石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

三井化学・・・海外拠点に開発機能移管

現地対応力強化 知財管理にも対応

三井化学は、地政学リスクへの対応策として単なる地産地消の枠組みを超えたグローバルな技術戦略を推進する。各地域の特性やニーズに見合う開発機能を拡充し、市場調査から製品設計・開発、事業化に至るまでの一貫体制を構築することを視野に入れ、ICT、モビリティ、ライフ&ヘルスケアの成長3領域で基盤強化を図る。

  • 東邦化学工業・・・界面活性剤、事業収益性を改善 上海工場 増強し日本から移管
  • 三菱ケミカルとENEOS・・・廃プラCR、茨城で設備竣工 今期中に商業運転開始

    竣工式でテープカットに臨む三菱ケミカルの筑本学社長(左から3人目)、ENEOSの山口敦治社長(同4人目)ら

  • 東邦化学工業・・・電子情報材、中核事業化を推進 千葉第2期増設26年末竣工
  • 日本化薬・・・感熱顕色剤 非フェノール系に力 法規制に応え世界へ
  • 三菱ガス化学・・・天然水素ヘリウム 豪開発新興に出資

新社長インタビュー ユニチカ 藤井 実氏

事業再生計画を完遂
高分子軸に収益改善へ
「昨年11月に公表した最大5年間の事業再生計画を完遂する。この一点に尽きる」
こう抱負を語るのはユニチカの社長に4月末に就任した藤井実さん。同社は旧経営陣が経営不振の責任を取って退任、官民ファンドの地方経済活性化支援機構(REVIC)などから取締役を受け入れた。藤井さんは取締役の中で唯一のプロパーである。
「業績改善に向けた事業再生計画はステークホルダーに大変な負担をかけるものであり、計画を何が何でもやり抜くことで経営再建を実現し、皆さまの期待に応えたい」と意気込む。
採算改善が困難と判断して撤退を表明した祖業の繊維事業の譲渡はおおむね道筋をつけた。6月にセーレンやカワボウなど譲渡先が続々と決定した。いずれも譲渡額など詳細を詰め8月初めに最終契約を締結し、12月末に譲渡手続きを完了する予定。

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 積水化学工業・・・再生療向け資材に参入 細胞培養プレートを発売

積水化学工業は再生医療用のiPS細胞などの培養を安定的に実現する細胞接着ポリマー「Ceglu(セグル)」をコーティングした細胞培養プレート=写真=を6月30日から国内で発売し、再生医療向け資材事業に参入した。今後、細胞培養プレートとセグルのコーティング溶液をグローバルに展開し、30年度に売上高50億円以上を目指す。

  • 日鉄ケミカル&マテリアル・・・新規標識粒子を開発 診断薬用 金ナノ粒子代替へ
  • 東亞合成・・・米の合弁を単独運営へ 瞬間接着剤 幅広い分野で強化
  • 三洋化成工業・・・添加剤、EV駆動部向け発売 耐焼き付き・絶縁性向上
    三洋化成工業は潤滑油添加剤「アクルーブ」シリーズの新製品として、電気自動車(EV)の駆動ユニット「イーアクスル」向けの潤滑油(イーフルード)に少量添加することで優れた耐摩耗性や耐焼き付き性を発揮するポリマー添加剤「アクルーブNS―100」=写真=を開発した。今夏から国内外の潤滑油メーカー向けの本格販売を開始する。

 

 

  • ダイセル・・・こんにゃくセラミドで睡眠の質向上を確認
  • UBE・・・漁網由来ナイロン繊維が制服に採用
  • グンゼメディカル・・・皮膚科向け紫外線治療装置販売開始
  • 三井化学・・・高酸素透過性細胞培養プレート発売
  • エフピコ・・・水平リサイクル2社と協業強化
  • 帝人フロンティア・・・衣料用PU不使用ストレッチ生地開発
  • 三井化学・・・廃プラ分解油技術 NEDOに採択

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 三井化学・・・研究開発で競争力強化 DSLフル活用
  • 日本化学繊維協会・・・会長に帝人・内川社長 中期活動総仕上げ
  • 東レ・ホンダなど・・・車再生材利用拡大へ発起人6社で協議会

UBEエラストマー 横尾尚昭社長に聞く

新グレード開発推進
市場は値差縮小 価格低下が進展 黒字確保へ全力
UBEエラストマーは21年10月に宇部興産(現UBE)のブタジエンゴム(BR)事業の分社化による設立から3年半が過ぎた。製造・営業・研究開発の一体運営でスピーディーな意思決定と組織間コミュニケーションの向上を図り、製品のスペシャリティー化と安定供給、コスト低減に努め増収増益を続けてきた。25~30年度の中期経営計画ではスペシャリティー事業として安定収益の確保を目指す。厳しい需給環境と不透明感が続く状況のなか、横尾尚昭社長に今後の施策を聞いた。
 ―24年度は前期比増収増益でした。
原料ブタジエン価格の上昇による製品価格アップで129億円の増収、為替が円安、バーツ安で推移し19億円の増益となったが、増益の実感はない。厳しい事業環境は続いている。

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 財務省貿易統計・・・2025年5月石化品輸出実績、2025年5月石化品輸入実績
  • 日本ソーダ工業会・・・2025年5月カセイソーダ出荷内訳
  • 日本プラスチック板協会・・・5月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、5月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、5月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • ACP7月・・・ベンゼン760㌦に反騰
  • 化学製品値上げ
    ・出光ファインコンポジット・・・オレフィン系合成樹脂複合材料を8月1日納入分から1㌔㌘13円以上値上げする。

THE PETROCHEMICAL PRESS

ポリプラ・ エボニック・・・PEEK歯科材など

独自製品 新工場で増産拡販

ポリプラ・エボニックは事業拡大に向け姫路市内で年内に立ち上げる新工場を活用し、注力する領域への展開を加速させる。新工場は分散していた生産、研究開発、品質保証の機能を集中させ、顧客対応の迅速化といったシナジーを最大化させる。拡張スペースも確保し、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の歯科材料やポリアミド(PA)系偏光フィルムといった独自製品の増産を検討中だ。その実現に向け国内外で販売を強化する。

  • UBE・・・人事育成管理、DXで最適化 新システム導入
  • 出光興産・・・エンプラ・粘接着基材 世界展開を加速 改革完了 再成長へ提案力強化

嶽間澤英樹執行役員 先進マテリアルカンパニー機能化学品部長

出光興産はここ数年で機能化学品の不採算事業を撤収、筋肉質な事業体制を整えた。企画立案から実施までを舵取りし1日付で執行役員に就任した嶽間澤英樹機能化学品部長に、改革の先に見つめる再成長の道筋を聞いた。
機能化学品部が先進マテリアルカンパニー直下の1組織として配置され3年が経過した。その間、アクリル酸と同ブチル、国内の水添石油樹脂やビスフェノールA、接着性特殊ポリオレフィンなどの事業から撤退した。現在手掛ける事業は大きく四つ。台湾の合弁で製造する高機能ポリカーボネート(PC)と、千葉とマレーシアで製造するシンジオタクチックポリスチレン(SPS)のエンジニアリングプラスチックが最大の商材だ。また、徳山の水酸基末端液状ポリブタジエンや台湾合弁で扱う水添石油樹脂などの粘接着基材、写真感光体用の特殊PCや導電性コート剤などの電子材料系製品、MEKに代表される溶剤系事業を展開。それぞれサプライチェーンや市場環境が大きく異なり、統一的な戦略は描きにくい。嶽間澤さんは「4事業それぞれで再成長に向けた戦略を分析

  • 旭化成ホームプロダクツ・・・料理用品ブランド、ライオンから買収
  • 東洋紡・・・無菌注射剤受託製造 大津に新設備竣工 年明け稼働
  • ダイセル・・・エクソソーム単離精製システム提案
  • 東洋インキ、DICグラフィックス、サカタインクスの印刷インキメーカー3社・・・首都圏で共同配送 11月から
  • テクノUMG・・・伊藤忠エネクスとバーチャルPPA
  • MUアイオニックソリューションズ(MUIS)・・・LIB高容量化技術特許ライセンス拡大
  • 大倉工業・・・駐在員事務所 上海市に開設
  • レゾナック・・・フッ素化合物子会社を売却
  • 三菱ケミカル・・・人工芝子会社を譲渡

最近の記事一覧石油化学新聞一覧