
石油化学新聞 5477号(2026.3.30)
THE PETROCHEMICAL PRESS
- デンカ・・・導電性高分子など 新事業候補10テーマ 27年度以降に事業化
デンカは、30年度以降に大きな成長の可能性がある新規事業候補10テーマを選定した。27年度から29年度までに導電性高分子や次世代高放熱フィラーなどを順次事業化する計画で、持続的な業績拡大につなげる考えだ。 - 三井化学・・・ライフ&ヘルスケアソリューション(L&HC)領域 第3の柱創出急ぐ
- 石油化学工業協会・工藤幸四郎会長・・・クラッカー、「低稼働でも供給維持」調達先の多角化急務
- 東レ・・・新中計「成長を再点火」 28年度に事業利益2300億円
長期経営方針も発表
東レは26年度から3年間の新中期経営課題(中計)「IGNITION2028」を発表した。会見した大矢光雄社長=写真=は「成長力の回復や事業ポートフォリオの変革は道半ばだ。成長戦略と構造改革の質と確度を高め、次の3年間で成長を再点火する」と強調した。
重視する投下資本利益率(ROIC)は28年度に約7%(25年度見込み約5%)を目指し、自己資本利益率(ROE)は約8%(同約5%)に引き上げる計画。これらを前提とする売上収益は3兆円(同2兆6千億円)、事業利益は2300億円(同1500億円)で、いずれも過去最高を更新し「収益性と成長の両立を図る」。 収益改善を目指した構造改革「Dプロ」と価値創出力強化を目指した価格施策「戦略的プライシング」は25年度までに22年度比で合計400億円以上の増益効果を上げ、新中計でも継続する。
事業ポートフォリオ変革に当たり成長性、収益性、競争力に時間軸を加えた視点から各事業の位置付けを4象限に分類。高成長・高収益のコア成長事業には衣料用繊維・テキスタイル・縫製品一貫型、自動車エアバッグ基布、車載コンデンサー用OPPフィルム、電子部品関連フィルム、電子情報材料、航空機と宇宙・防衛用炭素繊維複合材料、水処理膜の各事業を組み入れた。需要増に対応して実行済みまたは推進中の増産投資を刈り取る。
- トクヤマ・・・セメント事業譲渡 太平洋セメントに370億円
- 東京応化・・・郡山市で用地取得 将来へ基盤強化
- 東レとユニクロ・・・革新的ライフウエア創出へ5期戦略提携
<特集>需要高まる化学 企業の電子・情 報材料〈上〉 (2~3面)
エレクトロニクス分野が化学企業にとって主要市場の一つであることは言うまでもない。化学技術を駆使した日本発の電子・情報材料は、高い機能や信頼性などが評価され、最終製品の高度化・多機能化や軽薄短小化、世界的な普及に不可欠なものとして広く浸透している。その領域は多岐にわたり、需要はおおむね好調だ。足元は生成AIの普及に伴う半導体関連の需要増に加え、デジタル化の流れ、通信インフラの高速化、ディスプレイ市場の成長、「CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)」をキーワードとする自動車産業の変革などが材料の需要拡大を後押しする。化学企業はこうしたニーズを取り込もうと、顧客と連携した開発などに注力している。各社の事業拡大に向けた取り組みを紹介する。
UBE
- PI売上高 年度に5割増へ
- ワニスが牽引 新製品で市場拡大
東ソー
- 有機薄膜トナンジスタ 印刷型材料開発へ
- 電子ペーパー向けに提案
積水化学工業
- 半導体材料 専門チームで横断提案
- AI・先端パッケージに商機
帝人
- アラミド繊維 海底送電線向け開拓
- 洋上風力発電普及追い風に
DIC
- 半導体用次世代材料 フェーズ2で実績化
- 先端市場で技術戦略を加速
ダイセル
- スマートSBU、半導体関連に重点
- 機能フィルム、グループ力で差別化
日本化薬
- 機能性材料 半導体製造関連に力
- 色素材料 開発力生かし市場拡大
<特集>岐路に立つアルコールケトン業界
アルコールケトン業界が岐路に立たされている。幅広い領域の産業用途や生活資材に不可欠な中間素材であるが、中国の新増設による需給バランスの緩和で収益性が低下。
生き残りをかけた構造改革を志向し始めた矢先に中東情勢が緊迫化し、先が読めない状況にある。メーカー各社は製品供給に最大限努力し、市場の回復を待つ。
- MEK
メーカー各社 定修と原料確保懸念
需要 底堅さも回復不透明
- IPA
内需安定 グラビアインキ用軸に
高純度品 先端半導体向けで好調
- アセトン / MIBK
需給バランス 構造改革後も緩和続く
MIBK 内需2万㌧割れに減少
- オキソアルコール
原料高騰に機敏な反応
中東情勢睨み 供給維持に全力
THE PETROCHEMICAL PRESS
- クラレ・・・車両用PA9T 国内外で採用本格化 成長の牽引役に
クラレは、材料評価期間を経て採用が本格化してきたリアミド9T樹脂(PA9T)「ジェネスタ」の車両用を世界で拡販する。良好な物性バランスが浸透し電子・電装部品向けに加え、熱マネジメント部品向けなどでも採用が活発化してきた。タイの新系列稼働に伴う安定供給体制への評価から、国内だけでなく海外の顧客向けでも採用が進んでいる。車両の電装化・電動化が進むなか、これを追い風と捉え、グローバルに市場を広げる方針。 - 大倉工業・・・中国パネル大手と光学フィルム合弁
- 日本化学工業協会・岩田圭一会長・・・中東情勢緊迫 「安定供給維持へ全力」代替調達、在庫活用も
- 日本化学工業協会・・・CFP算定指針改定 バイオマスなどにメス
- リケンテクノス・・・樹脂コンパウンド 軽量と高難燃両立
- カネカ・・・タンデム型PSC 屋外実証スタート、さいたま市で
- 日華化学・・・衣料向け非フッ素撥水剤事業を取得 ケマーズから
- 積水ソーラーフィルム・・・PSC営農発電 水田で3年検証
- UBE・・・治療薬候補化合物 杏林にライセンス
- 三洋化成工業・・・匂いセンサー体系化 2方式4タイプに
- エフピコ・・・PETボトル循環 兵庫県3市と連携
- 化学品ワーキンググループ・・・同一コンテナで鉄道連続輸送可能性確認
- 石油化学工業協会・・・2月の石化製品生産実績、2月の汎用4樹脂の出荷実績
- 塩ビ工業・環境協会・・・2月のPVC、VCMの生産・出荷
- 日本スチレン工業会・・・2026年2月受払表
- 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・2月のOPP・CPP出荷実績
- 日本プラスチック板協会・・・2月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、2月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績、2月のポリカーボネート
平板・波板生産出荷実績 - 化学製品値上げ
・三井化学・・・18日納入分にさかのぼりポリウレタン原料を1㌔㌘110円以上値上げする。対象はTDI、MDI、PPG、POP。
・三菱ケミカル・・・メチルメタクリレート(MMA)とメタクリル酸(MAA)、メタクリル酸エステル(BMA、HEMAなど)を20日納入分から70円以上値上げする。
・東ソー・・・ポリエチレン(PE)を4月1日納入分から1㌔㌘90円以上値上げする。
・日本ポリエチレン・・・PEを4月1日納入分から1㌔㌘90円以上値上げする。
・日本ポリプロ・・・ポリプロピレン(PP)を4月1日納入分から1㌔㌘80円以上値上げする。
・クラレ・・・ポリビニルアルコール(PVA)樹脂の北米・中南米向けを21日出荷分から1㌔㌘30㌣以上値上げする。
・クラレ・・・4月16日出荷分から水添スチレン系エラストマーとブロック化エラストマーを1㌔㌘0・66㌦、液状ゴムとアルカリ水溶性ポリマーを2㌦値上げする。
・エムエーライフマテリアルズ・・・不織布とその関連製品を4月1日出荷分から35%以上値上げする。対象はスパンボンド・メルトブローン不織布、通気性フィルム、フィルター製品、形状保持繊維。
・JNC・・・オキソ誘導品群の値上げで当初1㌔㌘60円以上としていた上げ幅を90円以上に改めた。4月1日出荷分から実施する。
・JNC・・・酢酸を4月1日出荷分から1㌔㌘30円以上値上げする。
・カネカ・・・4月1日出荷分から樹脂改質剤、塩化ビニル樹脂(PVC)、変成シリコーン(MS)ポリマー、発泡樹脂製品、押出法ポリスチレンフォーム(XPS)を、同16日出荷分からポリイミド(PI)フィルム、光学用アクリル樹脂を値上げする。上げ幅は樹脂改質剤のうち耐衝撃性改良樹脂と耐熱性改良樹脂が1㌔㌘110円以上、耐衝撃性改良樹脂が75円以上、加工性改良樹脂が100円以上。PVCが35円以上、MSポリマーが120円以上、発泡樹脂製品の発泡ポリオレフィン製品と発泡性ポリスチレン樹脂が150円、XPSが40%、PIフィルムが20%、光学用アクリル樹脂が30%。
・エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル・・・4月1日納入分から無水フタル酸を1㌔㌘80円以上、コハク酸とフマル酸、これらのソーダ製品を50円以上値上げする。
・PSジャパン・・・ポリスチレン(PS)を4月1日出荷分から1㌔㌘90円以上値上げする。
・DIC・・・PSを4月1日納入分から1㌔㌘100円以上値上げする。
・東洋スチレン・・・PSを4月1日納入分から1㌔㌘90円以上値上げする。
・積水化成品工業・・・発泡PSビーズを4月13日出荷分から1㌔㌘110円以上値上げする。
・アールエム東セロ・・・包装用フィルムを4月1日出荷分から値上げする。上げ幅はポリオレフィンフィルムが20連(1万平方㍍)1200円以上、蒸着ポリオレフィンフィルムとバリアコートポリオレフィンフィルムが1400円以上。
