石油化学新聞

宇部興産・・・核酸医薬原薬 製造受託を事業化へ

実証経て20年代後半に

宇部興産は、医薬事業の拡大に向けた一環として、新薬市場で今後の拡大が見込まれる核酸医薬について、原薬製造受託の事業化を目指す。22年度からスタートする次期中期経営計画の3カ年を事業化に向けた基礎固めの期間と位置づけ、核酸医薬原薬のパイロットプラントを設置して実証実験などを進めながら、商業プラントの設計思想などを構築していく。市場の動向などを見極めたうえで、20年代後半をメドに商業プラントを建設し、商業化したい考え。
同社の医薬事業は自社・共同研究開発による「創薬」と新薬の「原薬・中間体製造(自社製品と受託)」を両輪とする。現在、宇部地区に先ごろ完成した第五医薬品工場を含めて五つの生産設備を保有しており、核酸医薬原薬の商業プラントを新設する際も同地区が有力候補となる模様。

  • ADEKA・・・半導体材料に積極投資 台湾と米国で工場新設検討
  • DICとセーレン・・・炭素繊維プリプレグ、世界最速硬化品を供給
  • 宇部興産・・・オキセタン、3D印刷向け急増 造形物中心に用途拡大
  • 東レ・・・PBT、低誘電損失の新銘柄 5Gや自動運転向け
  • クレハ・・・いわきのPPS増設分がフル稼働
  • 東レ・・・PET不織布を滋賀で30%増強
  • 宇部エクシモ・・・高純度シリカ粒子、中空タイプを開発
  • 経済産業省・・・事業適応指針制定へ 改正産業強化法 21日までパブリックコメント
三洋化成工業・・・AI匂いセンサーに挑戦

人工嗅覚で可視化 日本酒製造で実証

ここにも界面制御技術が生きている

課題乗り越え事業化目指す
全樹脂電池、アグリ・ニュートリション(ペプチド農業)に次ぐ新事業は匂いセンサーだ。
三洋化成工業は、長瀬産業と共同でAI技術を応用した人口嗅覚(プローブ)を用いた匂いセンサーの事業化を目指す。実証は地元、京都市伏見区の老舗酒蔵の都鶴酒造で行う。日本酒醸造工程に同センサーを設置し、匂いを可視化。職人の勘と経験に左右されない品質管理や新商品開発につなげる。 同センサーは、人間の嗅覚細胞に相当するプローブを三洋化成得意の界面制御技術を駆使した高分子樹脂素材で構成する。香り分子の吸着で電気抵抗が変化し、AIが多種多様な分子のパターンを検知し、データとして蓄積する。このデータを解析し、さまざまな顧客のニーズに応えるソリューションとして提供する新たなDXビジネスの確立も視野に入れる。

<特集>社会課題の解決に向けR&D加速

技術トップに聞く化学各社の戦略〈下〉
化学各社は次世代高速移動通信システムの普及、自動車のxEV化、より健康で快適・衛生的な暮らしといった社会ニーズの変化を敏に捉え、事業成長とポートフォリオ高度化を図るための研究開発を加速させている。収益が堅調にあるなか、新たな経営戦略で研究開発資源を拡充する企業も多い。一方、気候変動問題に対して国として30年に13年比46%削減という明確なGHG(温室効果ガス)削減目標が示されるに至り、この問題や炭素循環に関する基礎研究の重要性は飛躍的に高まった。エネルギー多消費型産業である化学業界にとってこの課題は、もはや中長期的視点ではなく生き残りを賭けた短期決戦で解決の糸口だけでもつかむ必要が出てきた。地球規模の難題に果敢に挑戦する大胆なシフトチェンジが始まった。化学が実現を目指す新たな世界に期待が寄せられるとともに、社会実装に向け多方面にわたる連携がカギとなる。大転換の時代に化学の企業研究にあるべき姿とは何か。目指すべき方向は。主要化学各社の研究開発トップに話を聞いた。

竹中克
上席執行役員研究・開発本部長

旭化成
グリーンケイストリー 複数技術を最適活用
材料開発 MIで相次ぎ成果

上田博
取締役副社長執行役員

住友化学
カーボンニュートラル 4視点でアプローチ
ターコイズ水素 炭素循環型石化を追求

垣本昌久
常務執行役員イノベーション所管

三菱ケミカル
RD基盤強化 イノベーション主体に
炭素利活用資源循環 多彩な領域に関与

山本敏浩
執行役員総合研究所長

日鉄ケミカル&マテリアル
次世代通信材料に焦点
マリンバイオを化学原料に

トン・デ・ワイヤー
帝人グループ執行役員マテリアル技術本部長

帝人
環境技術 欧州の開発拠点が始動
外部競創 数年内に成果発揮へ

和田哲夫
執行役員融合製品開発研究所長

昭和電工
昭和電工マテリアルと23年統合へ
3つの化学を融合「作る」「混ぜる」「考える」

佐々木繁
研究開発本部長

クラレ
イノベーション 持続可能、QOLに力
LCPフィルムなど 本格事業化へ前進

西村公一
出光興産次世代技術研究所長

 

出光興産
CNX戦略 技術で全社を後押し
新規スーパーエンプラ 基礎技術の確立急ぐ

有賀利郎
執行役員R&D統括本部長

DIC
次世代になう基板技術を
結城、無機、バイオで追求

木村正弘
取締役技術生産本部長兼研究開発部長

東亞合成
第4の柱づくり加速
モビリティで新たな成果

佐藤浩幸
執行役員研究開発本部長

クレハ
中計延長し6課題設定
PGA事業拡大などに重点

住田康隆
取締役常務執行役員事業創出本部長

日本触媒
事業化へ「有望テーマ」出揃う
アルカリ水電解用有機無機複合シート 欧州で評価加速

吉野信行
常務執行役員

デンカ
CCUSなど環境関連技術に軸足
研究開発改革 MI活用を本格化

舟橋克之
取締役執行役員

丸善石油化学
未利用留分 C最優先に有効活用
〝炭素中立〟 資源投入へ絞り込み

柴田真吾
常務執行役員研究開発本部長

三井化学
コンセプト&デザイン 技術深堀りし具体化
研究資源拡大 ESG関連テーマに

磯貝幸宏
取締役執行役員

KHネオケム
R&D総合センター 技術的価値を創造
外部連携で業際領域へ挑戦

大田正芳
上席執行役員研究開発本部長

宇部興産
新規事業 5領域焦点に創出
CO・廃プラ利活用など 環境貢献製品に力

加藤賢治
取締役常務執行役員

三菱ガス化学
新中計 組織一本化の効果発揮
人員拡充、投資も積極化

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