石油化学新聞 5435号（2025.5.26）
THE PETROCHEMICAL PRESS
26 年末にも完工 京葉エチレンに集約
石化基礎原料を安定供給する京葉エチレン
プロピレンマックスに改造
丸善石油化学は千葉地区のエチレンプラントの能力適性化に向けて具体的に動き出した。自社設備である第３エチレンプラント（３ＥＰ）を停止し、住友化学との共同出資による京葉エチレンに生産を集約するもので、現在、プロジェクト体制で詳細設計や機器・資材の発注を行っている。プラント改造や配管敷設など諸工事が完了し次第、ナフサクラッカーの一基化を果たす。計画では26年度としているが、早ければ26年末に完工する公算が大きい。国内最速で能力適正化を実行し、その成果を多くのステークホルダーとともに享受する。
- ６ヵ年で4600億円投資 新中計始動したＵＢＥ
スペシャリティを加速 35～40年度 売上高１兆円視野に
ＵＢＥは30年度までの６カ年中期経営計画「ＵＢＥビジョン２０３０トランスフォーメーション第２弾」を策定し、スペシャリティ化学企業へ進化して30年度に売上高５５００億円、営業利益６００億円、ＲＯＥ９％を目指す。35～40年度には売上高１兆円、営業利益１千億円、ＲＯＥ10％超を目標とする。
スペシャリティ事業について西田祐樹社長は「ポリイミドや分離膜、セラミックスを高収益・高成長に、フェノール樹脂や半導体用ガス・高純度薬品、セパレータ、高機能ウレタン、医薬、Ｃ1ケミカルを戦略的拡大に、エラストマーやポリエチレンフィルムを安定収益・高キャッシュフローに区分した。高機能ウレタンはＭ＆Ａによるのれん償却があるが、これを終えれば10％を大きく超えるＲＯＳが期待でき、他のスペシャリティ事業も多くは10％超が期待できる」と強調した。
- 大阪ソーダ・・・ヘルスケア 成長投資を積極推進 医薬品精製材と原薬
- ＪＳＲ・・・30年度晋中計 コア営業益1000億円に 合樹は高付加価値化
- 出光興産・・・青色有機ＥＬ素子 世界高性能達成
- 日本化薬・・・二色性色素、福山に増産体制整備 車載調光ガラス用へ
世界規模で知見を共有し連携築き前進へ ＡＰＩＣ 2025 タイ大会
アジア最大の石油化学業界の国際会議である「アジア・ペトロケミカル・インダストリー・カンファレンス（ＡＰＩＣ）２０２５」が、去る５月15、16日の２日間、タイ・バンコクのセンタラグランド・アット・セントラルワールドで開催された。ホスト国であるタイの石化業界首脳をはじめ、日本、韓国、台湾、マレーシア、シンガポール、インドのＡＰＩＣメンバー７カ国・地域の業界関係者が一堂に会した。１９７９年に日本・韓国・台湾で開催した東アジア石油化学工業会議（ＥＡＰＩＣ）が母体であるＡＰＩＣは、米国石油化学会議（ＡＦＰＭ）、欧州石油化学協会会議（ＥＰＣＡ）と肩を並べる国際会議へと発展。アジア地域を中心に世界各国から関係者が集い、情報交換や商談の貴重な場になっている。近年、アジア石化市場は中国の過剰生産により市況の低迷が続き、さらに米国の関税政策など新たな課題にも直面している。グリーンケミカルも重要性も増しており、今後の対応は注目されている。ますますＡＰＩＣの存在価値が問われていきそうだ。
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- 三菱ケミカル・・・低誘電樹脂開発へ エポキシビニル 高周波基板用を拡大
- ダウ・・・モビリティー領域で循環型システム築く
- 帝人・・・フォーミュラＥに協賛 ＥＲＴと環境啓発企画
- ＵＢＥマシナリー・・・ダイカストマシンギガキャスト用拡充
- デンカ・・・五泉事業所鏡田工場（新潟県五泉市）で抗原検査キット製造新棟が稼働
- ダウ・・・「モビリティの未来フォーラム」識者集め
- カネカ・・・バイオポリマーが医薬包装結束材に
- 日本化学工業協会・岩田会長・・・「25年度もＧＸ推進」
- 帝人フロンティア・・・衣料向け天然繊維調ポリエス生地を開発
- 三井化学・・・山九と協業、マレーシアに物流拠点設置
- アーク・・・ソフトバンク系とロボット開発支援
- 化学製品値上げ
・東亞合成・・・塩化第一鉄液と塩化第二鉄液を６月１日出荷分からローリーで１㌔㌘20円、ポリ缶で30円値上げする。
・エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル・・・無水フタル酸を６月１日納入分から１㌔㌘15円値上げする。
・三井化学・・・熱可塑性エラストマーを６月１日納入分から１㌔㌘0円以上値上げする。
・三井化学・・・接着性樹脂を７月１日納入分から１㌔㌘25円値上げする。
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- 三洋化成工業・・・営業利益150億円 次期中計で必達 「ものづくり大改革」深化
- ポリプラスチックス・・・ＰＯＭ世界展開加速、中国増産見据え
低誘電絶縁樹脂 軟質・硬質材を一体提案
高速・大容量通信対応のマザーボードなどに使われる「スネクトン」
デンカは電子材料などを手掛ける電子・先端プロダクツ部門で成長戦略を加速させる。大型新製品として次世代高速・大容量通信対応のマザーボード（回路基板）などに使われる低誘電有機絶縁樹脂「ＳＮＥＣＴＯＮ（スネクトン）」と、パワー半導体の加工に使われる高耐熱仮固定材「ＴＢＭ」を相次ぎ上市した。そのほか需要拡大が見込まれる製品の増産投資も積極的に行っており、収益の飛躍的な拡大につなげる。
- ユニチカ・藤井社長・・・「事業再生計画を完遂」
- タキロンシーアイ・・・アグリ事業を拡大 ドミナント戦略強化
- オリン・・・エポキシ、超低粘度品が拡大 スマホ半導体周り
- 三菱ケミカルグループ・筑本社長・・・ノンコア事業整理「予定通り進捗」
- ＵＢＥマシナリー・・・東証上場へ準備
- ＵＢＥ三菱セメント・・・東京証券取引所への株式上場準備を開始
- 日本ゼオン・・・宇宙用太陽電池開発 米ベンチャーに投資
- テクノＵＭＧ・・・次期社長に石井氏
テクノＵＭＧは次期社長に石井敦執行役員が７月１日付で就任する人事を決めた。山脇一公社長は退任し親会社ＪＳＲのアドバイザーに就く。
石井敦（いしい・あつし）氏 93年青山学院大学卒、02年ＪＳＲ入社。同年テクノポリマー（現テクノＵＭＧ）出向、19年執行役員。神奈川県出身、55歳。