
石油化学新聞 5471号(2026.2.16)
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 日触テクノファインケミカル・・・アクリル酸亜鉛を可溶化
モノマーと液相共重合可能に
日本触媒子会社の日触テクノファインケミカルは、樹脂改質剤であるアクリル酸亜鉛の有機溶剤への可溶化に成功した。これでアクリル酸亜鉛と各種モノマーの液相共重合が可能となり、耐熱性などに優れる高機能樹脂が得られる。「可溶性アクリル酸亜鉛」を新しい樹脂改質剤として提案し、早期の実用化と拡販を目指す。 - クラレ・・・活性炭、欧米増産を今期決定 飲料水浄化で需要増
- クラレ・・・今期営業益、19%増の700億円予想 販売数量増や値上げが寄与
- スチレンモノマー・・・アジア需給タイト化 大型設備不調で市況反転
- カネカ・・・PVC、高砂と鹿島を増強 生産委託終了で
- カセイソーダ・・・内需の鈍化が懸念
- ダイセル・・・レジストポリマー、EUV用を9月稼働 既存設備改造で
オキソアルコールの構造改革
供給網全体で協議加速 KHネオケム 髙橋理夫社長「 今年前半にも方向性」
石油化学の構造改革の議論はナフサクラッカーの統合から誘導品の供給能力適正化に移行しつつある。プロピレンの川下にあるオキソアルコール(2エチルヘキサノール=2EH、ノルマルブタノール=NBA)もその渦中にある。国内最大のオキソメーカーであるKHネオケムの髙橋理夫社長はかねてオキソアルコール事業の抜本的改革の必要性を唱え、「まずは自社で出来ることを決め、川上・川下、同業他社とも協議を進める。方向性は今年前半にはまとめたい」と意欲を示す。

【写真】KHネオケムの四日市オキソアルコールプラント
危機感共有し適性能力探る
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 大倉工業・・・超高分子量PE、押出成形でフィルム PFASフリー用途へ
大倉工業は、超高分子量ポリエチレン(UHMW―PE)を用いた高耐摩耗フィルムを開発した。独自の加工技術により押出成形でのフィルム化に成功し、切削(スカイビング)フィルムと比べてピンホールや貫通欠陥のない高品質な製品を実現した。現在は開発段階として用途探索を進めており、高機能材料や有機フッ素化合物(PFAS)フリー材料としての展開を見据える。 - ポリプラスチックス・・・エンプラ微粉末、改質剤向けを拡大 POM、LCPに力
- エボニック・・・独でHTPBを増強 アジアでは新工場建設
- 東レ・・・柔軟PPS、難燃と耐熱を兼備 部品化コスト低減も
- カネカ・・・女性医療事業に参入 妊娠と出産をサポート
- 三洋化成工業・・・新社長に原田正大氏 信頼築き安定成長へ

原田次期社長(左)と樋口社長
三洋化成工業は次期社長に原田正大代表取締役専務執行役員が4月1日付で昇格するトップ人事を決めた。樋口章憲社長は取締役相談役に就任する。樋口氏は6月開催予定の定時株主総会で取締役を退任する予定。
「外部変化に強くサステナブルな会社にしたい。目指す姿はパートナーとともに成長すること。三洋化成らしく、界面でイノベーションを興し、必要不可欠な会社になる」。原田氏は社長就任会見でこう述べ、強い意欲を示した。
研究者としてキャリアをスタートしたが、自ら営業職を志願して浜松営業所に赴任。スズキ向けにポリウレタンシートシステムを売り込み、スズキのインド進出にも付き添った。「誰とでも仲良くなれる、というか仲良くなりたい」と人懐こい笑みを浮かべる。 - UBE三菱セメント・・・アンモニア混焼を開始 商業規模で世界初
- レンゴー・・・CNFがインキ用顔料分散剤に採用
- 日本ゼオン・・・化学研究効率化を推進 自動化の英国新興に投資
- アズビル・・・半導体関連回復でAA事業伸長期待
- イノアックコーポレーション・・・ウレタンフォームCR体制を確立
THE PETROCHEMICAL PRESS
- ハイケム・・・電子材料事業を拡大 4年で売上高1.5倍へ
- 塩ビ工業・環境協会(VEC)・・・PVCアワード、独自性光る15製品に 東リや義春刃物表彰
塩ビ工業・環境協会(VEC)などが主催する塩化ビニル樹脂(PVC)を用いた製品コンテスト「PVCアワード2025」の表彰式が東京・中央区の住友不動産六甲ビルで行われ、準大賞の東リ「環境対応タイルカーペットバッキング『サスティブバック』」、義春刃物「彫ると輝く彫刻アート『シャインカービング』(KIRIKOバージョン)」をはじめ優秀賞3 点、特別賞3点、デザイン賞2点、入賞5点の全15製品が表彰された。今回、大賞は該当がなかった。【写真】VECの藤井一彦会長(左から3人目)と東リ(左の2人)、義春刃物の田中淳也氏(右から3人目)ら受賞者

- 日本化薬・・・ファインケミカルズ事業領域、機能材・触媒が牽引 色材はIJ用が苦戦
- カネカ・・・タンデム型ペロブスカイト太陽電池(PSC)、GI基金事業に 28年度発売に弾み
- ソニーと三菱商事・・・バイオ由来再生プラAV向け供給網構築
- メタノール・・・横浜港でバンカリング

出光興産、横浜市、国華産業、商船三井、三菱ガス化学の5者は、横浜港の錨地(錨を下ろして停泊する場所)で船から船への国内初の燃料メタノールの供給(メタノールバンカリング)を実施した。6日に商船三井が運航し、三菱ガス化学が用船するメタノール二元燃料外航船「第七甲山丸」(載貨重量4万7960㌧)に、国華産業が運航するメタノール輸送内航ケミカルタンカー船「英華丸」(同1259㌧)から燃料供給した。三菱ガス化学が新潟工場で生産した国産バイオメタノールも含まれ、第七甲山丸の運行時に燃料として使用される予定。 - コスモ石油マーケティング、日揮ホールディングス、レボインターナショナル、サファイヤ・スカイ・エナジーの4社・・・SAF回収供給で下関市と連携協定
- 日本ABS樹脂工業会・・・ABS国内出荷、1月
- 発泡スチレンシート工業会・・・2026年1月のPSP出荷実績
- カーボンブラック協会・・・12月のカーボンブラック実績
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- UBE・・・PIワニス、水性品で市場拡大 LIB用、近く採用へ
- DIC・・・次世代にアートつなぐ 修復支援組織を発足
DICはアートを次世代につなぐことを目的に社内に専門組織を立ち上げ、美術品の修復支援活動に本格的に乗り出す。美術品には長期保存を可能にする高度な技術と知見が求められており、スキンケア分野の表面処理に関する化学技術を応用する。これらの取り組みをサステナブルな技術資産として確立させる。
DIC川村美術館(千葉県佐倉市)の25年3月の運営終了に伴い、所蔵品の一部を東京・港区の国際文化会へ移転する計画が進む。これを契機に、DICと国際文化会館はアートと建築を起点とした連携を深化させる協業プロジェクトを始動した。その象徴となるのが20世紀の米国美術界で抽象表現主義を代表する巨匠の一人、マーク・ロスコの巨大な壁画群を展示する常設展示室「ロスコ・ルーム」の設置だ。世界的な建築ユニット「SANAA」による監修も注目を集めている。 - カネカ・・・生分解ポリマー製人工芝 ナゴヤドームに採用 ミズノと共同開発

【写真】㊤生分解性人工芝が採用された外野フェンス前のウォーニングゾーン
㊦生分解性人工芝を前に(左から)角倉護副社長、真能秀久・ナゴヤドーム専務、尾崎徹也・ミズノ執行役員

カネカの生分解性バイオポリマー「グリーンプラネット」を使用した生分解性人工芝が、プロ野球中日ドラゴンズの本拠地球場バンテリンドームナゴヤ(名古屋市)に採用された。この生分解性人工芝はカネカとミズノが約4年間かけて共同開発し、ミズノが昨年製品化にこぎ着けた。ミズノの人工芝に関する技術知見とカネカのグリーンプラネットの材料成形技術の融合により、生分解性を持ちながら、スポーツ用途として使用可能な高い耐久性と一般的な人工芝に近い風合いを実現した。
バンテリンドームナゴヤの外野フェンスから5㍍幅の「ウォーニングゾーン」と呼ぶエリア(897平方㍍)に採用された。生分解性人工芝のスポーツ施設への採用は世界で初めてという。 人工芝は摩耗すると破片が意図せず海に流出することがあり、海洋生態系に悪影響を与えるマイクロプラスチックになり得る。グリーンプラネットを使用した生分解性人工芝は海に流出しても海中で水とCO2に生分解されるため、マイクロプラの流出対策に寄与する。人工葉に90%以上バイオマス由来の樹脂を使用しているため、石油由来の人工芝に比べCO2排出量を低減できる利点もある。 - 日本化薬・・・車安全部品、インド展開強化 韓国系に重点
- 三井化学・・・4月から市村体制 スペシャリティカンパニーへ

三井化学の社長に市村聡取締役常務執行役員が4月1日付で昇格する。6年ぶりの社長交代となる。橋本修社長は代表権のある会長に就き、新社長を支える。新体制のもと収益性の高いグローバルスペシャリティカンパニーへ成長を図り、化学業界が直面する難局を乗り切る構えだ。
市村氏は大阪工場のアンモニア製造課長として現場を経験し、ヘルスケア事業では企画管理部長として海外企業のM&Aに取り組んだ。22年からは経営企画部長として戦略立案の中心的な役割を果たしてきた。社長交代会見で「化学業界が大きな転換期を迎えるなか、社長職を宿命として受け止めている」と述べた。工場で生産性向上に取り組んだエピソードを紹介し「皆の力が合わさったときに生まれる現場の力を原点に、社員一人ひとりの成長を会社の成長につなげたい」と強調した。リーダーとして先頭に立ち、社員を引っ張っていく姿勢を示した。【写真】握手する市村聡次期社長(左)と橋本修社長 - クレハ・・・名武次期社長が抱負 稼ぐ力向上 新規事業育成に力

クレハの次期社長兼CEOに4月1日付で就任する名武克泰取締役副社長が都内の本社で会見し「小林豊現社長が築き上げてきた強固な経営基盤を確実に引き継ぎ、さらに発展させていくことが私の最初の責務。社員が成長できる会社、挑戦できる会社、信頼される会社と実感してもらえる会社にしたいと心を新たにしている」と抱負を述べた。
【写真】握手する小林豊社長(左)と名武次期社長
