石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東レ・カーボンマジック(TCM)・・・CFRP成形で大型受注

競技用自転車が日本代表に採用

F4レースカーは国内選手権へ

奥明栄社長と競技用自転車「V―IZU」


東レの子会社で炭素繊維複合材料(CFRP)成形を手がける東レ・カーボンマジック(TCM、滋賀県米原市)は二つの大型受注を獲得した。一つは競技用自転車「V―IZU」で、自転車トラック競技の日本代表チームに採用された。もう一つはフォーミュラカー「F4」の車体「MCS4―24」で、24年シーズンから全日本選手権に登場する。今後も軽くて強いCFRPの成形業界を優れた設計・量産・組み立て技術でリードする。

この人に聞く 2024化学品動向 押出法ポリスチレンフォーム

デュポン・スタイロ社長 有友 完氏

住宅用断熱材 省エネ義務化が追い風
用途拡大 付加価値提供で成長を
―23年の新設住宅着工戸数は前年比4・6%減の82万戸弱と3年ぶりに減少し、押出法ポリスチレンフォーム(XPS)の使用量が比較的多い持ち家は2年連続の2ケタ減となりました。戸建て住宅の断熱材向けを主力とするXPSの昨年の市場動向は。
XPSの出荷量は減少したものの、減少幅は住宅着工戸数よりも小さく、出荷額としては原材料価格や物流費といったコスト上昇分の価格転嫁に加えて高付加価値品の拡大もあり、微減にとどまった。住宅着工戸数は少子化の影響もあって漸減傾向が続いているものの、1戸当たりのXPS使用量は高断熱化のニーズを追い風として増加する方向だ。また、高付加価値品として単位容積当たりの断熱性を高め、薄肉でも高い断熱性を実現できるタイプなどが拡大した。ビル( RC造)や冷凍・冷蔵倉庫向けといった住宅用以外の用途が堅調だったことも下支え要因となった。
―住宅用以外の用途は。

  • 日東紡・・・低誘電ガラス、次世代品を今期量産化 5G向けに拡販
  • 三井化学・・・市原のフェノール停止 石化再構築 第2幕に本腰
  • UBE・・・PA製廃漁網を車両部品へ再生

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東レ・・・下水再利用、インドで実証設備 5月稼働

省エネ水処理膜拡販へ

東レは、インド南部のチェンナイ市で自社の水処理膜を用いた下水再利用実証プラントを建設し5月にも稼働する。下水から良質な再生水を得ることが可能な省エネルギー型下水再利用システムのパイロット実証を約1年半がかりで行い、水需要が拡大する同国で省エネ型水処理膜の拡販につなげる。27
年度以降に同国での下水再利用向け水処理膜で売上高10億~20億円を目指す。

トクヤマ・・・水素化マグネシウムを量産化

水素キャリア向け バイオコークと協業

水素キャリアとしての展開が有望視されるMgH2タブレット

トクヤマは次世代水素キャリアとして注目される水素化マグネシウム(MgH)の量産化に乗り出した。バイオコーク技研と協業し、手軽で安全な水素活用を実現するイノベーションの早期社会実装を目指す。
トクヤマは徳山製造所に水素化反応器を導入した。電解プラントで塩素とカセイソーダを生産する際に副生する水素を原料に使用。もう一方の原料であるマグネシウムは、バイオコーク技研が加工した活性Mgタブレットを持ち込み、それに水素を吸着させることでMgHタブレットを製造。量産規模として年産30㌧の目標を掲げる。

  • 東ソー・・・CRにCNFを複合 新品種、伝動ベルトに採用
  • レゾナック・・・AI半導本材料を増強 絶縁接着材と放熱シート
  • 三井化学・・・ICT特化の子会社 フィルムの競争力強化へ
  • SABIC・・・熱可塑性PIの新製品でMLA用へ
  • ダウ・・・ジャガーTCSとEV素材で連携延長

    フォーミュラE東京に参戦したジャガーTCSーシング

  • 東洋紡エムシー・・・モビリティ事業で新組織を立ち上げ
  • 東レ・・・半導体接合向け絶縁樹脂を開発
  • 帝人とアクセリード・・・創薬研究支援の新会社が事業開始
  • 三菱ケミカルグループ・・・横浜の研究拠点が「WELL」認証

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積水化学工業・・・熱硬化樹脂新開発

半導体高性能化に貢献

25年度上市めざす
積水化学工業はフラックスとアンダーフィル機能を兼ね備えた熱硬化樹脂「エポキシフラックス」を開発した。25年度の上市を目指す。同社のコア技術、樹脂設計技術を半導体関連材料に応用した。高性能化が求められる先端半導体向けに供給する。

  • 化学6団体・・・物流適正化計画 荷役作業2時間内に
  • 日本ソーダ工業会・・・2024年2月カセイソーダ出荷内訳 経済産業省 今期年産400万㌧回復見込む
  • 日本プラスチック板協会・・・2月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、2月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、2月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績
  • 日本プラスチック工業連盟・・・1月のプラスチック原材料の在庫月数
  • ベンゼン4月ACP・・・5㌦高の1070㌦
  • 化学製品値上げ
    ・日本ポリエチレン・・・PEを15円以上
    ・日本ポリプロ・・・PPを15円以上
    ・三菱ケミカルグループ・・・OPSを20円以上
    ・東ソー・・・PEを10円以上
    ・積水化成品工業・・・PSPを32円以上
    ・大倉工業・・・合成樹脂10%以上

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日本化薬・・・触媒事業の体質強化

年商 100 億円超確保へ

日本化薬は触媒事業で売上高100億円以上を安定確保できる体制を目指す。同事業はアクリル酸とメタクリル酸の製造用を柱とし、中国を主要市場とする。厚狭工場(山口県)では基盤強化に向け触媒実験棟やパイロット試験設備の増強を進めており、これらを有効活用して顧客要求に沿った触媒の開発を強化する。中国では24~26年に顧客先で複数の新プラント稼働が計画される。これを好機として顧客への提案を加速し25年度以降に目標を実現する考え。

  • 帝人・・・フォーミュラE前夜祭で公約 カーボンポジティブに

    パネルディスカッションに参加した内川哲茂社長(左端)ら

  • ダイセル・・・半導体工程材料、戦列拡充、提案強化 顧客を包括サポート
  • 住友ゴムやADEKA・・・硫黄系電池事業化へ 研究会を発足
  • ADEKA・・・3ヵ年中計 営業益530億円に 半導体材料に積極投資
  • アクリルグッズ等再生利用促進協議会・・・アクリル再生へグッズ回収

    イベントを盛り上げたWOLF HOWLHARMONYのメンバー

三菱ケミなど 若年層向け啓発企画
三菱ケミカルなど8社が参画するアクリルグッズ等再生利用促進協議会は3月29日、東京・神田明神で来場者から不要となったアクリルグッズを回収するイベント「アクリル感謝祭2024in神田明神」を開いた。若い世代へのアクリルグッズのリサイクル意識浸透が目的で、昨年3月に続く2回目。

  • JERA・・・アンモニア20%混焼碧南火力で実証開始
  • レゾナック・・・LIBバインダートヨタのHEVに
  • 帝人・・・イヌリン摂取でコロナ感染死抑制 協力先と効果確認
  • クレハ・・・熱収縮多層フィルム24年度中メドに撤退

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