石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

三菱ケミカル・・・高機能エンジニアリングプラスチック成形

ベルギーとタイで増設 半導体・医療向け拡販

三菱ケミカルは高機能エンジニアリングプラスチック成形事業の成長戦略を推進する。主力拠点のベルギー工場で最新鋭の押出成形設備を導入し、タイ工場でも成形設備を増設する。高付加価値ビジネスに位置づける半導体製造装置部品とメディカル用途での需要増に対応するもので、拡販につなげる。拠点集約で合理化も徹底し収益性を高める。

横河電機 重野新社長 信頼されるパートナーに

ソリューション 30年度比率を 30 %へ

重野邦正社長

横河電機の重野邦正新社長(4月1日就任)は事業説明会で24~28年度の5カ年中期経営計画「GS2028」の達成に向けて、「既に計画は出来ているので後は実行、実現あるのみ」と語り、「お客様に寄り添い信頼されるパートナーになる。それにより外部環境に左右されない事業基盤を確立し、企業価値向上と持続可能な成長を遂げる」と意欲を示した。
中計で掲げた目標の中で特に重視する点として「トップラインの成長性と収益性の両方にこだわる」と明言。グローバルな制御計測ベンダーからさらに進化しソリューションプロバイダーを目指すなか、「全社規模でソリューションサービスの比率を現状の20%から30年度には30%に高める」と意欲を示した。サービス事業の拡充への具体策として「まずはプラント診断やアセットマネジメント、環境対応など、ライフサイクルベースで対応する保守メニューを増やす。そして(機器を)納入したところに確実にサービスまでを届ける」と語った。

積水化学工業・・・次代の成長に抜かりなし

25年度も最高益更新

予算枠超過で成長投資へ M&Aにも余力
積水化学工業は過去最高業績を更新した24年度に次いで25年度も最高益を更新する見通しだ。営業利益は1150億円を想定し、中期経営計画の最終年度目標を達成。トランプ関税のマイナス影響を約25億円と見積もるが、販売価格への転嫁や米国内の能力増強、世界規模での生産・販売のアロケーションを通じて影響を最小限に留める。ペロブスカイト太陽電池( PSC ) の本格量産化を意思決定するなど、次代の成長にも抜かりはない

  • JSP・・・EPP、印新工場が本格稼働 需要増で次期増設も
  • 三菱ケミカル・・・炭素繊維、事業構造改革へ ドイツで車部材撤退
  • DIC・・・エポキシ系など 中国で水性樹脂拡販
  • 三洋化成工業・・・機能性タンパク質量産設備を建設へ
  • 東レリサーチセンター・・・微小領域電気抵抗測定サービス開始

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旭化成・・・PU弾性繊維、収率向上し品質改善

スマート工場化で成果

守山工場全景

旭化成が守山工場(滋賀県守山市)にあるポリウレタン(PU)弾性繊維「ロイカ」の生産拠点のスマートファクトリー化で成果を上げている。一連の取り組みを探った。
71年の商業生産開始から50年以上の実績があるロイカ工場はこれまで工程管理図、日誌・帳票、工程チェックシートなどがすべて手書きだったため有効利用できず、経験に頼った問題解決やイノベーションは飽和状態になりつつあった。製品の競争力維持のためにはデータに基づく意思決定・スマートファクトリー化が求められていた。

  • 積水化学工業・・・CFRP、米国子会社が黒字化 航空機向け以外も拡販
  • 三洋化成工業・・・創傷治療材が薬事承認 遺伝子組み換えで日本初
  • エフピコ・・・超高剛性OPPシート、建設資材を有力紙 軽量化武器に市場開拓
  • ダイセル・・・真球粒子や界面活性剤 化粧品原料向け拡大
  • AGC・・・PVカバーガラス、水平リサイクルへ
  • 住友化学・・・温調樹脂が企業用制服の素材に採用
  • オリン・・・防水用エポキシ 韓・中で市場拡大 高架道路舗装向け
  • サイエンスコ・・・シノペックと戦略的パートナーシップ
  • BASF・・・独で半導体向け超高純度硫酸増強
  • 帝人フロンティア・・・高機能不織布のブランド立ち上げ
  • コベストロ・・・欧でイネオスからLNGを長期調達

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エフピコ・・・16 期連続増収へ

エコ対応促進 独自品販売に拍車

エフピコは25年度の売上高が前年比4%増の2453億円になると見込む。16期連続の増収となる。各利益段階は過去最高を更新する見込み。物価高を背景に消費マインドが減退するなか、軽量化容器やエコ容器の拡販に努めるとともに、人手不足で求められる包装機械や冷凍食品に対応した容器を提案し新たな事業機会を捉えていく。

  • 三菱ガス化学・・・愛媛大に講座開設 がんモデルMPS開発へ

    三菱ガス化学は愛媛大学大学院医学系研究科に産学協働講座「創薬プラットフォーム開発講座」を4月に開設した。創薬の課題に対する解決策の一つとして注目される創薬プラットフォーム、生体模倣システム(M PS)の社会実装を目指す。【写真】=愛媛大学と調印を交わす三菱ガス化学の伊佐早禎則社長(中央右)ら
  • 信越化学工業・・・米国塩ビ1~3月 販売「総じて堅調」 現地生産強みに
  • 石油化学工業協会・・・「ガイドブック」改訂8版を発行

    石油化学工業協会は石油化学工業に関する基礎的な解説書「石油化学ガイドブック(改訂8版)」=写真=を発行した。同書は02年に初版を発行して以降、石油化学の入門書として業界関係者のみならず学生や社会人にも活用されている。改訂8版は22年以降の内外の情勢変化を踏まえ内容を充実させた。B5判74㌻。1 部1300円(送料別)で頒布している。
  • 東ソーと新潟大・・・新規尿検査法開発 共同研究講座を更新
  • エフピコ・・・卵パック倉庫 筑西工場に新設 コスト削減へ自前化
  • 双日・・・バイオメタン、印市場に参入 、現地企業に出資
  • カネカ・・・ふるさと納税返礼に親子向け環境学習、芦屋市と協業
  • 財務省貿易統計・・・2025年3月石化品輸出実績 2025年3月石化品輸入実績
  • ベンゼン5月ACP・・・740㌦に急落
  • 国産ナフサ1~3月・・・0.3%高の7万3400円
  • 化学製品値上げ
    ・デンカ・・・ポリビニルアルコール(PVA)を16日納入分から1㌔㌘60円値上げする。
    ・KHネオケム・・・オキソ関連製品や溶剤など化学品39品目を22日納入分から1㌔㌘15円以上値上げする。
    ・東洋紡は工業用フィルム・・・6月1日納入分から3%以上値上げする。

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日本化薬・・・低誘電樹脂 戦列拡充

高周波基板用 新規3品目投入

日本化薬は通信インフラの高速化に伴い拡大する高周波基板向けに、低誘電特性などを有するマレイミド系2品目と炭化水素系の新規樹脂合わせて3品目を投入した。当面の需要に対応できる生産体制も整備しており、それぞれの特徴を生かして需要を幅広く取り込む。さらなる誘電正接(Df)低減の要求に応え、より低Dfで光硬化も可能な新規樹脂も開発しワーク中だ。3年内に上市する考えで、基板向けに加え層間絶縁接着材向けも視野に入れる。

  • 日鉄ケミカル&マテリアル・・・エポキシ、非ハロ難燃品拡販 2拠点体制 車載用需要に対応
  • トクヤマ・・・持続可能な製法推進
    台IPA、世界初の回収再生 徳山製造所、GHG削減加速

    主力拠点、徳山製造所。全社目標のGHG30%削減を達成するためには自家発電所起源の排出を半減させる必要がある

    トクヤマは国内外の製造拠点でサステナブルなプロセスへの転換を加速させる。25年度の設備投資額は前年度比104億円増の351億円で主に電子、健康、環境の成長事業に振り分けるが、中でも資源循環や温室効果ガス(GHG)排出量削減に寄与する設備投資を優先させる。21~25年度の中期経営計画で業績目標は未達となる見込みも、基本戦略の一つ「地球温暖化防止への貢献」は着実に手を打ち、GHG排出量を30年度に19年度比30%減という中長期環境目標は確実に達成したい考えだ。

  • 日本ゼオン・・・営業利益、今期5%減を予想 円高と原料安
  • 信越ポリマー・・・塩ビラップ事業 買収シナジー発現

    塩ビ小巻きラップ「キッチニスタ」

    信越ポリマーが食品包装用塩ビラップ事業で自社ブランド製品と、買収した「キッチニスタ」製品とのシナジーを発現させている。24年度は各製品の生産最適化を進めるとともに、高いシェアを生かして値上げを早期に決着させた。今年4月にはキッチニスタを吸収合併し組織を一体化。経営資源を集中し塩ビラップ事業を拡大させる。

  • 日本化薬・・・電材用エポキシ、バイオ原料活用へ
  • 日本ゼオン・・・氷見で大型TV向け位相差フィルム新設
  • 三菱ケミカル・・・繊維染色加工事業から撤退
  • エフピコ・・・資源循環・脱炭素へ福山市と連携協定
  • 積水化成品工業・・・車部品仏社を清算
  • エフピコ・・・水平リサイクル、Aコープと協業拡大
  • ハイケム・・・シクロヘキサノン 関西にも供給拠点

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