
  • 日本プラスチック板協会・・・3月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、3月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、3月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • カーボンブラック協会・・・3月のカーボンブラック実績
  • 化学製品値上げ
    ・東レ・・・エンプラ4種
    ・三菱ケミカルグループ・・・トリアセテート繊維
    ・エフピコ・・・全製品を15%以上
    ・中央化学・・・7月から製品全般

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住友化学・・・4事業で中長期成長 食糧・ICT・ヘルスケア・環境

10月から新組織

住友化学は食糧(農業)、ICT、ヘルスケア、環境の4事業で中長期の成長を目指す。「社会課題を革新的な技術で解決する企業」を長期的に目指す姿と位置付け、これら四つの事業部門に再編。10月から新組織をスタートさせる。石化関連のエッセンシャル&グリーンマテリアルズ(E&GM)事業はGX領域で高機能な技術、素材の総合力を発揮し、環境負荷低減への変革をリードしていく。

日清紡ケミカル・・・26年に売上高200億円 

中計目標達成へ4事業強化

高橋郁夫社長

FCセパレーター牽引役に
日清紡ホールディングスの化学品事業中核会社、日清紡ケミカルは24年から始動した3年間の新中期経営計画で業績目標に26年売上高200億円(23年実績114億円)、営業利益率20・5%(同7・0%)を掲げた。構成する4事業のうち断熱製品とガラス状カーボン材料が利益を安定的に稼ぎ、燃料電池(FC)用セパレーターと機能化学品が収益拡大を牽引する計画だ。高橋郁夫社長に各事業の成長戦略を聞いた。
―23年の業績は売上高が前年比10%減の114億円、営業利益が63%減の8億円と低調でした。
特にセパレーターは厳しかった。22年に35億円だった売上高は30億円を下回り営業利益も減益となった。当社のセパレーターはデータセンター、通信基地局、集合住宅、商業ビルなどの非常用電源として使う定置用FC向けがメーン。昨年は世界的に水素のインフラ整備が遅れ、市場が踊り場となった。燃料電池メーカーも開発スピードを遅らせたことなどが響き、受注が低調となった。
24年も厳しい状況が続きそうだが、中長期的にFCはクリーンエネルギーとして市場が拡大するのは確実で、先行きの需要に心配はない。セパレーターの売上高は26年には断熱製品を上回り当社最大となる見通しだ。千葉事業所(千葉市緑区)でのセパレーター生産設備の増設はほぼ予定通り進めており、6月の建屋完成後に設備を導入し25年初頭に稼働する。これで大幅な拡販につなげる。FCバス・トラック向けのセパレーターの試作能力も強化し、将来の車載用の需要増にも備える。

  • JSP・・・営業利益100億円に 3ヵ年中計 EPPに資源集中
  • JSP・・・インドに新工場、メキシコ2拠点目
  • 信越化学工業・・・斉藤社長 市況底堅く増設進捗 「春需受け値上げ」
  • テクノUMG・・・宇部、ISCC認証取得
  • 積水化成品大分・・・大分のPSP再稼働
  • 東ソー・・・連携強化へ研究部門再編
  • クラレ・・・欧の珪藻土事業譲渡 、年末に仏社へ

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