プロパン・ブタンニュース

総合面

サイサン、不動産会社を「カーボンオフセットLPガス取扱店」に 

管理物件へ供給開始

(左から)川本・サイサン副社長、石井・ライフ・クリエイト社長

サイサン(本社・さいたま市、川本武彦社長)は9月1日、地場不動産会社ライフ・クリエイト(本社・川口市、石井徹夫社長)と「カーボンオフセットLPガス取扱店」の取り組みをスタートした。同日からオフセットLPガスの供給を開始、不動産管理業界では初めて。
ライフ・クリエイトが自社管理している賃貸住宅でLPガス使用時に排出されるCO実質ゼロにするカーボンオフセットLPガスを取り扱うことになる。そのほか、ライフ・クリエイト各店舗では、サイサンが提供するカーボンニュートラルでんきの利用を開始しており、カーボンニュートラル(CN)への取り組みを推進している。

  • 2050年の世界エネルギー需給、化石燃料の依存続く 電力需要も増加(エネ研見通し)
  • 全L協、貸付配管の商慣習実態を調査へ 地方協会に要請
  • 立憲民主・後藤祐一議員がLPガスの負担軽減策を追求 岸田首相は検討示唆

後藤祐一議員

18日に開かれた衆議院予算委員会で、立憲民主党の後藤祐一議員が電気料金や都市ガス料金と同様に、LPガス料金の負担軽減策を総合経済対策に盛り込むよう追及する場面があった。岸田文雄首相は「物価高騰対策の中でエネルギーに対する支援は重要なポイント。優先順位をつけて対策を講じたい」と述べ、LPガス料金の対応策も別途検討する可能性に言及した。
西村康稔経済産業大臣はLPガス価格について「原料費が2割と低く、1年前からの値上げ幅も1割程度と相対的に低い」と説明。中小零細事業者が約6割を占める業界構造から「事務負担もかかってくる。輸入価格動向や事業実態などを勘案して、対応を検討する必要がある」と述べるにとどめた。

<トップインタビュー>広島県LPガス協会・泉博之会長

環境変化へ適切に対応 取引適正化など5重点項目を推進

広島県LPガス協会泉博之会長

広島県LPガス協会は5月26日開催の通常総代会で、新会長に泉博之副会長(広島ガスプロパン社長)を選任した。広島県協19代目(再任含む)の会長となる。就任から5カ月、業界を取り巻く環境が激変するなか、どのようなリーダーシップを発揮していくのか、協会の今後に向けた取り組みについて聞いた。
◇   ◇
―抱負をお聞かせください。
1955年創立の歴史と伝統のある広島県LPガス協会の会長に就任し、大変光栄に思う。いまだ収束が見通せない新型コロナウイルス感染症、ウクライナ情勢不安、原材料費の高騰や円安による物価の上昇、脱炭素やカーボンニュートラル(CN)に向けた動きの加速化、デジタル革新など、業界を取り巻く環境はここ数年で激変している。
こうしたなか、武信和也前会長の後を受けて協会の舵取りを担うことになり、責任の重さを痛感している。業界はまさに変革期。引き続き会員の皆さまや協会事務局、県内各地区協議会と手を携えて変化に対応していきたい。まずは総会で承認された事業計画を着実に実行していく。

  • ウィズガスCLUB、CN時代の住宅模索 生活変える契機に
東名豊田JCT事故、着火源はLPガス

経産省、移動中事故に注意喚起

経済産業省高圧ガス保安室は、9月28日早朝に発生した豊田市の東名高速道路豊田ジャンクションでLPガス積載車両を含む3台が炎上した事故について、その着火源がLPガスであることを認めた。
これに関連して、14日付で高圧ガス容器移動中の事故防止に関する注意喚起を発出した。

  • リンナイ、トヨタなど3社が水素料理を共同開発へ
  • 越後プロパン・小出薫社長が物価高テーマに岸田首相と意見交換

首都圏版

  • 平本商事(町田市)、創業65周年 地域サポートに拍車
  • シライシ(川口市)、CNLPガスを調達 まずは56㌧自消で
  • 橋本産業水戸営業所、地域密着で頼られる営業所に 5割増販目指す

地方版

北海道=登別協組、バルク・GHP・発電機の3点セット導入

登別市観光交流センター「ヌプㇽ」に

㊤観光交流センター「ヌプル」㊦屋上に設置した非常用発電機とGHP室外機

登別ガス協同組合(本所・登別市、稲原篤仁理事長)が来年4月にオープン予定の登別市観光交流センター「ヌプ」に災害対応バルク、GHP、非常用発電機の3点セットを設置した。建物自体は今月中に完成、検査を経て市へ引き渡される。同組合が公共施設に3点すべてを納入するのは今回が初めて。
観光交流センターの名称「ヌプ」は、アイヌ語で「色の濃い」という意味。施設を利用する市民、観光客それぞれが「濃い時間を過ごしてほしい」という願いを込め公募で採用した。
ヌプはJR登別駅の駅舎に隣接する敷地に2020年8月に着工。今月までに完成した建物は鉄骨造2階建て、延べ床面積は約1440平方㍍の規模。施設は1階に観光案内所、市役所支所、飲食テナント、交流スペースを設け、2階には多目的室、調理室などを配置する。

  • 東北=奥山商店(山形県山辺町)、自社高齢施設にGHP・発電機を設置 補助金を活用
東北=東液協、業務主任者研修会で雪害防止策を共有

保安体制紹介も

東北液化石油ガス保安協議会(鷲足直樹会長)は12日仙台市で、13日盛岡市で「業務主任者等保安研修会」を行った。関東東北産業保安監督部東北支部保安課の早坂俊明LPガス監督官が、雪害事故防止策の会員間共有を呼びかけた。会員事業者の事例発表ではミツウロコヴェッセル東北の横内浩保安統括担当課長が同社の保安体制を紹介した。両会場で190人が受講した。

  • 中部=日本ガスコム、30周年をジャンプ台に5年後売上高200億円へ
近畿・四国=エナジー・ワン、LINEでウェブ版感謝祭展開 

アカウント登録も拡大

LINE公式アカウント上で感謝祭を展開。新規登録の増加を狙う

エナジー・ワン(本社・松山市、髙須賀一敬社長)は4日から11月4日まで、ウェブ版お客様大感謝祭を展開している。会場は無料通信アプリLINEの同社公式アカウント。会期中のみの特価対応をするほか、アカウントの登録者数増を狙い成約機器に応じて通常のポイントに加え最大1万㌽を付与する。
同社は毎年秋に本社で感謝祭を開いていたが、コロナ禍を受けて昨年5月、会場をウェブ上に移して実施。今年度は「CNポイントまつり」と称して行い、成約、アンケート回答、ウェブ請求を行うMYページ登録などに応じボーナスポイントを付与する。

  • 近畿・四国=キョウプロ近江八幡支店・花田彩加氏、顧客の笑顔が源泉
  • 中国=岡山県協の新CM「7レンジャー」が安心・安全供与
  • 中国=つばめガス(岡山市)、交通安全優良事業所に 日頃の取り組みが評価される
九州=ツバメガスが燃転・節電促進

CO2排出ミニマムに 

系列グループ一丸でCO2削減を訴える

ツバメガスフロンティア(本社・福岡市、寺田光一郎社長)と系列店組織のツバメガス連合会は今期、「カーボンミニマムキャンペーン」「ガスdeあったか節電キャンペーン」を展開する。CO排出量をミニマム(最小限)に抑えると同時に、冬場の電力不足をガス器具で解消する。
2企画を展開
カーボンミニマムキャンペーンは8月から来年7月まで展開する燃転企画。石油給湯器からガスへの燃転でCOを削減し、ニュートラル(なくす)ことはできないまで
もミニマム(最小限)にすることが目的。燃転目標は230戸。給油の手間が不要、設置スペース削減、水圧アップといったメリットを訴求し、単位消費量増による収益改善とオール電化の防止を図る。

住設・新技術

ホームハイテック、容器同士の接触音を緩和する「消音ネット」発売

溶接部に装着 通気性も良好

㊧消音ネットは薄いので配送時の容器搭載本数に影響が出にくい㊨容器溶接部への装着例

ホームハイテック(本社・羽曳野市、森川正彦社長)はLPガス容器同士が接触する際に発生する不快な金属音を解消する「消音ネット」を発売した。網状になったポリエチレン製のネットを容器の溶接部に装着することで、容器同士の接触音を吸収。容器交換作業時や容器搬送時に出やすい不快な音の発生を防ぐ。

東京油化(小平市)、「ふ・さ・み水」工場内の水くみ場をサイクリストに開放

エムアイファクトリー

伊豆の国市のエムアイファクトリー工場内に完成した「サイクルレスト」

東京油化(本社・小平市、肥沼一光社長)がオリジナルブランド水として販売する高酸素濃度天然水「ふ・さ・み水(すい)」の製造を手掛けるエムアイファクトリー(安孫子伸一社長)は、伊豆の国市にある工場敷地内の水くみ場をリニューアルした。それに伴い「サイクルレスト」としてオープンし、敷地の一部を開放している。
水くみ場は富士山水源のふ・さ・み水とは異なる水源だが、伊豆の国市の工場敷地から自噴する湧水で1㍑当たり硬度29㍉㌘の飲みやすい軟水。サイクルレストは①施錠できる自転車ラック(駐輪場)②給水③トイレ④休息スペース⑤空気入れ⑥サイクルマップなど地域情報提供―のいずれかのサービスを提供し、サイクリストを歓迎する施設。

  • ナック、水サーバーの主力製品をグリーン冷媒に転換

GHPとコ・ジェネ版

公立学校の体育館空調の設置率が15.3%に 普通教室は95.7%
文部科学省は、2022年9月1日時点の公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況を公表した。2年ごとに行う調査で、「小中学校」「高等学校」「特別支援学校」「幼稚園」の設置状況について「普通教室」「特別教室」「体育館等」に分けて取りまとめた。すべての学校を合わせた普通教室の設置率は、20年9月の前回調査比で2・7%増の95・7%(40万9621室)、特別教室の設置率は同5・8%増の63・3%(24万8022室)、体育館の設置率は同6・3%増の15・3%(5422室)だった。体育館については、災害協定などで外部から設備を確保可能としている学校があり、これを含む設置率は24・7%(8763室)だった。
社会福祉法人誠友会、介護施設や農園に自立型GHPなど設置 BCPと地域共生推進
社会福祉法人誠友会( 佐倉市、竹内淳理事長)は、運営する介護施設のBCP強化、職員の労働環境改善、そして地域共生社会の実現を目指し、エネルギー設備機器のLPガス燃転を進めている。2020年2月には佐倉市城の松ケ丘白翠園の体育館へ、災害バルク補助を活用しヤンマーエネルギーシステム製電源自立型GHPを導入。今年7月には同市岩名の佐倉白翠園に、同補助を活用して電源自立型GHP、GHPチラー、コージェネレーション、非常用発電機などを導入した。
「2022GHPフォーラム東京」講演から
GHPコンソーシアム(中村恒理事長)は9月9日、東京・新宿区のNSビルで2022年度GHPフォーラムを開催した。3年振りの会場開催となった同フォーラムでは4人の講師による講演とGHP販売事例や各メーカーの商品戦略の発表が行われた。ここではGHPコンソーシアム技術顧問・安孫子徹氏が「エネルギー・環境情勢とGHPの対応」の演題で行った講演の要旨を紹介する。この講演で安孫子氏は、電力不足とカーボンニュートラル(CN)という二つの課題に対し、GHPの活用が有効であることを示した。(一部既報)

・GHPコンソーシアム技術顧問・安孫子徹氏、GHPは省エネとCN政策に貢献
・アイシン・髙橋寛玄氏=満足させる4つの特徴
・ダイキン工業・今井尚氏=ZEB提案をサポート
・パナソニック産機システムズ・中根こよみ氏=介護施設のBCP支援
・ヤンマーエネルギーシステム・山田麟太郎氏=総合的にエネ課題解決

<コミュニティーガス特集>

温暖化対応の点から再生可能エネルギーの太陽光発電と蓄電池を使う分散型システムが注目されている。だが自然災害が相次ぐわが国では地震や風水害への強さ、供給源となるLPガスの復旧の早さなどを強みとするコミュニティーガスを基盤としたシステムに優位性がある。人口減や消費原単位の減少などの構造的な課題があるなか、どう未来を切り開くのか。協会本部に方向性を聞き、関係各社の施策や営業現場を取材した。

日本コミュニティーガス協会古野晃会長

日本コミュニティーガス協会・古野晃会長=安全・強靭化・CNに積極対応
9月29日に開催した第375回理事会で7代会長に選任された。微力ながら誠心誠意努力していきたい。 コミュニティーガス事業を取り巻く環境は少子高齢化と人口減少の進展、消費原単位の減少など厳しい状況が続いている。加えてロシアのウクライナ侵攻により原油、天然ガスなどのエネルギー価格が高止まりし、世界経済に大きな影響を及ぼしている。為替相場も1㌦145円まで値下がりし、円安が急速に進んでいる。これらの影響を受け仕入れ価格が高騰するなど大変厳しい環境下で事業を行っている。
私たちコミュニティーガス事業を営む者の約80%が中小企業者だ。経営基盤も盤石とは言えず、現在の状況が長期間続いた場合、危機的な状況が想定される。
コミュニティーガスは地域に密着してお客さまのニーズを聞き取り、これらを反映させたサービスを強みとしてきた。今後はさらに深化させ、お客さま目線に立つだけでなく、ニーズプラス付加価値サービスを真剣に検討していくことが重要だと考える。事業者単独では限界もあると思う。会員事業者との情報共有など協会一丸で支援していく。

  • 分散特性を発揮 地域社会下支え
    ・エネサンス北海道(札幌市)=発電機を整備 有事即応へ余念なく 訓練で技術磨く
    ・イシジマ(栃木市)=エネミックス 顧客目線で最適提案
  • コミュニティーガス団地最前線/ルポ 安全・快適に付加価値
    ・名張近鉄ガス=お得感満載の新サービス 生活関連を定額低廉に
    ・三榛ホームガス=保安徹底 安心に加え安らぎも
    ・エコア=環状導管で安定供給 毎年点検で顧客接点を深耕
  • SDGs率先垂範/有力事業者わが社の施策
    ・荘内エネルギー=現場巡回 他工事事故起こさず
    ・松江ガス供給=保安固めスキル向上 社員の資格取得を後押し
    ・ニチガス=電力併せ総合エネ化 スマートシティー実現へ
    ・甲賀協同ガス=レジリエンスで地域貢献 災害対応力をアピール
    ・関彰商事=バックアップ万全に 有事即応へBCP見直し
  • 薮内雅幸専務理事=災害に強い社会システム構築へ 持てる力最大限にコミュニティーガスは耐震性、埋設導管による風・水・雪害への強さ、復旧の早さ、専任制度(ガス主任技術者)による安心の提供が、導管網で結ぶ地域のライフラインを自然災害から守っている。この基盤こそが災害大国日本でのインフラ環境対応に有効だ。コミュニティーガス事業の足元の課題をどう解決し新時代の方向性に道筋をつけるのか、現況を聞いた。

    藪内雅幸専務理事

    ―コミュニティーガス事業を取り巻く環境をどう見ていますか。
    2021年の生産動態統計調査によると、合計販売量は前年比98・7%と低調だった。内訳は家庭用が同98・6%、商業用ほかは前々年比86・4%と大幅に減少し前年からは横ばいだ。
    気温がほぼ前年並みであることを考慮すると、少子高齢化、世帯人数の減少、都市部への人口集中など社会的な構造変化の影響を依然として受けていると判断している。
    ―ガス事故の状況と保安高度化、併せて防災対策について。
    コミュニティーガス事業の2022年上期(1~6月)のガス事故発生総件数は9件、前年同期(8件)から1件の増加だった。段階別の事故状況は製造段階が1件、供給段階が4件、消費段階が4件で人的被害はゼロだった。ガス事故に関しては、今年6月に「コミュニティーガス事業の事故事例集」を発行した。これは10~19年の10年間にわたるコミュニティーガス事業でのガス事故の発生状況、傾向、再発防止策などをまとめたものだ。

  • 全国コミュニティーガス事業マップ/都道府県別現勢

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