プロパン・ブタンニュース

総合版

取引透明化は一定評価も実効性に課題 

消費者団体連絡会が学習会で実態報告

全国消費者団体連絡会は5日、LPガス取引透明化に関する学習会をオンラインで開いた。今年始まった「賃貸集合住宅における入居前のLPガス料金情報提示」の取り組みを橋爪優文・資源エネルギー庁LPガス産業担当企画官が講演し、橘川武郎・国際大学副学長・同大学院教授が無償配管の背景や課題を整理。消費者団体からはLPガス料金公表の実態調査の結果が報告され、料金透明化・取引適正化を考えるきっかけとした。

橋爪氏は講演で、LPガス料金の公表が進まない背景に自営業規模(契約戸数500戸未満)の事業者が全体の過半を占める業界の構造的問題があると指摘した。「流通・販売業経営実態調査」の結果を基に「ホームページ開設や集中監視導入など、将来を見据えた投資のできる事業者はおよそ2千戸以上だろう」と分析。短期間の規模拡大を実現するには事業者の営業努力では到底間に合わず、対等合併も視野に入れるべきと論じた。

橘川氏は「取引適正化の到達点と課題」と題した講演で「料金提示の実効性を高めるには、不動産業界に影響力のある住宅メーカーへの対応がカギを握るだろう」と展望した。実効性が難しい背景には、LPガス業界内外で厳しさを増す特有の市場競争環境もあると説明。前回学習会が行政を動かす一つの契機になったと評価し、消費者団体には引き続き政策機能の監視などを求めた。

競泳女子のサイサン小西杏奈選手が東京五輪報告会

「応援のおかげです」

左から川本武彦社長、小西杏奈選手、川本知彦副社長

サイサン(本社・さいたま市、川本武彦社長)は11日、同社本社で東京五輪に出場した小西杏奈選手(同社中部支店業務課)の報告会を開いた。小西選手は女子100㍍背泳ぎで準決勝に進出し全体13位、新種目の混合400㍍メドレーリレーで全体9位、女子400㍍メドレーリレーでは決勝に進出して池江璃花子選手らと力を合わせ8位入賞した。

<トップインタビュー>岡山県LPガス協会・髙山眞司会長

変化に対応し絆太く

6月、岡山県LPガス協会の会長に山産業社長の山眞司氏が就任した。5代目の会長となる山氏は就任のあいさつで「コロナの影響で新時代が少し早くやってきた。消費者からLPガスを選んでいただけるよう、会員の皆さまと相談しながら時代の変化に対応していく」と述べた。就任から2カ月。業界を取り巻く環境が激変するなか、どのようなリーダーシップを発揮していくのか。県協会の今後に向けた取り組みについて聞いた。
◇ ◇ ―非接触型の顧客接点が求められるなかでの需要開発について、考えをお聞かせ下さい。
対面での展示会はできなくなったが、紙上展示会やオンライン展示会などで実績を上げている事業者もいる。コロナ禍で状況が一変したことで、IoTを活用したこれまでになかった販売機会が出てきた。チラシのQRコードやインスタグラムなどでお客さまが自分で検索し、素晴らしいガス機器があると知ってもらえることで、機器販売のチャンスも広がる。

  • アストモス、日本初LPG燃料大型タンカーの命名式 8月末に運航開始
  • 商船三井、LPGと重油の二元燃料に対応のVLGC2隻建造
  • 岩谷産業、水素FC船商用化へ 大阪万博での運用目指す
<賢者の英断>首都圏地場業者の決断③

気持ち汲み株式譲渡

株式譲渡というかたちで会社を譲渡する決意を固めた首都圏地場業者のA 社長。一方で、譲渡先はガス仕入先のメーンである大手B社にとする気持ちは固かった。
ただ、LPガス業界の譲渡の主流が、商権のみを譲渡する事業譲渡であるという意識は根強く、果たして株式譲渡のかたちで話がまとまるのか、交渉がうまくまとまるのか不安が募る日々もあった。
譲渡先のB社も、手掛けたM&Aの多くはLPガス業界の主流である商権の譲受が大半を占めており、株式譲渡のかたちで販売店を買収するケースは珍しかった。A社も参加するB社の販売店会の仲間を見渡しても、B社への譲渡は商権の譲渡ばかりだった。

首都圏版

鈴与商事、水配送車にユーグレナのバイオ燃料 

物流も低炭素化へ

宅配水の配送車両に給油する加藤社長(左)と出雲充・ユーグレナ社長.JPG

鈴与商事(本社・静岡市、加藤正博社長)は7月30日、ユーグレナ(同・東京、出雲充社長)の次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を静岡県内で初めて導入した。微細藻類のミドリムシと使用済み食用油を主原料とする代替燃料で、自社の宅配水配送車両向けに利用する。鈴与商事は同日付でユーグレナのGREEN OILJAPAN(グリーンオイルジャパン)宣言への賛同も表明。バイオ燃料の普及拡大に向けて協働し、持続可能な社会の実現を目指す。
サステオは大手コンビニエンスストアの配送車両などに採用例があるが、鈴与商事の取り組みが過去最大規模となる。30日の初回給油では宅配水配送車7台に計200㍑を給油した。

  • 東海ガス、脱炭素へ藤枝市と協定 省エネなどの技術支援

地方版

  • 東北=宮城県協が保安講習会 容器流出防止や入居前の料金提示などテーマに
  • 東北=岩谷産業、仙台空港近隣に水素ステーション 宮城県内2カ所目に
  • 中部=三重県協、川越町と災害協定 LPガス機器を総合体育館に備蓄
  • 中部=親子で火起こし! 富山県協が火育を再開
  • 近畿・四国=「ミラわん」をよろしく! ミライフ西日本公式キャラ決定
近畿・四国=みずの(舞鶴市)、コロナ禍に負けずリフォーム事業好調

認知度アップ ニーズ把握

ショールームを拠点にリフォーム事業を育てた水野伸昭社長

みずの(本社・舞鶴市、水野伸昭社長)はリフォーム事業が好調を維持している。コロナ禍の当初は苦戦したが、昨年夏から勢いを取り戻した。同社は6月決算だが、2021年6月期のリフォーム売上高は前期比30%増、コロナと消費増税の影響がなかった前々期比でも10%増だった。
同社では1回目の緊急事態宣言の影響で消費者の購買意欲が極端に低下、20年4~6月は「このままではどうなるのか」(水野社長)と心配するほど機器販売やリフォームが低調だった。
また、トイレなど一部の住設機器が品薄になったため、需要があっても供給できないケースもあった。
だが、同7月以降、社会情勢の変化とともに需要が戻り、むしろ前年を上回る状況になった。水野社長はその理由を「一つは2カ月に1回の折り込みチラシの継続で地域での認知度が向上したこと。二つ目は旅行や外食ができないところに10万円の補助金があった。小口リフォームが価格的にマッチし、今まで辛抱してきた家の中の不満や不便を解消する契機になった」と分析する。

中国=ヤマサン会、「山陰ガスらぶフェア21」軸に需要300トン創出目指す

今期、乾燥機は 1000 台

山陰酸素工業(本社・米子市、並河元社長)の販売店組織、ヤマサン会(水谷正弘代表理事)は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため今年度の定時総会を中止し、書面決議で第47期事業を決めた。今年度は販促企画「山陰ガスらぶフェア21」を軸に、安定供給継続と保安確保を最優先して需要開発を推進する。脱炭素社会への流れが一層加速するなか、環境保全活動にも取り組む。
今年度は4月から来年3月までの通期にわたり、燃転を中心としたガス消費機器の増設を目的にキャンペーン「G―Good!~ガスでGoodな生活をご提案~」を展開する。ガス機器を新規購入した顧客に「選べる山陰の特産品」を進呈。ガス機器の増設によりLPガス300㌧の需要創出を目指す。
会員販売店を消費者戸数別に5グループに分け、ガス機器増設獲得ポイントを競うコンテストも行う。各グループの上位5社を「LPガス増量優秀社」として来年のヤマサン会定時総会で表彰する

九州=福岡酸素、ドローン活用を推進

供給設備保全の強化図る

LPガス貯槽の保守点検のほかソーラー事業にも活用している

福岡酸素(本社・久留米市、福田寛一社長)はドローンを活用したサービス向上に取り組んでいる。同社はLPガス販売に加え、医療用・産業用ガスを製造・販売しており、ドローン活用をガス供給設備点検の充実と精度向上につなげ、設備劣化状況の確認と設備保全の強化を図る。
ドローンは現在、主に供給設備の保守点検に活用。LPガス貯槽や一般高圧ガスの縦型貯槽を上空から撮影、地上から目視できない部分のさびや汚れを確認し早期の不具合発見に役立てている。今後は工場内の高所にある配管とラックの腐食調査、風水害による被害状況確認などへの応用、顧客の個別要望への対応も視野に検討を進める。

住設・新技術

  • 20年度のガス・石油機器出荷が巣ごもり需要で伸びる 減少傾向に歯止め
  • リンナイ、高価格帯レンジフードを省エネ・調光など新機能搭載し一新

<北海道特集2021>

地域密着 ともに前進 北海道特集2021
コロナ禍が2年目に入り、われわれを取り巻く環境はさまざまな面で変化し始めた。LPガス販売も、相次ぐ緊急事態宣言の発出から業務用が前年実績を下回るなど深刻な影響が出ている。不透明な状況はいつ収束するのか――。今年度の北海道特集は不安な時代だからこそ、多くの波を乗り越えてきた老舗事業者の足跡を取り上げた。6面には初の充填所マップを掲載し、道LPガス産業の流通を一目で把握できるようにした。

  • 津山興産(富良野市)、LPガス・灯油・住設柱に暮らし支え1世紀
  • LPガス業者大相撲番付2021年札幌場所
  • 有力事業者の戦略 -課題見据え販売環境再構築-
    ・エネサンス北海道=高効率機器で付加価値訴求 食育促進 燃転で需要開拓
    ・北ガスジェネックス=社員・企業・グループ力発揮 個客のニーズを充足
    ・伊藤忠エネクスHL北海道=灯油・電気セット販売強化 新手法でアプローチ
    ・岩谷産業エネルギー北海道支社=エネと生活総合提案 道版「ゲートウェイ」構築へ
    ・日通商事札幌支店=LPWAが直売全戸の8割超過 リフォームは全道展開へ
    ・北海道エナジティック=安全・安心提供を継続 コロナ後見据え愚直に
  • 北海道LPガス充填所マップ

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