プロパン・ブタンニュース

第1部 

TOKAIグループ、「TLC」具現化100年企業へ

4ヵ年中計総仕上げ 顧客300万件射程

鴇田勝彦・TOKAIホールディングス社長

商圏拡大・M&Aを加速

2020年は東京五輪・パラリンピック開催に象徴されるように日本にとって節目の年。エネルギー業界は送電線の法的分離と小売料金規制撤廃で自由化競争が前哨戦から本番へ向かう。人口減や少子高齢化、就労人口減と働き方改革。次世代技術を駆使した構造変革が求められるなか、TOKAIホールディングス(本社・静岡市、鴇田勝彦社長)をコアとするTOKAIグループは既存事業のエリア拡大と生活関連事業の拡大を図りTLC(トータル・ライフ・コンシェルジュ)の具現化を進める。グループにとっても20年度はHD発足10周年を控え、100年企業への飛躍の礎を築くための中期経営計画「Innovation Plan 2020〝JUMP〟」の掉尾を飾る節目の年になる。HD発足からグループを牽引し続ける鴇田社長の想いを聞いた。多彩な新機軸で未見に挑み、TLCの完成形を目指す同グループの一挙手一投足から目が離せない。

  • 本紙予想/流通段階別の天気図
有力事業者に聞く

「わが社の新戦略」

エネルギーの自由化時代が到来し、LPガス業界を取り巻く環境が激変している。従来の枠組みを越えた事業戦略や業務提携が現れ始めてきたなか、総合エネルギー企業化や物流の合理化、顧客囲い込み策などの課題に対し有力事業者はどのような戦略を描いているのか。経営トップに2020年の新戦略を聞いた。

  • 独自企画「業界版ヒット商品番付」
IoT新技術で業界進化へ高まる期待

次世代通信/LPWAセミナー

次世代集中監視システムの旗手としてLPWA(省電力広域)などに注目が集まるなか、石油化学新聞社が開催した「創立65周年記念 次世代通信/LPWAセミナー」(2019年11月25日、東京・台東区の都立産業貿易センター台東館)では、LPWA無線技術の実証実験や業務での新たなインターフェースを探求する事業者が、その構想や成果、課題などを披露した。メーターメーカーや通信キャリア、システムインテグレーターが16小間出展し、関連製品・サービスを提案。約200人が参加するなど高い関心を裏付けた。

中小企業の役割大きく 景況 緩やか回復基調 後継問題 承継税制で円滑に

前全国商工会連合会専務理事 乾 敏一氏

全国各地に1660ある商工会にはLPガス販売を含む幅広い業種から81万事業者が加入し、会員の相互扶助や地域の持続的発展に寄与している。12月6日に東京・内幸町のシーボニアメンズクラブで開いた未来塾(事務局=石油化学新聞社)第81回例会では乾敏一・前全国商工会連合会専務理事(現セメント協会専務理事)を講師に迎え、中小企業と小規模事業者を取り巻く環境と今後の対応を探った。中小企業は減少の一途をたどっているが、最近は経営者の老齢化や被災を主因に、事業が安定していても会社を畳む「黒字廃業」の割合が増えている。乾氏は経営者の円滑な代替わりを促進する個人版事業承継税制などの対策を示し、事業の支援が進む現状を解説した。講話の要旨は次の通り。

LPガスを軸に自然災害に備え 

和歌山県業界

近畿地方は一昨年、自然災害が相次ぎ、昨年は千葉県を中心に関東地方の広範囲で台風による風水害が発生した。災害は文字通り「いつ」「どこで」生じても不思議ではない。国や地方自治体は東日本大震災の被害を受け、自然災害に備えるべく国土強靭化計画を策定した。特に近畿地方では高確率で発生が予想される南海トラフ巨大地震対策が急務。和歌山県日高川町(久留米啓史町長)は昨年5月、全国の自治体に先駆け、LPガス設備を多数導入した総合的な防災・減災対策の拠点「日高川町防災センター」を竣工した。

第2部

LPガスを国民エネに ミャンマー

保安規制 日本式で業界育成 民間移譲進む 家庭厨房普及へ全力

2011年の民政移管から間もなく10年となるミャンマーで、LPガスを国民的エネルギーに育成する政策が進んでいる。需要はホテルや飲食店、商業施設など大口を中心に伸びが著しい。大気汚染を防ぎ国民の暮らしを改善するためにLPガスを一般家庭、自動車に普及させたい考えだ。ただ植民地政策や戦争による政治体制の長い混乱で、LPガスの安全法制度が確立されてこなかった。このためミャンマー政府は日本の法令規則を参考にすることとし、17年から経済産業省の支援を受けて業界基盤の構築を進めている。19年11月13~15日に最大都市ヤンゴンで開かれたASEAN・LPGフォーラムシリーズの「LPGミャンマー2019」(アラハタLPGコンサルティング、ガスアカデミー主催)で電力エネルギー省(MOEE)のミャンマー石油化学公社(MPE)が明らかにしたLPガス政策と現地取材を基に、ミャンマーの最新LPガス事情を報告する。

ヤンゴン近郊の東ダゴン工業団地にあるミャ
ンマーLPGグループの充填所。ストレージ
タンクはブタン用=左=とプロパン用各20㌧

ヤンゴン郊外にあるAwraエナジーのオートガススタンド

ブロック別市場の課題と展望

地域支え存在感向上

全国各地で台風や地震などの自然災害が多発している。気象の変化を踏まえると今後も同様の災害が発生する可能性は高い。電力や都市ガスの再編、人手不足、IoT技術の活用などLPガス事業を取り巻く環境は大きく変化している。平時も災害時にも地域を支えるインフラ産業としてどう存在感を高めるか。ブロック別の課題と展望を探る。

  • 輸入価格の推移
  • 独占企画「2020年初場所大相撲番付」都市ガス編
  • 独自調査「2020年初場所大相撲番付」LPガス編
2020 輸入元売・大手卸の戦略

環境保全に貢献 基幹エネ普及へ創意工夫

昨年のLPガス輸入は中東依存度が過去最低を記録し、代わりに米国産比率が7割程度になった。米国の供給量は需給緩和をもたらし、原油対比も低位安定が続いた。ただ中東の地政学的リスクや米中貿易摩擦によるリスクが漂い、1月からは船舶燃料規制の施行、4月からパナマ通峡料値上げ実施に伴うコスト負担も増加する。一方、国内需要は減少傾向が続いており、引き続き創意工夫が求められる。各社は今年1年どう活動するのか。トップに聞いた。

第3部

災対力と省エネは〝GHP〟 アイシン精機

高品質で安全な製品を 廣瀨隆久執行役員

相次ぐ台風や地震に見舞われ、各地で停電が起きた昨年ほど、全国的に災害への備えの必要性が高まった年は近年なかっただろう。単に夏場や冬場の空調に止まらず、BCP対策の観点から緊急時の電力を維持するため、停電対応型をラインアップするGHPへの認識が高まった。また一昨年夏の猛暑を受け、文部科学省が学校空調の導入を後押しし、GHPの導入が進んだ。こうした普及に大きく貢献したのがアイシン精機であり、エグゼアⅡである。高い省エネ性と冷暖効率、ピークカットのニーズへの対応などの優れた性能と現場ニーズに的確に応えた充実のラインアップで支持を集め、採用実績を伸ばしてきた。今年も各方面で一段と採用が進むことが期待される。GHPが注目を集めるなか、その機運をさらに確実なものとし、拡販へつなげていくため、設備を導入したことで課題や悩みを改善し、快適な環境を手に入れた先行事例を紹介する。

GHP新春座談会

ニーズに応える提案でさらなる拡販へ

石油化学新聞社は12月6日、東京・日本橋茅場町の鉄鋼会館で新春GHP座談会「学校特需から次なる成長へ」を開いた。猛暑対策での公立小中学校教室冷房化工事でGHPの出荷台数が大きく伸びている状況で行われた座談会では、2019年度GHP・マイクロコージェネ販売事例論文コンテストで上位賞を獲得した受賞者の販売事例を振り返るとともに、2020年からのGHP成長戦略について活発な意見交換を行った。

機器拡販 LPガス市場を拡大

需要開拓最前線 ルポ

電力や宅配水、通信、優待サービスなど商材を増やすだけでなく、次世代住宅ポイントやキャッシュレス決済の利用促進といった新たな切り口で機器販売に取り組む企業が現れている。経営基盤を強化するにはLPガス需要を増やすことが肝要だ。競争が激化するなか、趣向を凝らして機器の拡販に挑む率先事業者を紹介する。

  • 2020年版全国GHP・コージェネマップ
  • GHPの出荷動向/ポスト学校特需焦点に
2020年GHPメーカーの商品戦略

より高機能に使いやすく

公立学校教室冷房化の特需でGHPの販売台数が伸びている。好調な販売を支えている要因の一つが、機器・システムの進化だ。これまで、初期の機器に発生した不具合や、環境に与えるさまざまな負荷を低減し、小型・軽量化による設置性の向上を図ってきた。さらに、機器の高効率化に向けて取り組み、社会の要請に応える製品・システムを開発してきた。好調な販売が続くなか、各メーカーの2020年商品戦略を紹介する。

  • アイシン精機
    省電力と快適を両立
    完全GHP化 生産性向上にも貢献
  • ヤンマーエネルギーシステム
    災対機能をアピール
    停電対応型コージェネ GHPと複合提案
  • パナソニック
    体育館などに最適空調
    「ナノイーX」搭載 室内機を差別化
  • ダイキン工業
    ハイブリッド空調提案
    エネミックス 最適制御で効率運転

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