プロパン・ブタンニュース

総合面

WLPGA、ドバイで「LPGウィーク2021」脱炭素へ世界で課題共有

併催技術展にI・T・Oが出店

アル・ファラシ氏          カボン理事長

世界LPG協会(WLPGA、ヘンリー・カボン理事長)は5~9日、アラブ首長国連
邦(UAE)のドバイで世界LPGフォーラム・ドバイ大会をメーンとしたイベント「L
PGウイーク2021」を開いた。テーマは「明日にエネルギーを」。昨年は新型コロナ
ウイルス感染拡大の影響でオンライン開催となったが、今年は現地とオンライン併催形式
で行った。コロナ対策のもと、世界のLPガス業界企業・団体や国際政府機関などが一堂
に会し、LPガス産業が直面するテーマについて討論し課題を共有した。併催の技術展示
会には日本からI・T・Oが出展した。
7日のフォーラム開会式でカボン理事長は「世界のLPガス需要は昨年のコロナ禍による減少から回復し、今後も増加が期待される。脱炭素化へ向けエネルギーは移行期を迎えており、LPガス産業にとっては挑戦の時だ。顧客がより低炭素なエネルギーを選択、移行できるようLPガス業界が支援していく。バイオLPガスやDMEなどの技術開発に投資し、脱炭素社会のエネルギーミックスに貢献していく」などとあいさつした。

5社合同の「やっぱりガスだね」キャンペーン、最新機器を提案

エコジョーズ目標超える2971台販売

ミライフ( 本社・東京、塚越二喜男社長)、ミライフ西日本(本社・大阪市、田口政人社長)、東部液化石油(本社・東京、齋藤潔社長)、橋本産業( 同、橋本庸輔社長)、アストモスリテイリング(同、濵田和久社長)の5社は、6~9月の4カ月に合同展開した「2021『やっぱりガスだね!!』キャンペーン」の販売実績を発表した。
コロナ禍で活動が制限されるなかエコジョーズは昨年比71台増の2971台を販売し、目標を達成した。ガラストップこんろは4733台、温水端末は451台を売り上げたが、昨年実績(4897台、562台)には一歩及ばなかった。

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  • 「キングオブエネアーク」表彰式、コロナに負けず331人が奮闘
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需要期に機器なし 納期遅れに事業者悲鳴

売りたくとも商品がない

需要最盛期のなか、国内ではほとんどのガス機器が流通していない状況が続いている。コロナ禍によるベトナムのロックダウンで品不足が続く給湯機器だけでなく、マレーシアなどで一部の部材を製造するビルトイン・卓上こんろ、食洗機などの厨房機器、浴室暖房乾燥機なども納期未定の状況だ。11月末現在の発注に対する納期は来年3月以降で、しかも当該国の生産・サプライヤーからの調達状況次第という。
まさに「売るものがない状況」で、寒冷地の事業者は火急的な注文も「断腸の思いで見捨てざるを得ない状況」(長野県の小売事業者)という。
ガス機器の飢餓状況が続いていることから、市場ではさまざまな伝聞情報や憶測も飛び交っている。「宅建や大手ディベロッパー向けでは品不足もない」「大口優先で零細は切り捨てられている」「在庫を持っている事業者には言い値で購入するとの申出が殺到している」と、米騒動ならぬ〝ガス機器騒動〟でメーカーへの不信感を露わにする声も耳にする。

首都圏版

草加市、小中10校の体育館にLPガス使用GHP

地元事業者の提案が奏功

草加八潮地区LPガス懇話会(河井一郎会長)や埼玉県LPガス協会南東武支部(堀川敏秀支部長)など地元事業者らの尽力が草加市(浅井昌志市長)への常設提案を実らせた=一部既報=。草加市は2022年度までに市内全小・中学校32校の体育館への空調設置を進めており、うち10校がLPガス仕様GHPとなる計画だ。20年度に長栄小、新田中、川柳中に設置し、今年度は稲荷小に設置した。

ガスクル、AIドラレコで配送を安全確実に 

新システムの本格実証へ

アストモスエネルギー、E N E O S グローブ、東京ガスリキッドホールディングスが共同設立した関東エリアでのLPガス充填・配送会社、ガスクル( 本社・吉川市、森滝秀樹社長)は本格的な実証試験に向けた体制を整えた。9月に3グループ共通の新基幹システムを導入、11月下旬から来年2月までAIドライブレコーダーを実証的に利用していく。
AIドラレコは管理者に代わり運転状況を確認・分析するもので、リスク運転の把握などを効率的に行える。事故リスクの低減と業務効率化を図ることで、配送の安全性を高めていく。

山梨県協、メディア駆使しPR展開 

独自キャラ「エルッピ」活用

山梨県LPガス協会(望月喜浩会長)は来年3月まで、新聞やテレビ、SNSなどメディアを駆使した広報を展開する。協会のオリジナルキャラクター「エルッピ」を用いたチラシやポスター=写真=なども用い、消費者へ安全を啓発するとともに悪質な訪問販売への注意喚起を行う。
地元紙の山梨日日新聞に12月まで月1、2回のフルカラー広告を掲載し、地方局のYBSテレビでは来年3月まで毎週火曜日のニュース番組中に15秒間のテレビCMを2回放映する。テレビCMと同じ動画広告をフェイスブックやインスタグラムなどSNSでも、3カ月ほどの期間で約1万4千回掲載する。YBSラジオの「SONAEプロジェクト」や、サッカーJ2リーグチームのヴァンフォーレ甲府の企画への協賛なども行う。ヴァンフォーレ甲府への協賛を示すタオルに名入れをしたもので、70本用意した。

地方版

  • 北海道=北海道灯油意見交換会、家計直撃の高値懸念
東北=中核充填所稼働訓練、自衛隊が参加し容器を自衛隊車両に積み込む

秋田県協 流出容器回収も

自衛隊員が容器搬出訓練。1本ずつ4人で積み込んだ
流出した容器の回収訓練も行った

秋田県LPガス協会(高橋弘隆会長)は11月30日、秋田市のタプロス秋田充填所で中核充填所の稼働訓練を行った。自衛隊が訓練に参加し、充填したLPガス容器を自衛隊車両に積み込む訓練を行った。訓練は、大規模地震が発生し秋田市から避難所にLPガスを届けるよう要請があったが、搬送手段が不足しているため自衛隊が充填容器を運搬すると想定した。非常用発電機で充填設備を稼働させ、容器に充填し終わると、そこに自衛隊のトラックが到着。隊員は50㌔容器を転がして移動させ、充填場と高さの違うトラックの荷台に4人がかりで容器を持ち上げ積み込んだ。避難所で容器を取り付ける資格者を同乗させ出発した。
自衛隊が参加するのは3回目。被害が深刻なときは自衛隊と連携する必要が出てくるため、訓練を通じて関係を構築するのが狙い。

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近畿・四国=伊丹産業、LPG併燃車「プレミオ」

タクシーや教習用に提案へ

写真:㊤5ナンバーのセダンを併燃車化㊦LPガス容器はトランクルーム内にバランス良く収納した

伊丹産業(本社・伊丹市、北嶋一郎社長)は11月30日、トヨタ・プレミオをLPガス併燃化した改造車両を導入した。プレミオは新車販売を終えているが、経済性や環境性でLPガス併燃車に高いニーズがあると判断。中古車市場から状態の良い車両を調達、ダイコー自動車整備(同・大阪市、熊谷幸祐社長)に改造を委託した。伊丹産業は改造プレミオをタクシー会社や自動車教習所に提案する。
同社は社用車1380台のうちLPG車が1002台を占める。またオートガススタンドを43カ所で運営。LPG車を勝ち残りの戦略アイテムと位置づけ、経済性、環境性や東日本大震災で証明された災害対応能力を広く周知している。

  • 近畿・四国=マインドガス、コロナ禍の接点策として紙上祭で投票企画
  • 中国=中国ENEOSグローブ会が坂出造船工場を視察 LPガス燃料船学ぶ
九州=中津市、3地区体育館を自立型GHPとバルクで強靭化 

コロナ交付金を活用

中津東体育館の災対設備。電源自立型GHP(20馬力)2基、災害対応バルク(500㌔㌘)1基を備え室内機は4台×2ライン

中津市(奥塚正典市長)は10月、国のコロナ交付金を活用し、市内3地区の体育館に電源自立型GHP2基と災害対応バルク1基を導入した。大分県LPガス協会が進めてきた公共施設への常設提案が実った。熱中症対策と災対強化の両面からLPガスの役割に期待がかかる。
中津東体育館、禅海スポーツセンター、やまくにスポーツパークの3カ所で10月1日に稼働開始した。電源自立型GHP(20馬力)は禅海スポーツセンターがダイキン工業製、他の2カ所がヤンマーエネルギーシステム製。室内機は共通で4台×2ライン。バルク貯槽はすべてI・T・O製タテ型(500㌔㌘)。
導入に当たり地方公共団体向けの「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用した。

住設・新技術

  • ゼンリン、配車計画・ナビ・動態管理など配送向けサービス提供
  • リンナイ、全面フラットなゴトク採用の業務用卓上こんろを1月7日発売へ
  • ノーリツ、兵庫県立大で講義 学生が風呂関連で新商品を提案

特集記事 <首都圏各社の秋冬商戦>

新たな戦術確立へ
首都圏業界各社はコロナ禍の影響を受けながらも、秋冬商戦で工夫を凝らし、従来と異なるプロモーションを展開している。非対面の営業手法はスタンダードになりつつあり、ガス展という枠組みにしばられず長期のキャンペーンを試みる会社が増えた。他方で感染対策を徹底した予約制展示会などを催し、対面営業の強みを発揮する会社もある。販売最前線を取材した。

  • オブリック・・・再生エネ活用を訴求 低炭素化手ほどき
  • 岡谷酸素・・・困り事全般お任せ 全社フェア、拠点別企画も
  • サンエキ・・・改修イメージ可視化 品質と満足度追求
  • 榊原・・・グループ戦列一堂に 恒例の感謝祭に2200人
  • 北日本ガス・・・地域特性と時宜重視 ロングラン展示会
  • サンリン・・・見積もり依頼拡大 紙面・バーチャル展示会
  • エネアーク関東・・・エネファームを普及 旗艦商材に育成
  • サンワ・・・若年層にアプローチ おうち時間を演出
  • ニチガス関東中央・・・対面で接点強化 セット割勧め新電力拡大
  • 東日本ガス・・・ガス展で1.3億円成約 ハイブリッドは21台
  • TOKAI・・・前年上回る来場販売 住まいる快適フェア
  • フジオックス・・・安心除菌、家事と調理簡単に ウェブ感謝祭
  • トモプロ・・・付加価値提案に力 FCとハイブリッド給湯
  • 丸高ライフエナジー・・・ウェブ・ミニ展 買い替え需要を堅守
  • 北信ガス・・・会社の素顔明快に 紙上展で新ブランド浸透
  • 富士瓦斯・・・BtoB事業に拍車 オンライン展示会

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