石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

大阪ソーダ・・・機能化学品で増産投資

医薬品原薬やアクリルゴム

大阪ソーダは機能化学品で積極的な増産投資に乗り出す。ヘルスケア事業は松山工場で医薬品原薬・中間体の生産設備を23年4月までに増設し、尼崎工場では医薬品の精製に使う液体クロマトグラフィー用シリカゲルの設備増強を進める。機能材事業は松山工場でアリルエーテル類の増産投資を完了し、22年度にはアクリルゴム設備を倍増設する計画だ。積極投資で中期経営計画の基本方針に掲げるレジリエントな事業基盤の構築」を実現する。

出光興産 木藤俊一社長 「責任持ち現実解提供」

事業変革とエネ安定供給

木藤俊一社長

出光興産の木藤俊一社長は中間決算の説明会で脱炭素時代のエネルギー供給者としての在り方について、「30年ビジョンで掲げた責任ある変革者として、現行の化石燃料の安定供給に万全を期すとともに、次世代エネルギー供給の担い手としてエネルギー・マテリアルトランジション(循環型事業への変革)をバランスさせながら取り組むことが重要だ」と強調した。
足元の資源・エネルギー価格の高騰の背景の一つに「資源領域への投資が不十分」と指摘。「カーボンニュートラルの実現には革新的技術開発が不可欠だが、それには一定の時間を要する。それまでは既存のエネルギーの安定供給で社会をしっかりと支えていく。時間軸を見誤らずにカーボンニュートラルの移行期における現実解を提供していく」と意欲を示した。
その具体例の一つが、次世代型の全固体リチウムイオン電池のキーマテリアルである固体電解質の開発だ。同社はこのほど、千葉事業所で商業生産を視野に入れた実証設備の稼働を開始させた。電気自動車(EV)向けをはじめ安全で高効率な蓄電池のニーズが高まる中、同社の製品は次世代蓄電池の大本命と目される。石油化学事業で培った高純度硫化リチウムの技術蓄積と今回の本格実証設備、さらに原料からの一貫体制の強みを生かし、固体電解質の早期実用化を目指す。

  • 日本触媒・・・EO、強靭化策を推進 収益改善 3年内に数十億円
  • デンカ・今井俊夫社長・・・22年度営業益、中計目標達成にメド
  • 日本化薬・・・厚狭でエポキシ増強 IJ用材料も福山で
  • JSP・・・EPP、EV電池梱包用を拡販 世界最大手に採用
  • クレハ・小林豊社長・・・高機能品の収益改善 価格フォーミュラ制に

<特集>技術力で機能追求し成長へ~スーパーエンプラ(下)

  • 主要メーカーの現状と戦略
    最終製品の高度化・多様化が進み、より過酷な使用環境に耐える多機能な素材が求めら
    れるなか、スーパーエンプラは年々存在感を高め、自動車、電気・電子、医療、航空機、
    住設、エネルギー関連などの幅広い分野で応用分野を広げてきている。その多くは、きめ
    細かい技術対応を得意とする日本の化学企業が世界的にも高いシェアを持つ。変化するニ
    ーズをビジネスチャンスとして取り込み、グローバルに市場を広げていきたい。

三井化学
TPI/PA6Tなど

  • TPI、車用中心に世界で拡大 生産能力、5割程度の増強検討
  • PA6T、機能訴求し用途開拓 照明反射材向け注力

東ソー
PPS

  • 車両用重点 金属との複合化推進
  • コンパウンド 中国、東南アジアに拠点も

ダイセル・エボニック
PEEK

  • 機能付与 パートナーと積極連携
  • 金属代替へ 顧客の軽量化支援

住友化学
LCP/PES

  • LCP、用途拡大へ機能向上 高速通信、成長睨み品揃え
  • PES、市場広げ基盤強化 パウダー、分離膜用など伸長

クレハ
PPS

  • いわき、新旧系列で高稼働実現
  • デボルト増強など 現有設備で増産へ

出光興産
SPS

  • 車両用拡販 顧客増、用途を拡大
  • マレーシアに新系列、国内を含め能力倍増

 

宇部興産
SPS

  • 4製品で事業基盤強化
  • モノマー 新系列で6割増強

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 出光興産・・・高機能PC、インプラント化に力 用途広げ2ケタ成長維持
  • ポリプラスチックス・・・POM中国新系列 24年に前倒し稼働
  • ダイセル・・・酢酸セルロース、食品接触向け展開 生分解性、高透明
  • ダイセル・・・マイクロ流体デバイス、レジスト材実装へ 新井工場23年メド
  • 三菱ケミカル・・・ナイロン混合繊維 カーペットに展開 廃漁網由来
  • ユニチカ・・・CNF強化ナイロン 車部材や電化製品に
  • 住友化学・・・東京本社に共創ラウンジ、12月オープン
  • 日本ソーダ工業会・・・9月のカセイソーダ出荷内訳
  • 化学製品値上げ
    ・東亞合成・・・アクリル酸40円以上
    ・東洋紡・・・包装用フィルム
    ・プライムポリマー・・・PEとPP22日から
    ・三井化学・・・エラストマー
    ・クラレ・・・PVBを60円以上 PVBフィルム
    ・旭化成・・・POMを40円
    ・大洋塩ビ・・・PVCを43円以上
    ・新第一塩ビ・・・PVCを50円以上
    ・東ソー・・・ペースト塩ビ 臭素と誘導品

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