石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東ソー・・・南陽事業所、チェーン事業群を増産

臭素とハイアミン決定へ 相次ぎ設備投資計画

東ソーは南陽事業所(山口県周南市)で食塩電解・ナフサ熱分解を起点とするチェーン事業群の設備投資に相次ぎ乗り出す。6月に決定したクロロプレンゴム(CR)の大型設備投資に続き、臭素とエチレンアミンの高付加価値製品「ハイアミン」の増産投資も27年度までに固める予定だ。チェーン事業群の成長を加速させる。

  • 丸善石油化学・・・第3の柱にヘルスケア VEポリマー 医療用コート剤などへ
  • ダイセル・・・次世代通信用、ポスト5G材料を拡大 低誘電や低温焼結など
  • ENEOSとTOPPAN・・・古紙バイオエタノール、試験設備を建設 日本製紙富士で実証
  • 宇部エクシモ・・・光通信資材、岐阜工場で増産 日米重点に拡販

新社長インタビュー テクノUMG 石井 敦 氏

ABS樹脂、構造改革と成長戦略を
高付加価値化・海外顧客・成長市場に 5年で営業益4倍へ
「当社は60年以上に及ぶABS樹脂事業の歴史の中でM&Aを繰り返し、多彩なバックグラウンドを持つ。この舵取りを任されたことに責任の重さを感じるとともに、今後やらなければならないことへの期待が膨らむ」 こう抱負を語るのは、国内最大のABS樹脂メーカー、テクノUMGの社長に7月1日付で就任した石井敦さん。「厳しい事業環境のなか、事業構造改革と成長戦略を徹底的に進める」考えだ。
事業構造改革の一環で生産体制を最適化する。現在は多品種少量生産に加え、国内需要減の影響によって四日市、宇部、大竹の3工場でのABS樹脂設備稼働率は65%程度にとどまる。今後は各工場独自の強みと特徴を生かした3拠点体制を維持しながら、汎用品ラインを中心に生産能力を削減して稼働率を高め、生産を効率化する。
成長戦略は高付加価値製品の拡販、海外顧客比率の拡大、成長産業への展開の三つ。

<特集>構造改革経て事 業強化するMM A各社 (2面)

日本のメチルメタクリレート(MMA)メーカー各社が生産能力の削減を含む事業構造改革に乗り出した。中国での生産能力増強などによる競争環境の激化に対応した。今後は各社の独自性を生かし、誘導品を含めた事業基盤の強化を加速させる。世界的な環境意識の高まりを背景に、使用済みPMMA製品リサイクルの動きも活発化している。モノマーから誘導品まで一貫で手がける3社の取り組みを紹介する。

三菱ケミカル

  • 需要創出、顧客と協働し促進へ
  • 本格CR設備建設を計画

クラレ

  • PMMA、超耐熱品開発を加速
  • 欧州で自動車部品向け開拓

住友化学

  • 自動車に重点シフト
  • CR技術ライセンスも強化

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タキロンシーアイ・・・モビリティー市場開拓

複数テーマ開発進展

タキロンシーアイは、新事業創出の注力分野に位置付けるモビリティー市場の開拓を加速させる。車体向けはポリカーボネート(PC)樹脂グレージングと外装加飾フィルムの開発が順調に進展。電気自動車(EV)の高速充電向けバスバーとモーターけマグネットワイヤーは、金属と樹脂の接合技術を活用し部品メーカーとの共同開発に取り組む。短中期的な目標として実装案件の獲得を目指す。

  • 発泡スチロール協会(JEPSA)・・・廃EPS有効利用率94.2% 過去最高を更新
  • MDI中国スポット下落・・・冷蔵庫特需一巡、ポリメリック余剰感
  • JSP・・・XPS軽量盛り土材EPD国際認証取得
  • 帝人・・・再生医療事業2社経産省から補助金
  • 日本繊維産業連盟の日覺昭廣会長・・・人材確保の課題解決に継続注力
  • 塩ビ工業・環境協会(VEC)・・・PVCアワード9月まで製品募集
  • 日本スチレン工業会・・・2025年6月受払表
  • 塩ビ工業・環境協会(VEC)・・・6月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の用途別出荷推移
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2025年6月のPSP出荷実績
  • 化学製品値上げ
    ・クラレ・・・ポリビニルアルコール(PVA)繊維製品を国内外で8月1日出荷分から10~30%値上げする。
    ・積水化学工業・・・ポリエチレン(PE)管などを値上げする。保温付き架橋PE管と関連製品を8月21日出荷分から10%以上、水道用PE管と継手を26年4月1日出荷分から15%以上値上げする。
    ・日本触媒・・・高吸水性樹脂(SAP)の欧州地域向け価格を次期契約分から1㌧150€値上げする。北米やアジアなど他の地域も価格修正を進める方向で検討する。
  • 【訂正】21日付2面のJSPの記事で「自動車市場において世界シェア50%を占める」とあるのは「EPP市場において世界シェア50%を占める」の誤りでした。

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日本化薬・・・新事業の拡大加速

環境エネ 年度2件立ち上げ

日本化薬は重要課題の一つである新事業・新製品の創出へ取り組みを加速させる。ターゲット分野の一角、環境エネルギーでは水素製造装置向け水電解用アニオン交換膜や白金代替が可能な有機系触媒で開発が進み、それぞれ27年度の事業化を見込む。負触媒に関連する独自技術を生かした消火部材も期待し、電気自動車(EV)用やリチウムイオン電池(LIB)の回収など幅広い領域で安全部材としての応用を見込む。

  • 三井化学・・・バイオプロセス部材事業 細胞培養向け育成
  • 台湾の石化産業APIC2025報告から〈下〉・・・24年が底 25年は成長軌道に
  • 帝人・・・再生材由来PC分析機器に採用
  • 日本ポリプロ・・・PPのCR品 化粧品容器に
  • AGC・・・重合溶媒フリー フッ素ゴム発売
  • 宇部エクシモ・・・足場材用、FRP製品用途拡大 、作業性を向上
  • 日本曹達・・・有機半導体材 九州大と研究
  • AGC・・・住友ベークライトにPC製品事業を譲渡
  • 早大とクラセス・・・発酵ガス加圧低温で水素とCO混合ガス
  • 三菱ケミカルグループ・・・廃プラ油化技術豪州企業に出資

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