石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

石化製品、需要回復に材料乏しく 中国の春節明けも不発に

自動車生産回復が今後のカギ

需要停滞と市況軟化に喘ぐ石油化学業界。多くの化学メーカーが業績予想を下方修正する主たる要因となっている。期待された中国の春節明けの回復は実質的に不発に終わり、好転の材料に乏しい状況が続きそうだ。

  • カネカ・・・MSポリマー増設へ 米で 25 年完成見通し
  • ダイセル・・・インフレーター、インド拠点が完成 シェア拡大を牽引
クラレ・・・イソプレン 関連事業、タイ新工場が稼働 

耐熱PA、MPDなど

タイで完成した新プラント

クラレは、タイのグループ企業であるクラレGCアドバンスト・マテリアルズ( クラレ53・3%、PTT33・4%、住友商事13・3%出資)とクラレ・アドバンスト・ケミカルズ(クラレ全額出資、ともに本社はバンコク)でイソプレン関連事業の新プラントをラヨン県マプタプットの石油化学コンプレックス内(WHAイースタン工業団地)に完成した。それぞれ順次稼働を開始する。

業績回復に意欲 KHネオケム 髙橋理夫社長

安定・安全操業を徹底 

髙橋理夫社長

23年営業益 史上2位の150億円
「23年の重点施策の第一としてプラントの安全・安定操業に全力を注ぐ。安全総点検運動をアップグレードし、全社・協力会社社員も含めて改めて安全への理解浸透を図る。企業理念に『自分を守る、仲間を守る。』と定めた安全指針を追加したほか、予防保全の強化を目的に予兆診断システムや高精度検査装置などスマート保安の導入を推進していく」。KHネオケムの橋理夫社長は記者会見でこう述べ、市場環境が厳しいなかでも製品の安定供給に万全を期して23年の業績回復を目指す姿勢を示した。
同社の22年(1〜12月期)決算は、売上高が1149億円と前年比22億円の微減収だったが、営業利益は過去最高を記録した前年に比べ72億円減(37%減)の125億円、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)は74億円減(31%減)の168億円に目減りした。

  • 三菱ガス化学・・・バイオPC生産へ マスバランス方式
  • PSジャパン・・・新社長に旭化成の 顕谷一平氏を内定

PSジャパンは社長に旭化成の顕谷一平上席理事モビリティ&インダストリアル事業本部機能材料事業部長が6月に就任する人事を内定した。顕谷氏は4月1日付で旭化成の執行役員環境ソリューション事業本部付に就任、PSジャパン社長就任後も兼務する。
顕谷一平(あらや・いっぺい)氏87年神戸大学経済学部卒業、旭化成工業(現旭化成)入社。21年上席理事。兵庫県出身、58歳。

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三井化学と旭化成 不織布事業 10月に統合新社設立 

シナジー追求 アジアで勝ち残りへ

三井化学と旭化成は不織布事業を統合し、10月2日(予定)に新会社「エム・エーライフマテリアルズ」を設立する。これにより、アジア市場で推定シェア第2位のメーカーが誕生する。日本とタイに展開する両社の生産拠点や技術開発力、ビジネスノウハウ、豊富な製品ラインアップを持ち寄って、シナジーを徹底追求。競争が激化するアジア市場で勝ち残りを目指す。

  • クラレ・・・鹿島で液状ゴム増強 24年夏に能力2割アップ
  • 積水化成品工業・・・魚箱のMR技術確立 再生EPSへ量産開始
  • 積水テクノ成型・・・抗ウイルス剤混錬、消毒不要の成形品開発
  • 日本触媒・・・細胞凝集塊、安全性確認へ第2弾 「ミコセル」で作製
  • 三菱ケミカルグループ・・・バイオエンプラ 3D印刷でベンチ

三菱ケミカルグループは、自社のバイオエンプラ「デュラビオ」を用い、3Dプリンターでベンチ=写真=を製作した。自然物と人物の中間のような有機的な三角形で構成された形状で、照明機能を備えるのが特徴だ。研究開発拠点のサイエンス&イノベーションセンター(横浜市)の敷地内に設置した。
ベンチは、三菱ケミカルグループ、竹中工務店、3Dプリンターメーカーのエス.ラボ(京都市)、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの田中浩也研究室の4者が共同で製作した。サイエンス&イノベーションセンター敷地内の周辺環境に溶け込み、夜間はやわらかな光とともに屋外空間を演出する。

  • 東亞合成・・・バイオ由来3種開発 アクリレート 塗料・粘着剤向け
  • UBEエラストマー・・・持続性カーボン、国際認証を取得
  • JSR・・・半導体材料で最先端製品に力

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  • カーシェア・・・先端技術の突破口に 素材メーカーの期待大
  • 日本触媒・・・収益好転へ全力 マテリアルズ改善急務
  • 石化大手・・・石化系軒並み赤字 10~12月営業損益 需要減、値差縮小
  • 丸善石油化学・・・研究開発拠点を新設 市原
  • 日本触媒・・・アクリル酸やSAP19品目で認証取得 ISCC PLUS
  • 日本ペイント・オートモーティブコーティングス・・・岡山に車塗料工場 今秋から本格稼働
  • 三井化学・・・人材育み適所に配置 新スキーム稼働
  • DICグラフィックス・・・色見本帳アプリ 調整機能など追加
  • 住友精化・・・発電機用絶縁材開発 NEDOが優良評価
  • ジャパンコンポジット・・・SMC生産子会社吸収し事業強化
  • カーボンブラック協会・・・12月のカーボンブラック実績
  • 日本銀行・国内企業物価指数・・・基礎製品変わらず
  • 化学製品値上げ
    ・ダウ・ケミカル日本・・・溶剤やアミン類
    ・出光ユニテック・・・ポリオレフィルム
    ・三井・ダウポリケミカル・・・エチレン系機能樹脂
    ・トクヤマ・・・塩化物4製品

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  • ダウ・・・POE、自動車シート用に 通気性や環境対応訴求
  • 東レ・・・PPS、韓国で5000㌧増設
  • AGC・・・化学品部門営業益 今期33%減を予想
  • 日本ゼオン・・・米CN材新興に投資
  • 住友精化・・・シンガポール子会社SAP製販を一体化
  • エア・ウォーター・マテリアル・・・台湾の半導体ガス商社を子会社化
  • 三菱ケミカルグループ・・・コスト削減目標、500億円積み増し 21~25年度
  • 三菱ケミカルグループ・・・IT子会社を統合
  • 三菱ケミカルグループ・・・TKIを吸収合併
  • 帝人・・・営業利益、来期300億円改善 課題3事業を変革
  • 帝人・・・執行役員を再定義 理事廃止
  • 帝人・・・2事業統括制を廃止 組織階層フラットに

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