石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

カネカ・・・27年度メドに8製品増産 拡大需要取り込み

MSポリマーやエポキシ改質材など

カネカは需要が好調な変成シリコーン(MS)ポリマーやエポキシ樹脂用改質剤(MX)など8製品の増産投資に乗り出す。26年度までに計画を固め、27年度前後に相次ぎ稼働させる予定だ。拡大する需要を取り込み収益拡大を速させる。
増産投資を行う製品群にはMSポリマーとMXのほか生分解性バイオポリー「グリーンプラネット(GP)」、発泡ポリオレフィン、ポリイミド(PI)フィルム、医療用カテーテル、バイオ医薬品精製用クロマトグラフィー担体、乳製品がある。

新社長インタビュー ENEOSマテリアル 志賀 智氏

S―SBR 市場超える成長を
新中計期間増強検討 技術開発の手は緩めず
「皆の話を聞き、ともに考え悩み、そして必要な決断を下す。自分の考えきちんと発信しないと物事は改善しない。社内も同じで議論だけでは生産性ない。議論の結果、実行し、失敗したら見直す。そう心掛けていきたい」。
4月1日の社長就任以前から志賀さんはハンガリー、四日市、千葉・鹿島と力工場を回り、研究所にも出向き、現地社員と交流した。本社でも積極的にらの考えを発信するも「話を聞く機会をもっと増やしたい」とイベントを企中だ。
エンジニアとして日本石油(現ENEOS)に入社し、キャリアの分の1を工場で過ごした。水島製油所時代はコンビナートルネッサンスの真っ盛り。技術者として化学系各社の担当者と議論を深めた。

  • 横河電機・・・プラント自律化を促進 主力DCS11年ぶりに刷新
  • カネカ・・・新中計、27年度営業益660億円に 先端事業比率60%へ
  • 東リ・・・ナイロン紡糸4号機増設 カーペット原材料 内製比率を5割に
  • 塩化ビニル樹脂(PVC)6月輸出価格・・・インド向け6ヵ月ぶり上昇

<特集>技術駆使し付加 価値で成長を/ エポキシ樹脂 (2~3面)

市場動向とメーカー各社の戦略
エポキシ樹脂は固有の特徴が評価されて電気・電子、塗料、土木建築、接着剤、炭素繊維強化樹脂(CFRP)などの幅広い用途に不可欠な素材として使用さ、世界で市場を広げている。汎用の液状樹脂は中国での新増設によって世界規模で供給過剰となり、主原料も含めて市場環境は厳しいものの、半導体向けなどの特殊は生成AI関連の需要を牽引役に拡大する方向。今後はCASEをキーワードとした車両向けの拡大も期待できる。技術力を駆使した付加価値化で成長市場を取りみ、成長へとつなげる。

概況

  • 電気電子用 AI、通信関連が牽引
  • 汎用品 世界規模で供給過剰

日鉄ケミカル&マテリアル

  • 低Dfを追求 高周波基板用に注力
  • 非ハロ難燃 ECU統合を支援

ADEKA

  • 組織再編 環境貢献製品を拡大
  • 自動車・電気電子 総合力で解決策

DIC

  • 高速通信分野 新規樹脂で採用促進
  • 技術力駆使 環境調和製品にも力

オリン

  • アジア市場 CFRP、積層板に力
  • 環境保全 独でCO排出低減

三菱ケミカル

  • 特殊品 電材用を重点拡大
  • 高周波基板用 新樹脂開発も強化

日本化薬

  • 半導体向け 積極増産で成長加速
  • 低誘電樹脂 拡販へ品揃え拡充

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ポリプラスチックス・・・エンプラ世界展開

海外で3品目増産

ポリプラスチックスは親会社のダイセルが成長牽引事業の一つに位置付けエンプラの世界展開を加速させる。重点を置くのは海外で増産体制を整備すPOM(中国)、LCP(台湾)、COC(ドイツ)の3品目。既にPOM第1期(年9万㌧)とLCP(5千㌧)が稼働し、今期以降の収益向上に寄する。26年度にはPOM第2期(6万㌧)とCOC(2万㌧)も稼働し、PMはグローバルな拡販加速、COCは主力とする包材や医療用を中心とした販につなげる。さらなる品揃え拡充に向けM&Aなども検討中だ。

デンカ・・・石田郁雄社長に業績改善への道筋などを聞く

来期営業益400億円超に スチレン系 最適生産で構造改革 エネ・半導体材料の成長促進

石田郁雄社長

デンカが業績改善を急ぐ。25年度営業利益250億円(前期比74%増)の達成を「必達目標」とし、26年度には過去最高の21年度(401億円)を上回る「400億円以上」を目指す。4月1日に就任した石田郁雄社長に業績改善への道筋などを聞いた。
―創立110周年という節目の年での社長就任となりました。改めて抱負をお聞かせください。
当社の長い歴史の重みをひしひしと感じる。これまで「ものづくりを通して社会に貢献することをモットーに、時代に即して事業を広げてきた。今後もしなやな動きで対応したい。ただ23年度以降は業績が低迷した。特に24年度は(赤字続きだった)米国クロロプレンゴム(CR)事業子会社DPEの固定資産減損な多額の特損計上で最終損益が123億円の赤字(前期は119億円の黒字)となり、当社の歴史の中で最悪の決算となった。25年度は何が何でも業績を成長軌道に戻したい。
―業績改善への道筋は。
業績低迷の要因は米国CR事業の不振、電子・先端プロダクツ事業での先行投資の回収遅れ、ポリマーソリューション事業の業績停滞、全社的なコスト負担の四つであり、これら課題に対策を打っていく。

  • 三井化学・・・石化事業、27年分社化 他社連携や再編視野
  • 三井化学・・・不織布、ICT分野を開拓 高収益事業に転換
  • 日本ゼオン・・・S―SBR高性能品シンガポールで来年生産
  • 東ソー・・・バイオCSM上市 来期メド
  • 荒川化学工業・・・千葉の水素化石油樹脂復旧急ぐ 今月下旬に再稼働
  • 住友化学と東京科学大・・・省エネ強相関電子材強磁性体で成果2件
  • 東洋紡・・・PCR検査試薬 敦賀で設備竣工
  • 東洋紡・・・バイオ技術生かし 汎用プラ原料生産へ 米国ベンチャーと
  • 三菱ガス化学・・・メタノールと重油 2元燃料船を竣工
  • トクヤマなど3社・・・PVパネル回収再生事業モデル構築検討
  • ポリエステル原料パラキシレン(PX)の国際市況・・・値差250㌦超え高値圏
  • ベンゼン6月ACP・・・5㌦安の735㌦
  • クラレ・・・ポリエステル生産 西条で来年末終了
  • 化学製品値上げ
    ・三洋化成工業・・・ポリプロピレングリコール(PPG)とポリマーポリオール(POP)を1日出荷分から1㌔㌘15円以上値上げする。
    ・東亞合成・・・工業用重炭酸カリウムを15日出荷分から1㌔㌘100円以上値上げする。
    ・三菱ケミカル・・・オキソ製品を16日出荷分から15円以上値上げする。
    ・三菱ケミカル・・・20日納入分からエチレンオキサイド(EO)を1㌔㌘25円以上、誘導品のエチレングリコール類とエチレンカーボネートを35円以上値上げする。


    【訂正】2日付2面のJSPの記事で発泡スチロール協会の略称が「JAPSA」とあるのは「JEPSA」の誤りでした。

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