石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

三菱ケミカルグループ・・・炭素繊維、29年度9割増収へ

車中間材・成形品に力 生産能力適正化も

三菱ケミカルグループは炭素繊維事業で現在主力の原糸を販売する「糸売り」ビジネスから付加価値の高い川下の複合材料(CFRP)中間材・成形品ビジネスにシフトし、収益性を高める。領域別では成長分野の自動車などモビリティ用途を拡大する。29年度に炭素繊維事業の売上収益を24年度見込み(1130億円)比9割増の2120億円に引き上げる計画だ。生産能力の適正化も進める。

出光興産・・・収益改善進む機能化学品

4分野で構造改革進捗 化学技術、次世代事業に反映

出光興産の化学品事業は、徳山事業所のナフサクラッカーのトラブルやパラキシレン(PX)のアジア市況の軟化などで厳しい局面を強いられる一方、機能化学品は適切な価格戦略に加え、4分野の構造改革が進展したことで収益性が改善されつつある。技術にこだわりを持つ同社は石油化学で培ってきた技術を次世代事業に反映させてきた。サステナブルな社会の実現に向けて責任ある変革者としての挑戦を続ける。

安定操業が望まれる徳山のナフサクラッカー

エチレン供給能力の最適化に向けて同社は業界に先んじて千葉事業所のナフサクラッカーを27年度に停止することを宣言した。千葉地区の統合運営パートナーである三井化学の装置に集約し、生産能力を適正化。稼働率向上による競争力の強化を目指す。

  • 日本化薬・・・色素材料 IJは産業用に力 成長分野の拡大加速
  • 石油化学工業協会・工藤幸四郎会長・・・エチレン生産、年500万㌧時代に逆行 競争力強化へ4項目
  • JSR・・・合成樹脂部門は下期業績改善へ
  • 石油化学工業協会・・・10月の石化製品生産実績

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東洋スチレン、デンカ・・・PSケミカルリサイクル 実証設備26年フル稼働へ

水平リサイクル実現

ポリスチレン(PS)国内大手の東洋スチレンと親会社のデンカは、3月に年間処理能力3千㌧のPSケミカルリサイクル(CR)の実証プラントをデンカの千葉工場で稼働させた。まずはPS加工工程で発生する端材などポストインダストリアル材を投入して得られるリサイクルスチレンモノマー(SM)の評価に取り組み、年明けにはそれを原料に生産した再生PS「リフレッシュPS」のサンプル提供を開始する。一般消費者が廃棄するポストコンシューマー材の投入も始める予定。25年度から本格稼働に入り、26年度にフル稼働を目指す方針だ。

  • 住友化学・・・GaN on GaNウエハー、NEDO案件で開発加速
  • 産業技術総合研究所・・・エポキシ樹脂、化学分解しビスA回収 CRに新たな道筋
  • 東レ・・・RO膜、半導体向け超純水製造 尿素除去2倍に
  • ダイセル・・・3D構造物を万博へ 酢酸セルロース 生分解性で世界最大

    3Dプリント品の外観

    ダイセルは、同社の酢酸セルロース樹脂「CAFBLO」を3Dプリントした大阪・関西万博の会場敷地内に施設提供される構造体を完成させた。同樹脂は天然由来素材で生分解性を持つ。構造物は10月に「生分解性樹脂を構造材として一体造形した、世界最大の3Dプリント建築」としてギネス世界記録に認定された。 構造体は同社が協賛・協力し、竹中工務店が万博会場敷地内の「大地の広場」で8月から3Dプリンターを用いて建築を進めている「森になる建築」向け。外装材は手すきの和紙などと植物により構成され、来場者が休憩などに使う仮設建築物として提供される。

  • 住友ベークライト・・・半導体PLP対応のエポキシ封止材量産
  • 東レ・・・シルク調ポリエステル生地最上位品を発売
  • ダウ日本グループ・・・千葉でLGBTQ+支援イベント開催

    レインボーカラーのコンナの前で記念写真に納まダウ・東レと東レ千葉工の従業員ら

    ダウ日本グループはデンマークの海運大手マースクと協働し、ダウ・東レの千葉工場・研究所(千葉県市原市)に多様性を象徴するレインボーカラーのコンテナを設置し、多様性の重要性と性的少数者(LGBTQ+)コミュニティーへの連帯を示すイベントを、15日に開催した。レインボーコンテナは、多様性の重要性とLGBTQ+の支援を訴えるために、マースクが20年に導入。D&EI(多様性、公平性、受容)の象徴として世界各地を航海し、同じ考えを持つ企業と同様のイベントを開催している。 今回、ダウ日本グループとマースク、東レの千葉工場の従業員から募った寄付物資、子供向け衣料や文房具など段ボール67個分を、レインボーコンテナを使ってフィリピンの子供達に届ける。

  • DIC・・・カラー&ディスプレイ(C&D)事業が好転
  • レゾナック・・表面保護フィルムをサンエー化研に譲渡

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  • ポリプラスチックス・・・POMとLCP、増産機に成長加速 中台で新系列稼働
  • ポリプラスチックス・・・独のCOC新系列26年度上期に稼働
  • 大阪ソーダ・・・医薬精製用 シリカゲル再増設検討
  • 大阪ソーダ・・・松山のアクリルゴムデボトル増強を完了
積水化学工業・・・25年度中計達成 射程に サステナ貢献製品 売上高1兆円「確実」

機能プラ 成長加速へ積極投資

タイの中間膜新ライン(完成イメージ)

積水化学工業の業容拡大が続いている。住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスの3カンパニーの収益が着実に伸びライフサイエンスも順調。21年度から4期連続で増収増益となり、24年度は売上高と営業利益が最高の業績を収める見通しだ。現行の23~25年度中期経営計画の目標値である売上高1兆4100億円、営業利益1150億円の達成を射程に入れる。

  • プラスケム・・・タイでPE/米でPP バイオ品生産計画
  • DIC・・・ケミトロニクス、拡大基調を持続 工業テープ急増
  • カネカ・・・高砂新設備、生分解性ポリマー1~3月期稼働へ
  • 東ソー・・・CO回収・原料化 東ソー南陽で稼働
  • 旭化成・・・AN、タイから撤退 日韓に集約
  • 大倉工業・・・福田氏が社長昇格

大倉工業は福田英司取締役専務執行役員が25年元日付で社長に昇格するトップ人事を決めた。神田進社長は代表権のある会長、髙濵和則会長は取締役相談役に就く。社長交代は18年3月以来、約7年ぶり。25年度から新中期経営計画がスタートするのに合わせ経営体制を刷新する。

福田英司(ふくだ・えいじ)氏 93年香川大学経済学部経済学科卒、大倉工業入社。09年執行役員、21年取締役執行役員、23年取締役常務執行役員、24年取締役専務執行役員。香川県出身、55歳。

  • PETボトルリサイクル推進協議会・・・PETボトルリサイクル率、前期85%に下降も水平展開4.8㌽増加
  • 石油化学工業協会・・・10月の汎用4樹脂の出荷実績
  • 塩ビ工業・環境協会・・・10月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 日本スチレン工業会・・・2024年10月受払表
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS国内出荷
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2024年10月のPSP出荷実績
  • カーボンブラック協会・・・9月のカーボンブラック実績
  • 化学製品値上げ
    ・レゾナック・・・25年元日納入分から液化アンモニアを1㌔㌘20円以上、同容器詰めを30円以上、アンモニア水(25%濃度)を5円以上値上げする。

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