石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

リケンテクノス・・・国内でTPE増強へ

塩ビ食品ラップも計画

リケンテクノスは主力事業で相次ぎ設備投資に乗り出す。熱可塑性エラストマーコンパウンド(TPE)は国内での増産投資を検討し、年内にも計画を固める。塩化ビニル樹脂製食品ラップも国内工場で生産能力を増強する計画だ。積極投資で持続的な収益の成長につなげる。

  • 日本触媒・・・世界にTIM用拡販 高機能アクリル樹脂 売上高3倍へ
    日本触媒の高機能アクリル樹脂「アクリキュアーHD」が車載放熱材料(TIM)市場で注目を集めている。シロキサンフリーで無機系放熱フィラーに対する分散性や相溶性に優れ、柔軟性や密着性に富むTIM材料が得られるといった特徴から車載リチウムイオン電池(LIB)用途を中心に引き合いが強まっている。顧客密着型の材料設計と中国を含むグローバルマーケティングに磨きをかけ、売り上げ規模を現状の3倍に拡大させる構えだ。写真=アクリキュアーHDを用いた柔軟なTIMシート
  • 東ソー・・・オルガノに経営資源 水処理エンジ事業 拡大を後押し
  • クラレ・・・新規事業創出を促進 米にコーポレート研究拠点
  • 日本ゼオン・・・植物由来ブタジエン高効率生成
  • 四国化成工業・・・坂出に新工場建設へ 先端半導体材料 27年メド稼働

新社長インタビュー ポリプラ・エボニック ヴィトー・ラヴィーニ氏

新工場 注力領域の拡大加速
xEV向け ポリプラとシナジーを
「当社は年内に姫路市内で新工場の立ち上げを計画している。既存工場から設備を移設して12月の生産開始を予定しており、新工場を迅速に立ち上げ、これまで注力してきた領域の拡大へスピード感を持って取り組む。特に注力するのは電気自動車(EV)の冷却配管やバスバー被覆材向けポリアミド(PA)12、コンシューマーグッズ向けのPA系加工品や独自接着技術、そして歯科材料向けのポリエーテルエーテルケトン(PEEK)だ。幾つかの製品では需要動向を見極めながら、新工場で増産体制も検討し整備していきたい」
同社はダイセルの完全子会社であるポリプラスチックスと独エボニックの日本法人であるエボニック・ジャパンの折半出資会社で、PA12をはじめとする高機能樹脂や樹脂製品などを展開する。ラヴィーニ新社長はシンガポールのエボニックのビジネスディレクターを経て就任した。既存設備はダイセルの網干工場内にあり、工場内の異なる場所に新工場を建設し、新工場へ製造設備を移設する。既に建屋は完成し、今後コンパウンド設備などの移設作業を進めていく。

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JNC・・・クロマト担体 バイオ医薬品向け拡大

新品種開発と生産増強

JNCは、バイオ医薬製造などに使用されるセルロース系液体クロマトグラフィー担体「セルファイン」の事業拡大に拍車をかける。旺盛な需要を背景に生産能力の増強を進めるとともに、バイオ医薬品向けの高性能グレードを開発するなどラインアップ拡充に注力する。バイオ医薬品の市場は今後さらに拡大するとみられ、セルファインをライフケミカル製品事業の収益の柱に成長させる考えだ。

韓国の石化産業 APIC2025報告から〈上〉

化学品輸出依存は継続 構造改革と高付加価値化必至

韓国と台湾の石油化学産業はかつてアジアの石化製品の供給源の役割を担い、その規模を拡大させてきた。しかし、中国や中東の大増設により輸出玉は行き場を失い、プラント低稼働と損益悪化に喘いでいる。24年を底に25年は回復を期待する向きはあるが根拠に乏しい。ポリオレフィンをはじめ誘導品で過剰能力を抱えるなか、まずは自らで構造改革を図り、事業ポートフォリオの高度化を実現しなければ今後の生き残りの道はない。日本の石化産業の構造改革をモデルとする声も高まっている。アジア石油化学工業会議(APIC2025)のカントリーレポートから韓国と台湾の石化産業の今を見る。

  • DIC・・・藻類、暗所培養技術を開発 光合成なしに細胞分裂
  • 積水化学工業・・・超純水配管 PFASフリーにメド 提案本格化へ
  • クラレ・・・PA9T EV向け拡販に弾み 900㌾でUL認定
  • ポリプラスチックス・・・セルロース長繊維強化樹脂 包装資材に採用実現 CO削減に寄与
    ポリプラスチックスはは、長繊維強化樹脂「プラストロンLFT」の環境対応グレードであるセルロース長繊維強化樹脂で、浅川組運輸の梱包資材「エムネジ」に採用を実現した。使用された樹脂はポリプロピレン。
    写真=セルロース長繊維強化樹脂を使用した梱包資材「エムネジ」

 

  • 帝人フロンティア・・・佐川急便などとユニホーム循環
  • 三井化学ファイン・・・体温で柔らかくなる素材がまくらに
  • エフピコ・・・水平リサイクルでカノーと協業強化

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  • バイオものづくり 研究成果 次段階に 効率・コスト 社会実装へ課題

    NEDO事業の「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」、いわゆるバイオものづくりに関する委託研究が20年度のスタートから5年が経過し相次ぎ成果を上げている。産官学の多彩な顔ぶれによるプロジェクトにはプロセスのグリーン化やバイオ関連で事業の高度化を目指す化学関連企業も参画。ここにきて開発は次の段階に移り、最終の26年度に向けて取り組みをさらに加速させる。【写真】GEI茂原の関東圏バイオファウンドリーで稼働する3千㍑発酵槽
  • 日本化薬・・・アニオン交換膜、今期サンプル供給 グリーン水素製造用
  • 三井化学と中国塗料・・・アンモニア運搬船にバイオエポキシ塗料
  • ポリプラスチックス・・・台湾LCP窒素循環設備を導入 CO排出大幅減

    ポリプラスチックスは台湾の高雄工場に液晶ポリマー(LCP)の新系列と併せて窒素循環設備=写真=を導入した。台湾政府の台湾産業革新プラットフォームプログラムで補助金対象設備に認定され、年間のCO排出量を従来比で約1万㌧削減できる見通し。
  • 東レリサーチセンターと積水化学工業・・・次世代2次電池評価試験で連携
  • 大日本印刷・・・モノマテ包材向けアルミ蒸着フィルム
  • 大日本印刷・・・脱アルミ可能なPPフィルム開発
  • TOPPANなど6者・・・プラ容器包装CFP算定ルール策定へ
  • カーボンブラック協会・・・5月のカーボンブラック実績
  • 化学製品値上げ
    ・タキロンシーアイ・・・ジッパーテープ製品を8月1日出荷分から13・5%以上値上げする
  • エンジニアリング協会・寺嶋新理事長・・・人材確保・育成に力
    エンジニアリング協会の新理事長に就任した寺嶋清隆氏(日揮ホールディングス副社長)=写真=は「個社としての対応が困難な課題に対して協会として取り組んでいく」と抱負を語った。石倭行人前理事長(日鉄エンジニアリング社長)の任期満了に伴うもので、任期は2年。「社会課題解決へ貢献と人材の確保・育成への取り組みを一層強める」との考えを示した。
    エンジニアリング業界の主な懸念事項は①資機材・建設費の高騰②働き方改革による業務遂行への影響③人材獲得競争の激化―の3点。うち資機材・建設費高騰への対応として4月に「契約金額・工期とリスク分担に関するお願い」を発表し、近年の劇的な事業環境変化に対応する協力を需要業界に求めた。
    人材確保・育成に向けて「エンジニアリング産業は技術を集約・統合するもので、社会課題解決への貢献度は高い」と強調。「業界の使命や重要性、将来性、魅力を学生や業界の若い人に発信しやりがいを感じてもらう」と意気込みを語った。

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クラレ・・・車用PA9T 世界で採用進展

主要顧客で評価浸透

クラレはポリアミド9T樹脂(PA9T)「ジェネスタ」の車両用の拡販を世界規模で加速させる。先行して採用が進んだ電子・電装部品や摺動部品向けに続き、顧客評価段階だった熱マネジメント部品や高電圧部品向けも国内外で本格採用され始めた。車両の電装化や電動化が進むなか、これに対応できる高度な物性が多くの顧客に認知され、タイの新系列稼働によるBCP対応の強化も評価された。30年ごろには電気・電子用に続く大きな柱に拡大する見通しだ。

  • 東海カーボン・・・ブリヂストンのタイ子会社買収
カネカ・・・ペロブスカイト太陽電池 30年メド社会実装

セル変換効率 32.6 %を達成

カネカは次世代型太陽電池として開発中のペロブスカイト太陽電池を30年までに社会実装する計画だ。
カネカは物性の異なる半導体を接合させ変換効率を高めたヘテロ接合太陽電池を手がけ、住宅用や車載用に展開している。同太陽電池で発電層に使われるヘテロ接合結晶シリコンをペロブスカイトの発電層と組み合わせたタンデム型の高性能・高信頼性セル、モジュールを開発中で、これまでに面積1平方㌢㍍のタンデムセルでセル変換効率32・6%を達成した。ペロブスカイト太陽電池の課題である耐久性と耐候性も解消する。

  • カネカ・・・還元型CoQ10ハラル認証取得
  • クラレ・・・シンガポールに技術拠点 ポバール・EVOHや活性炭提案 9月開設
  • 住友ベークライト・・・フェノール樹脂成形材 高摺動・耐熱品拡充
  • 東レリサーチ・・・ナノスケールで赤外分光を分析
  • Daigasガスアンドパワーソリューション・・・袖ケ浦バイオマス発電所が商業運転 発電所は袖ケ浦市の旭化成千葉工場内に建設された
  • JSP・・・欧州の射出成形関連2社を完全子会社化
  • レゾナックと東北大学・・・SiC再生本格検討
  • 三菱ガス化学・・・核酸医薬創出へ VISと研究契約
  • 日本触媒・・・核酸医薬品研究開発 理科大と再委託契約
  • 阪和興業・・・タイヤ熱分解タイ社に出資
  • BASF・・・XPS断熱材事業 BACHLに売却

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