石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 大阪ソーダ・・・アリルエーテル類増設 松山工場 塗料向けなど需要増
    大阪ソーダは松山工場(愛媛県松山市)でアリルエーテル類の生産設備を増設する検討に入った。25年度中に投資計画を固める。塗料向けなど広範な用途での需要増に対応する。
    工事期間を考慮すると新設備の完成・稼働は27年ごろになるとみられる。アリルエーテル類の生産能力を約2割引き上げる。松山では22年にも生産能力を約2割引き上げたが、需要増により供給が近い将来に不足すると判断、設備を再び増設する。

新社長インタビュー・・・JSR 堀 哲朗氏

経営立て直しが急務
DS事業に力 LS事業最適化が課題

「会社の立て直しが使命だ。デジタルソリューション(DS)事業の好調さをライフサイエンス(LS)事業の悪さで相殺する流れを止める必要がある。株式公開買い付け(TOB)によるレバレッジド・バイアウト(LBO)ローン返済も抱え、厳しい経営状況を引き継いだ印象だ」と語るのは、4月1日付でJSR社長に就任した堀哲朗さん。
東京エレクトロンに85年に入社後約8年間の営業を経て、経営戦略、法務・知的財産、財務、業務改革などを担当。産業革新投資機構(JIC)の要請で今年1月にJSRの副社長に就任し、CFOとCLOを兼務した。法務担当時代の豊富なM&A実績、CFO経験に基づく経営・財務管理の厳格化、法務・知財経験による知財戦略の強化などでの貢献が期待される。
「国内半導体材料業界の再編の方針は変わらない。これまでに具体的計画はなく、シナジーや顧客から賛同を得られる再編計画を描くのは簡単ではない。再上場についても、JICがファンドである以上当然目指すが、イグジット(投資回収)の形が問題。まず会社再建を優先するが、LS事業の今後が課題だ」と語る。

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  • 住友化学・・・25年度実力で増益へ 米関税影響 ICT&モビで100億円
  • 日東紡・・・ガラス繊維、電材向け相次ぎ増強 低誘電品と低熱膨張品
  • アズビル・・・新中計、進化・共創テーマに 収益ともに成長へ
  • APICタイ大会・・・盛況裡に16日閉幕 持続可能性や連携で議論
  • 双日・・・日本A&Lを連結子会社に

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  • UBE・・・高機能ウレタン、 グローバルに成長加速 M&Aを機に
  • 東亞合成・・・難治乳がん治療薬創製 iCONMと共同研究
  • タキロンシーアイ・・・構造改革で収益力回復 中計目標クリアへ
  • 日本触媒野田社長・・・LIB電解質、北九州計画は予定通り 前倒し出荷要請も

野田和宏社長

日本触媒の野田和宏社長は、リチウムイオン電池(L I B ) 用電解質「イオネル」の北九州工場新設について、計画通り年産3千㌧能力の量産プラントの建設に着手することを明言した。福岡県北九州市若松区響灘地区にイオネルで国内初となる本格量産プラントを26年1月に着工、28年7月に商業運転を開始する予定に変更はないという。

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  • タキロンシーアイ・・・新規PE系 モノマテフィルム試供開始
  • 三井化学と萩原工業・・・リサイクルプラの粘度均一化を開発
  • DICグラフィクッス・・・植物由来 高感度UVインキ開発
  • 東洋紡せんい・・・補強材向け複合糸開発
  • デンカ・・・米のCR設備暫定的に停止

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  • KHネオケム・・・事業部制 価格戦略 成果着々 設備費対象
  • 欧ELV指令改正案に炭素繊維協が一部反論
  • 日本ソーダ工業会・・・2025年3月と2024年度のソーダ工業薬品の需給状況 2025年3月と24年度のカセイソーダ出荷内訳
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の4月国内出荷
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2025年4月のPSP出荷実績
  • カーボンブラック協会・・・3月のカーボンブラック実績

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DIC・・・高周波基板向け 低誘電の新樹脂拡販

活性エステルや ビスマレイミド 量産体制を整備

DICは通信インフラの高速化に伴う高周波基板の需要増を見据え、低誘電特性などを持つ新規樹脂の開発、拡販を加速させる。既に活性エステル樹脂やビスマレイミド樹脂が着実に市場を広げており、それぞれ量産体制を整備し需要増に応えていく。さらなる低誘電化ニーズに応えて新規のビニル樹脂も開発し、2年内に量産体制を整備し本格投入する考え。エポキシ樹脂で培った基板材料用の知見も生かし、成長市場を最大限に取り込む。

  • 日鉄ケミカル&マテリアル・・・国都と連携拡大 エポキシ競争力一層強化
  • JSP・・・EPP米2工場で増設 車部品向け需要に対応
  • UBE・・・今期設備投資、米のC化学など860億円に大幅増
  • 住友化学・・・先端半導体材に照準 韓国子会社にクリーンルーム

    東友ファインケム益山研究所

住友化学はICT関連事業で中核を担う100%子会社、韓国・東友ファインケムの益山研究所(全北特別自治道益山市)に半導体用ケミカルの先端材料用クリーンルームを新設し、併せてプロセス検証ラインを拡充する体制整備投資を実施する。投資額は数十億円規模。半導体用ケミカルのさらなる品質向上と最先端製品の開発加速を目的とする。26年度以降に順次稼働を始める予定。
先端半導体の高度なプロセス洗浄に用いる高純度ケミカル(高純度IPA、同アンモニア、同硫酸、過酸化水素水)は、超微細化に対応する超高純度化の技術が求められる。新設するクリーンルームはこれら高純度ケミカルを中心に評価・分析技術のさらなる向上に寄与する。プロセス検証ラインは主に先端プロセスや後工程材料に用いられる機能性ケミカル(選択エッチャント、先端フォトレジスト用シンナー、工程内クリナーなど)のパイロット設備を増設し、製品ラインアップの拡充を目指す。

  • 帝人・・・アラミド炭素繊維 生産拠点を最適化 収益改善策断行
  • 積水化成品・・・3ヵ年中計始動 営業益45億円めざす
  • 三菱ケミカルグループ・・・フードロス削減包材 カナダ新興に出資
  • デンカ・・・日中で放熱ベース板電鉄向け増設
     デンカは大牟田工場(福岡県)と中国・大連市の子会社で、電気鉄道向けインバーター用パワーモジュールなどに使われる高信頼性放熱ベース板「アルシンク」=写真=の生産設備を増設する。27年後半に完了し総生産能力を約1・3倍に引き上げる。 アルシンクはアルミニウムと炭化ケイ素からなる複合材料。セラミックス基板に近い熱膨張率と窒化アルミと同等以上の熱伝導率を併せ持つ高信頼性ヒートシンク材料として、搭載されるハイパワーモジュールの高性能化や長寿命化に寄与する。
  • 三菱ケミカルと慶応義塾大学・・・超スマート社会へ慶応大に寄付講座
  • 住友精化・・・次期社長に織田氏
    住友精化は小川育三社長の後任に織田佳明・住化分析センター社長が就くトップ人事を決めた。6月23日開催予定の定時株主総会と取締役会で正式決定する。小川氏は相談役に就く。 織田佳明(おだ・よしあき)氏 86年大阪大学大学院理学研究科修士課程修了、住友化学工業(現住友化学)入社。15年執行役員、18年常務執行役員を経て21年から住化分析センター社長。大阪府出身、64歳。

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