石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

日本化薬・・・火薬技術で用途拡大

セイフティシステムズ、車以外含む安全対策へ

日本化薬は、セイフティシステムズ事業で既存の自動車安全部品を引き続き拡大しながら、蓄積した火薬の技術を駆使して安全性向上に寄与する新規用途の開拓に力を入れる。既に自動車の歩行者保護を目的としたマイクロガスジェネレーター(MGG)やガス発生剤、EVなどの電流遮断装置用点火装置(スクイブ)を投入し、採用を国内外で広げてきている。さらに大型ドローン向け火薬式安全装置も21年12月から本格投入し、産業用を中心に世界で市場を広げていく方針。

  • 東レ・・・サトウキビ、搾りかすから合繊原料 高効率技術開発に着手
  • 日本化薬・・・IFシェア拡大へ 新製品拡販に拍車
  • 20年度カセイソーダ生産量・・・生産400万トン割れか 大規模定修が影響
  • クラレ・・・再生炭、欧州で年1万1000トン増設 工業用7~8割増強
  • インド2社・・・CPL、不当廉価販売調査を申請、韓国・露・欧・タイ品に
  • 東レ・・・車コンデンサー用OPPで新世代品
新社長インタビュー・・・PSジャパン 室園康博氏

ケミカルリサイクル、方向性定め実現目指す PSの素晴らしさ伝えたい

「プラスチックが世の中にものすごく貢献しているということを改めて感じている。プラスチックの素晴らしさを皆さんに伝える責務を全うしたい」 こう抱負を語るのは国内最大のポリスチレンS)メーカー、PSジャパン社長に6月19日付で就任した室園さん。 「98年10月の当社前身のエー・アンド・エムスチレン創業以来の伝統である『お客様の視点に立ち、信頼を得、安心と価値を提供する』経営方針を変えることなく、やるべきことをしっかりやる」と意気込む。 同社はPSのリーディングカンパニーとしてシェア、品質、研究開発力(高付加価値化)、環境問題への取り組みの四つにおけるナンバーワンを掲げる。

特集<資源循環社会実現に応える化学業界」 海洋プラ廃プラ問題を超える②

海洋プラスチックごみを含む廃プラスチック問題は、今やサーキュラーエコノミー抜きに語れなくなっている。廃プラそのものを資源と捉え、これをどのようにうまく循環させるか。その実現に向けて、国内外で多方面のステークホルダーがアライアンスを相次いで結成しているほか、再生材の普及促進や需要喚起を図るために、認証制度や各種インセンティブの付与など制度的な検討が進められるようになっている。もちろん化学業界でも新たなケミカル、マテリアルのリサイクル技術確立へ向け、さまざまな挑戦を加速させている。資源循環社会の実現にキープレーヤーと成り得るか。廃プラ問題を巡る最近の動向に追った。

概況 プラスチックリサイクル、有用性高ければこそ 廃プラ輸出減、国内再生利用が急務

新型コロナウイルスの世界的感染拡大は、皮肉にもそれまでテレビやネットなどで連日のように取り扱われていた海洋プラごみ問題の喧騒を飲み込んだ。これまでプラスチックを悪者扱いする脱プラスチックの風潮は沈静化され、一方で不織布製を中心としたマスクは日常生活に不可欠なものとして完全に浸透。包装容器・資材は巣ごもり需要で高機能なデリバリー・テイクアウト用のニーズが高まるなど、ワンウェープラを含むプラスチックの有用性が再認識されるようになっている。7月から導入されたレジ袋の有料化はプラスチックに対する消費者の意識改革を促す施策とされ、衛生面の問題などが指摘されつつも、新たなライフスタイルとして定着しつつある。

  • 旭化成など・・・容器包装PE 総合的MRに挑戦 最終製品化まで検証
  • 住友化学、積水化学工業・・・CR新モデルを推進 「真の再生PE」25年度事業化へ
  • 三井化学・・・自動車材料CRも研究 フィルムtoフィルム技術 印刷を除去し再利用
  • 昭和電工・・・「KPR」産廃受け入れ安定高稼働 CR検討 スチレン、石精業界でも
  • 日本化学工業協会常務理事 坂田信以氏に聞く

日本化学工業協会常務理事 坂田信以氏

資源循環 新たな日本の競争力に
合同WG 全体最適で議論進展
コロナ禍においても「プラスチック資源循環戦略」に遅れがあってはならない。環境省中央環境審議会(中環審)と経済産業省産業構造審議会(産構審)は、同戦略施策の基本的方向性について合同でワーキンググループ(WG)を開催。9月1日の第5回会合では、資源循環の高度化に向けて環境面(海洋プラごみ問題や気候変動問題などの同時解決)、経済面(中小企業を含む全体最適による新たな成長戦略)、社会面(ライフスタイル変革)の三方よしを目指す、という基本的な方向性が示され、大筋で合意に達した。今後は具体化に向けた制度設計などが議論され、年内をメドに取りまとめられる予定だ。同WGに委員として参加している日化協の坂田信以常務理事に今後の展望などを聞いた。

  • PETボトル・・・再生原料を積極活用 合繊各社、繊維と包装フィルムに
  • PE系樹脂・・・モノマテリアル化加速 ダウ、素材開発で機能担保
  • ルポ、MRの最前線 エム・エムプラスチック富津工場

食品・医薬輸送にも用いられる「MMPパレット」

MMPパレット、食品・医薬品用にも好評
容リプラ、年1万5000トンを処理
エム・エム・プラスチック(本社・千葉県富津市、森村努社長)は容器包装リサイクル法プラスチック(容リプラ)再商品化事業者として、急速に成長してきた。最新鋭設備による高品質なペレット化と、バージン樹脂製パレットと同等の強度を持った物流用パレットとしての高付加価値化により、安定収益を確保している。事業環境が常時変化するマテリアルリサイクル(MR)の最前線
で、残渣処理や再生ペレットの価格変動などの課題に技術で挑み、さらなる業容拡大を目指す。

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