プロパン・ブタンニュース

総合面

経産省、保安規則を一部改正 

新認定制度12月施行へ具体化

経済産業省は省令でLPガス保安規則と冷凍保安規則を一部改正し、スマート保安を駆使して高度な保安を確保できる事業者を認定する認定高度保安実施事業者制度の具体的な手続きや用件などを追加する。昨年6月の高圧ガス保安法の一部改正で同制度が措置されたことに伴うもので、改正高保法とともに今年12月21日に施行する。

中東情勢で原油価格が上昇傾向 

LPガスへの影響懸念

7日以降、パレスチナの武装組織ハマスとイスラエルが戦闘状態になったことで、中東地域からの原油供給不安の懸念が高まり、原油価格に影響を与えている。5日に1バレル82・31㌦で取引を終えたWTIが、13日には87・69㌦に上昇した。
LPガス元売関係者によると、足元のLPガス需給は比較的バランスが取れており、価格変動は、原油市況による影響が大きい状況。中東情勢の不安定さによって先行きは見通せないが、当面は高止まりしそうな情勢だ。

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<トップインタビュー>TOKAI・浜崎貢社長、成長意欲あふれる集団に

現場重視で全員参加

1982年入社組は小栗勝男・H D 社長と同期。新人時代から現場を駆け回った〝どぶ板コンビ〟と言ってはばからない浜崎貢・TOKAI社長。東海ガス社長を経てこの4月に就任した。TOKAIを皮切りに、式場経営、CATV、ガス事業とグループの多種多様な現場に従事。現場を熟知した小栗HD社長と息の合った舵取りに期待が集まる。
◇   ◇
―社長に就任されての感想と今後の方針について。
2000年代以降、グループ会社への異動、TOKAI時代も東京本社勤務を挟んだため、今年6月の販売店会で販売店の皆さんには「23年ぶりに戻って来ました」とあいさつした。久しぶりに本拠地である静岡県内の販売店の方々を前に、支店を駆け回った日々を思い出すほど懐かしかった。
当社の方向性については、既に販売店会でも公表している通り「ガバナンス強化」と「現場力の強みを生かした既存事業の強化」「営業地域の拡大」「新規事業、異業種M&Aの推進」「クリーンエネルギーの推進」「全員参加型経営」の六つの基本方針に沿った取り組みを推進していく。特にガバナンス強化を最優先課題とし、透明性が高く、自由闊達に意見を言える風通しの良い組織運営を心掛けたいと考えている。

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首都圏版

東上ガス、栃木支店内にマートンチップのプラント開設

年500立法㍍販売へ

東上ガス(本社・志木市、角田信義社長)は11日、栃木県芳賀町の栃木支店内に設置したマートンチップ栃木プラントの開所式を行った。マートンチップの需要増加に応じて生産力を強化し、畜産施設や下水道のない地域などでの排水浄化用途を中心に販売量増加を目指す。
マートンチップは、木材を有機物の分解に優れた微生物が住み着きやすい構造に加工したもの。畜産業などでの排水処理で高い効果を発揮する。製造所では、秋田県から届くチップ状の杉を使用し、洗浄、水切り、乾燥を経て製品化する。乾燥工程では、LPガスを使用した乾燥機を使用し、温風を発生させて乾燥させる。

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地方版

北海道=エネサンス北海道 帯広支店が初の展示会

「暖房フェス」に500世帯来場し盛況

野菜詰め放題は大いに盛り上がった

エネサンス北海道帯広支店(摺寺勇輝支店長)は15日、支店として初めての展示会「暖房フェス!」を帯広市のベルクラシック帯広で開いた。500世帯超が来場し、最新のガス機器や灯油FFストーブなどを熱心に見て回った。

三河幸弘主任

帯広支店は昨年、年明けには新型コロナウィルスによる行動制限が緩和されるだろうとの予測から展示会を計画。同支店の三河幸弘主任が実行委員長となり、4月から本格的な準備に着手した。暖房フェスの開催目的として「コロナ明けをきっかけに、市場に刺激を与えたい」を第1に挙げ、顧客との接点復活が2点目にあったと明かした。

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東北=東液協業務主任者研修会で保安監督部が雪害事故対策強化を要請 

NX商事が対策事例

11日の仙台会場は148人が受講した

東北液化石油ガス保安協議会(黒田隆一会長)は11日仙台市で、12日盛岡市で「業務主任者等保安研修会」を行った。関東東北産業保安監督部東北支部保安課は、東北のLPガス事故件数の増減を左右する雪害事故対策の強化を要請した。会員事業者の事例発表ではNX商事仙台支店が、事故を契機とした雪害事故対策などを紹介した。両会場で260人が受講した。

遠藤敬治氏

冒頭に監督部東北支部保安課の遠藤敬治課長があいさつし、事故の増加を抑えるため、他工事事故やCO中毒事故、雪害事故の対策強化を求めた。特に東北の事故件数増加の要因となっているのは雪害だと指摘し「雪害は積雪に大きく左右されるが、気象状況が極端化している最近は常に警戒を怠れない。冬場を迎えるに当たり引き続き対策強化をお願いする」と強調した。
研修で講師を務めた同課の加藤幸男LPガス監督官も「今年の東北のLPガス事故は8月末時点で13件発生しているが、昨年同期の31件を大きく下回っている。昨年は雪害が21件あったのに対し今年は4件と少ないためだ」と説明した。加藤監督官は雪害対策のほか、容器流出対策の徹底も要請。他工事事故対策として埋設管が埋まっていることの表示、工事関係団体や土地施設の所有者への周知の強化も求めた。

泉浩紀氏

NX商事仙台支店からは、LPガス部の泉浩紀保安課長が発表した。同社グループ全体の保安体制や社内査察制度、保安活動の独自ルールなどを説明。グループ会社のNXエネルギー東北が、消費者先で雪害事故が発生したことを機に取り組んだ雪害事故防止対策についても紹介した。

中部=石黒商事(土岐市)、大感謝祭 4年ぶり開催も盛況

最新機器が順調に成約

石黒商事( 本社・土岐市、石黒義啓社長)は7~8日、土岐市のセラトピア土岐で「第17回1万人大感謝祭」を開いた。コロナ禍の影響で2019年以来の開催となったが、開場とともに多くの人が詰めかけ、ガス機器ではこんろやレンジフード、給湯器、ファンヒーターなどが順調に成約を重ねた。

好評だったガス機器販売

会場にはガス機器のほか、住設機器メーカー各社の商品、太陽光発電システム、石油製品などを展示したほか、同社ガソリンスタンド事業部門による中古車展示やコインランドリー、カーブス、コメダ珈琲店などのコーナー、飲食屋台、物産、子供向け縁日、屋外キッチンカーなどが並んだ。
ステージでは、地元高校吹奏楽団の演奏やよさこいなど、2日間とも開場から終了時までイベントを開催。来場者を飽きさせない盛りだくさんの催しで終始会場は賑わった。

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近畿・四国=バイオ燃料で未来へ 橋本燃料(滋賀県高島市)

BDF事業が順調に成長 プラント持ちCN対応

橋本翔太専務とBDFプラント

橋本燃料(本社・高島市、橋本重生社長)は2018年11月に使用済み食用油(廃食油)から軽油代替燃料・バイオディーゼル(BDF)を精製するプラントを設置し、供給を開始した。現在は月間3千~4千㍑を精製・販売する事業規模に成長している。販路拡大や品質改善を進め、今後も将来のカーボンニュートラル社会に適応するため、化石燃料に並ぶ事業に育てていく。
同社は1953年に薪炭店として創業。58年にLPガス販売を始め、灯油や住設機器も扱っている。近年は人口減や電化との競合、脱炭素の流れもあり化石燃料だけに頼る経営からの脱却を考えるようになった。

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中国=中国地区青年部会、中国工業を視察研修 

容器工場見学や情報交換行う

中国地区LPガス協会連合会青年部会(坂田雄樹会長)は9月15日、広島県呉市に工場を構える中国工業の視察研修と意見交換会・交流会を開いた。中国5県から青年委員が43人参加した。

LPガス容器の生産工程を見学した

視察研修で冒頭、坂田会長は「4年ぶりの視察研修となる今回は、普段慣れ親しんでいるLPガス容器の生産工程を見学し、会場を変えて意見交換会と懇親会も行う。業界は料金透明化、取引適正化、カーボンニュートラル(CN)対応など課題も多いが、研修を通して何か一つでもヒントを得てほしい」とあいさつした。
花岡寛司・中国工業高圧機器工場長兼品質保証課課長から同社の概要や生産容器の特徴などを聞いた後に工場内へ入った。コイルの抜断・切断から始まるLPガス容器の生産工程を、説明を聞きながら見学。質疑応答で参加者からは、FRP容器の生産能力、鋼製とアルミ合金製容器のコスト差、工場スタッフのローテーションなどについて質問が出た。

九州=ツバメガス連合会総会、燃転でCO2排出最小化 

組織刷新、協組と統合へ

ツバメガスフロンティア(本社・福岡市、寺田光一郎社長)の販売店会、ツバメガス連合会(宮原洋人会長)は12日、福岡市のホテルニューオータニ博多で第56回総会を開いた。総会ではグループ一丸でカーボンミニマムに注力しCO排出量の最小化を図る方針を示した。
今年度(8~7月)の事業計画は①LPガス業界の信頼向上のため取引適正化と料金透明化を推進する②低炭素社会の実現に向けた「カーボンミニマムde燃転キャンペーン」を企画、燃転と省エネ機器販売を強力に推進する③安心・安全で健康的なガス器具で快適に過ごす「カーボンミニマムdeエコほっとキャンペーン(10~12月)」「カーボンミニマムde生活応援キャンペーン(4~7月)」―に取り組む。

住設・新技術

「乾太くん」がグッドデザイン賞100選に入る 

25日に大賞決定

日本デザイン振興会(深野弘行理事長)は2023年度のグッドデザイン賞として全審査対象5447件から1548件を選定した。このうち、さまざまな分野で優れたデザインとして評価された「グッドデザインベスト100」、ベスト100から「グッドデザイン大賞」候補を含む経済産業大臣賞、金賞など特別賞、ロングライフデザイン賞などを選出した。大賞の1件は25日に決定する。(写真=リンナイのガス衣類乾燥機「RDT-63/同93シリーズ」)

  • パナソニック、LPガス配送効率化支援サービスを開発 来季上市へ試供開始
  • ミドリ安全、国内初の防爆対応空調作業服を開発 来年4月発売へ

<コミュニティーガス特集>環境・防災 社会のニーズを充足

頻発する自然災害への対応、カーボンニュートラルといった社会的要求が高まり、コミュニティーガスには供給形態の特性を大いに発揮できる可能性が見えてきた。人口や消費原単位の減少、さらには海外紛争に端を発した物価高騰など足元の課題も少なくないが、事業関係者はどのような展望を描いているのか。各地を取材した。

  • 日本コミュニティーガス協会・吉野晃会長、CN移行期も存在感発揮
  • 環境・防災 社会のニーズを充足/事業者の展望
    ・コーアガス日本=団地内事業所でサービスきめ細かく 5431地点の安全担保
    ・エア・ウォーター・ライフソリューション=単位消費量を拡大 人口増機運も地道に継続
    ・茨石商事=新ブランディング推進 ガス軸に生活周りも
    ・サカヰ産業=保安にLPガス法反映 厳格基準で安心供与
    ・モトイ=自社点検で接点確保 宅配水などガス外商品提案も
    ・松江ガス供給=バルク貯槽更新開始 埋設管、2002年に全面PE化
  • 安心担保 余念なく/わが社の保安体制
    ・橋本産業(東京)=製造~防災まで5段階で綿密対策 客先設備の安全性向上
    ・JOMOプロ関東(前橋市)=毎年6月に一斉周知 効率化へ圧力遠隔監視
    ・仙台プロパン(多賀城市)=ボーリング検査を内製化 他工事事故を毎週巡回で未然に
    ・エネライフ・コミュニティー(宇陀市)=埋設管PE化を完了 団地の地形は熟知
  • 日本コミュニティーガス協会・薮内雅幸専務理事に聞く
    ・安全確保で地域強靭化に貢献 マイクログリッドの核に
  • 全国コミュニティーガス事業マップ/都道府県別現勢

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