
石油化学新聞 5437号(2025.6.9)
THE PETROCHEMICAL PRESS
新社長インタビュー ENEOSマテリアル 志賀 智氏
S―SBR 市場超える成長を
新中計期間増強検討 技術開発の手は緩めず
「皆の話を聞き、ともに考え悩み、そして必要な決断を下す。自分の考えきちんと発信しないと物事は改善しない。社内も同じで議論だけでは生産性ない。議論の結果、実行し、失敗したら見直す。そう心掛けていきたい」。
4月1日の社長就任以前から志賀さんはハンガリー、四日市、千葉・鹿島と力工場を回り、研究所にも出向き、現地社員と交流した。本社でも積極的にらの考えを発信するも「話を聞く機会をもっと増やしたい」とイベントを企中だ。
エンジニアとして日本石油(現ENEOS)に入社し、キャリアの分の1を工場で過ごした。水島製油所時代はコンビナートルネッサンスの真っ盛り。技術者として化学系各社の担当者と議論を深めた。
- 横河電機・・・プラント自律化を促進 主力DCS11年ぶりに刷新
- カネカ・・・新中計、27年度営業益660億円に 先端事業比率60%へ
- 東リ・・・ナイロン紡糸4号機増設 カーペット原材料 内製比率を5割に
- 塩化ビニル樹脂(PVC)6月輸出価格・・・インド向け6ヵ月ぶり上昇
<特集>技術駆使し付加 価値で成長を/ エポキシ樹脂 (2~3面)
市場動向とメーカー各社の戦略
エポキシ樹脂は固有の特徴が評価されて電気・電子、塗料、土木建築、接着剤、炭素繊維強化樹脂(CFRP)などの幅広い用途に不可欠な素材として使用さ、世界で市場を広げている。汎用の液状樹脂は中国での新増設によって世界規模で供給過剰となり、主原料も含めて市場環境は厳しいものの、半導体向けなどの特殊は生成AI関連の需要を牽引役に拡大する方向。今後はCASEをキーワードとした車両向けの拡大も期待できる。技術力を駆使した付加価値化で成長市場を取りみ、成長へとつなげる。
概況
- 電気電子用 AI、通信関連が牽引
- 汎用品 世界規模で供給過剰
日鉄ケミカル&マテリアル
- 低Dfを追求 高周波基板用に注力
- 非ハロ難燃 ECU統合を支援
ADEKA
- 組織再編 環境貢献製品を拡大
- 自動車・電気電子 総合力で解決策
DIC
- 高速通信分野 新規樹脂で採用促進
- 技術力駆使 環境調和製品にも力
オリン
- アジア市場 CFRP、積層板に力
- 環境保全 独でCO2排出低減
三菱ケミカル
- 特殊品 電材用を重点拡大
- 高周波基板用 新樹脂開発も強化
日本化薬
- 半導体向け 積極増産で成長加速
- 低誘電樹脂 拡販へ品揃え拡充
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 三井化学・・・石化事業、27年分社化 他社連携や再編視野
- 三井化学・・・不織布、ICT分野を開拓 高収益事業に転換
- 日本ゼオン・・・S―SBR高性能品シンガポールで来年生産
- 東ソー・・・バイオCSM上市 来期メド
- 荒川化学工業・・・千葉の水素化石油樹脂復旧急ぐ 今月下旬に再稼働
- 住友化学と東京科学大・・・省エネ強相関電子材強磁性体で成果2件
- 東洋紡・・・PCR検査試薬 敦賀で設備竣工
- 東洋紡・・・バイオ技術生かし 汎用プラ原料生産へ 米国ベンチャーと
- 三菱ガス化学・・・メタノールと重油 2元燃料船を竣工
- トクヤマなど3社・・・PVパネル回収再生事業モデル構築検討
- ポリエステル原料パラキシレン(PX)の国際市況・・・値差250㌦超え高値圏
- ベンゼン6月ACP・・・5㌦安の735㌦
- クラレ・・・ポリエステル生産 西条で来年末終了
- 化学製品値上げ
・三洋化成工業・・・ポリプロピレングリコール(PPG)とポリマーポリオール(POP)を1日出荷分から1㌔㌘15円以上値上げする。
・東亞合成・・・工業用重炭酸カリウムを15日出荷分から1㌔㌘100円以上値上げする。
・三菱ケミカル・・・オキソ製品を16日出荷分から15円以上値上げする。
・三菱ケミカル・・・20日納入分からエチレンオキサイド(EO)を1㌔㌘25円以上、誘導品のエチレングリコール類とエチレンカーボネートを35円以上値上げする。
【訂正】2日付2面のJSPの記事で発泡スチロール協会の略称が「JAPSA」とあるのは「JEPSA」の誤りでした。