
石油化学新聞5457号(2025.10.27)
THE PETROCHEMICAL PRESS
- GX戦略地域、提案から経過を洗練 規制・制度改革含め国が伴走
グリーントランスフォーメーション(GX)戦略地域の制度具体化に向けた動きが活発化してきた。経済産業省による自治体や事業者などからの提案募集はきょう27日に期限を迎え、今後は寄せられた提案をもとに各事業計画を洗練する。一方で、規制・制度改革など必要となる支援策を国が伴走して具体化。GX戦略地域の正式決定と支援を実施する。コンビナート変革と既存の資産を有効活用するGX型新事業の誘致をセットで行い、産業競争力強化と地域経済活性化を両輪で進める。 - 三菱ケミカル・・・高湿下ガスバリア性 EVOH、溶液タイプ高性能化
ノーベル化学賞に輝いた 北川進博士

腰を据えた取り組みを
実用化 基礎研究と企業連携で
「基礎研究と応用研究の連携が実用化のカギとなる。社会実装に向けて科学者と企業との橋渡しが重要。企業研究者は豊富なアイデアを持ち、基礎研究の種を生むこともある。経営者はアイデアの芽を摘まず短期成果に捉われず、肝を据えて取り組んでほしい」。
今年のノーベル化学賞受賞者の北川進博士(京都大学理事・副学長)は、日本化学会( C SJ)の秋季事業「第15回CSJ化学フェスタ」で開催されたノーベル賞受賞記念講演とその後の記者会見でこう強調した。記念講演にはCSJ会員や一般市民を対象に、会場参加者260人、ウェブ参加者1660人の約2千人の聴講者が熱心に耳を傾けた。
北川博士は「どこにでもある資源(空気)を使う未来」として、大気から燃料や食料品を生み出すビジョンを提示。大気中に低濃度で存在するCO2やメタンなどを捕捉・分離、濃縮・貯蔵、有用物への変換に有用な金属―有機骨格構造体(MOF)の一種、多孔性配向高分子(PCP)発見に至った経緯を説明した。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)・・・容器包装プラ 100%再生へ戦略強化 まず30年30 %目標
- 旭化成・・・アルカリ水と食塩電解用膜・枠工場 工場建設を正式決定
- 石油化学工業協会・・・9月の石化製品生産実績
THE PETROCHEMICAL PRESS
- サンノプコ・・・木粉配合生地が注目 森林資源循環促進 26年春に量産化へ
- ジャパンコンポジット・・・難燃軟質SMCを開発 環境対応型UPRで
- ハイケム・・・微細藻類培養 技術を軸に事業拡大 大学と共同研究も
- 東洋紡・・・PLAで光学フィルム 高透過・屈折率
- 積水化成品工業・・・軟質ポリマー微粒子 低誘電で高柔軟品開発
- 中央化学・・・天然資源のタルク使用 環境容器を2種発売
- サカタインクス・・・グラビア版シリンダー再資源化 実証試験を開始
- 三菱ガス化学・・・バイオ由来PA 再生CFで強化 環境型の複合材提案
- エクスタイル・・・樹脂フェンスに2新製品を追加
- 東レとリファインバース・・・廃エアバッグ由来再生PA66で協業
THE PETROCHEMICAL PRESS
- PSジャパン・・・CRで油化社会実装先行 モノマー化 品質安定化がカギ
- 中国の再生プラ事情〈下〉 国家主導で業界再編 成長へ各社独自の取り組み
- 積水化学工業・・・「自然に学ぶものづくり」助成決定
- 石油化学工業協会・・・9月の汎用4樹脂の出荷実績
- 塩ビ工業・環境協会・・・9月のPVC、VCMの生産・出荷
- 日本スチレン工業会が・・・2025年9月受払表
- 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・9月のOPP・CPP出荷実績
- 化学製品値上げ
・三菱ケミカル・・・ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリ乳酸系の各シュリンクフィルムを12月1日出荷分から1㌔㌘60円値上げする
・東ソー・ファインケム・・・アルキルアルミニウムを12月1日納入分から値上げする。上げ幅はTEAL、DEAC、EASC、DEAL―Eが1㌔㌘120円以上、TIBAL、DIBAL―H、TNHAL、TNOALが140円以上。その他は個別に協議する
THE PETROCHEMICAL PRESS
- DIC・・・貴金属回収へ粒子提案 多孔質PPS廃液精錬など3領域へ
DICは、多孔質化したポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)の粒子をもとに、各種廃液などから貴金属を分離(吸着)して回収する技術を確立、まずパラジウムの回収に注力することとし、技術だけでなく粒子としての提案も開始した。粒子では主として鉱山での精錬、メッキ廃液のリサイクル、各種廃液の精錬といった三つの領域へ展開し、拡販につなげる。PPS市場が競争激化するなか、技術力で差別化できる用途の一つとして訴求し、グローバルな拡大を図る。 - 出光興産・・・宇宙用CIGS太陽電池 搭載衛星が予定達成
- 住友化学・・・バイオラショナル事業米国子会社30年度売上高倍増へ 3社統合し新社設立
- ポリプラスチックス・・・車両用PPS 2領域に注力し拡販 機能で差別化追求
- 東レ・・・ユニクロの活動に協力 世界的な衣料品寄贈

東レは、ユニクロが世界の難民や子供たち、災害被災地など困難な状況にある人々に衣料品を寄贈する活動「The Heart of LifeWear」に協力する。同社との戦略的パートナーシップ関係を一層強化する。【写真】ファーストリテイリングの柳井康治取締役グループ上席執行役員(中央)、東レの大川倫央GO事業部長(右) - 横河電機・・・シノペックエンジにEPC案件で協業

横河電機は中国のシノペックエンジニアリンググループ(SEG)との間で、SEGが進めるEP C( 設計、調達、建設)プロジェクトで横河グループが協力する覚書を締結した。【写真】左から・SEG社長、重野・横河電機社長、コマツ・横河電機(中国)社長 - 積水化学工業・・・経営管理基盤を一新 基幹システム 独SAPから導入
- ユニチカ・・・透明樹脂同士をレーザーで溶着工法を開発
- 横河ソリューションサービス・・・グリーン水素製造実証で遠隔監視
- デンカ・・・BNNT開発の韓国新興に出資
- サンアロマー・・・坂本取締役が新社長に昇格
クラサスケミカルのグループ会社でポリプロピレン専業メーカーのサンアロマーの新社長に坂本浩基取締役製造本部長が昇格する。髙岡博社長は退任する。ともに12月開催のクラサスケミカルの臨時株主総会後の取締役会で正式決定する。
坂本浩基(さかもと・ひろき)氏 91年広島大学大学院化学工学専攻修了、シェルジャパン入社。99年モンテル・エスディーケー・サンライズ(現サンアロマー)に転じ、
08年ライオンデル・バセル広州コンパウンド工場長、15年サンアロマー戦略企画室長、17年同社サプライチェーン本部長兼CIO(最高情報責任者)、18年研究開発本部長を経て25年から現職。59歳。
