プロパン・ブタンニュース

3500号特集第1部

本紙編集方針=新たな文化生む土壌に

創刊3500号、業界とともに歩む

本紙は本号で節目の3500号を達成した。会社設立の翌年、1955年2月19日、わが国初のLPガス専門新聞「プロパン・ブタンニュース」を創刊。500号成は全国LPガス協会連合会(全協連)が誕生した1964年(4月8日付)、1千号は第1次オイルショックが発生し73年(7月6日付)、1500号はつま恋事故が発生した83年(4月18日付)、2千号は都市ガス大口規制緩和の議論が行われた93年(1月4日付)、2500号は電力・ガス市場改革論議が大詰めを迎えた2002年(11月18日付)、3千号は中核充填所の設置など東日本大震災の復興が本格始動した12年(10月22日付)と、業界草創期よりさまざまな変遷を経ながらLPガスが国民生活に不可欠なエネルギーとして普及していった歩みを紙面に描いてきた。再来年には当社設立70周年を迎え、LPガス産業の一世紀を後世に伝えることも夢物語ではなくなってきた。
昨年12月13日、当社創業者の成冨健一郎が99歳で死去した。今年5月13日に東京・千代田区の帝国ホテル東京「孔雀の間」で「お別れの会」を行い、LPガス業界や石油化学業界の関係者や親交のあった人々約500人に参列していただいた。社員一同、創業者の想いを引き継ぎ、これからのLPガス産業の進化、エネルギーの変遷を今後も書き継いでいくことを誓いたい。

地域産業の進化/全国ルポ
LPガス事業はライフラインとして地域に根差し、消費者の信頼を得て生活や産業を支えてきた。近年、地域は少子高齢化の波にさらされ、顧客数の減少や人手不足にも直面。今後、いかに事業を継続していくかが課題となっている。LPWAによる難検針や検針員不足の克服、共同配送などの合理化、多角化などで事業を進化させながら、地域を支えLPガス需要を維持・拡大している先進的な事業者の姿に迫る。(1、17、29、40面)
業界トップ対談「LPガス業界の将来像」
転換期迎えたLPガス産業の課題と展望
対談:全国LPガス協会・山田耕司会長、日本LPガス協会・江澤和彦会長
LPガス産業への提言・ポイント
・LPガス産業発展への提言
=未来塾代表世話人・山田豊氏
・LPガス保安行政のポイント
=経済産業省産業保安グループガス安全室長・岡本繁樹氏
ビジョンを実践/未来企業
コロナ禍、脱炭素社会、ウクライナ問題など世界が複雑化し、不透明感が増している。そうしたなか未来のビジョンをしっかりと描き、脱・低炭素に向けた取り組み、新規事業、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務改革など先進的な施策を進め経営基盤を強化する未来志向のリーディングカンパニーをクローズアップする。
当社の歩みとネットワーク
本紙が節目の発刊3500号を達成するまで、創業者の成冨健一郎、社長の成冨治をはじめ、歴代の記者やカメラマンだけではなくさまざまな人材が新聞づくりに関わった。太平洋戦争で中将や大佐を経験した元軍人達が新聞購読料の集金や購読募集に全国を駆け巡り販売の礎をつくった。兄弟紙である石油化学業界向けの「石油化学新聞」の取材・編集を担う石油化学局も同様だが、編集局や印刷会社とやり取りして編集・組版システムを駆使しながら新聞を制作していく制作局、配送会社との新聞発送の窓口や新聞購読管理などを担う業務局、会社管理を引き受ける総務局と、どの部署が欠いてもプロパン・ブタンニュースを読者に届けることはできない。

3500号特集第2部

変化の時代に対応するLPガス備蓄
ウクライナ危機で、天然ガスを中心に、物理的なエネルギー供給の不足が現実の脅威となっている。特に備蓄がない天然ガス・LNGの確保は喫緊の課題だ。わが国のLPガスは、ロシアからの輸入がなく、歴史的な円安を除けば直接的な需給の影響は比較的少ないが、もとより全国に広がる盤石な備蓄体制があり、有事に対する連携計画や装備、訓練も継続して行われている。ただ今後は、人口や少子高齢化に伴う需要量の変化、さらには、投融資に環境視点が用いられるなかで、カーボンニュートラルである「グリーンLPガス」の登場も急がれる。移行期間には引き続き低炭素な既存のLPガス普及が求められるが、グリーン化への円滑な移行を進めていかないとインフラである基地設備の改廃・新設の資金調達への影響も懸念される。
エネ供給不安やCN移行など新たな課題
災害時含め安定供給 元売間・地域間連携体制も
経営トップメッセージ
終わらないコロナ禍、原材料高騰に円高、脱炭素社会への動向、エネルギー小売の自由化による競争の激化などLPガス業界を取り巻く環境は厳しさを増している。LPガス事業者はかつてない難しい局面を迎えているが、今まで培ってきた地域との信頼や顧客接点力といった強みによる新たなチャンスも生まれる。未来を見据えてLPガス事業者はどのような進化を遂げるべきか。先進企業51社の経営トップに未来への戦略を聞いた。
海外調査団60年/世界の業界動向つぶさに

石油化学新聞社/プロパン・ブタンニュースの海外調査団事業は、今から60年前の1962年に派遣した「米国LPガス業界50周年大会日本代表視察団」から始まった。シカゴで開かれた米国LPガス協会(現全米プロパンガス協会)の業界50周年記念大会への公式参加を主な目的として全国プロパンガス協会現全国LPガス協会)が結成したもので、本社が後援、団員募集、事務局を担当した。同視察団には全国業界から16人が参加した。以降、本社・海外調査団は計55回実施し世界約35カ国を訪問、参加者は延べ約1160人に上る。この間、全米協会年次大会や世界LPGフォーラムなどのイベントをはじめ各地の主要企業を訪問し、当時の業界最新動向を視察・調査してきた。これまでの調査団を列挙し足跡を振り返る。(①団名②派遣期間③団長④団員数⑤主な訪問都市⑥主な視察先。社名、団体名、役職は当時)

3500号特集第3部

長期購読者ルポ/本業に情報生かす
 本紙は国内初のLPガス専門紙として生まれ、LPガス産業の発展に貢献するため常に最新情報の報道に努めてきた。3500号の節目を迎えることができたのは、長らく愛読いただいている読者がいればこそ。本コーナーは本紙とともに歩み、長い歴史の中で地域に根ざし、消費者の信頼を勝ち得てきた読者の姿をクローズアップする。
都道府県協会長メッセージ/地域のライフライン存在感高く
 全国的に台風、豪雨や地震などの自然災害が多発・激甚化している。エネルギー供給の「最後の砦」として分散型エネルギー・LPガスへの期待が高まる一方、経済産業省が販売事業者に不動産管理会社などと連携して賃貸集合住宅入居前に料金表の情報提供を要請するなど取引の適正化、料金の透明化を求める声が高まっている。地域に密着したライフラインとしてLPガスの存在感をさらに高めるため、都道府県協会の事業方針や計画、各地域の課題、未来に向けたビジョンなどを各協会長に聞いた。

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