石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 京葉エチレン・・・国内最速統合へ準備着々 1~3月定修で小規模改造
    誘導品各社へ留分バランス最適化
    京葉エチレン(出資比率=丸善石油化学55%、住友化学45%)が国内最速のナフサクラッカー統合に向けて着々と準備を進める。26年1~3月に実施するプラント定修で小規模な設備改造を行い、留分のバランスを最適化。コンビナートを構成する誘導品各社に対する原料供給体制の維持に万全を期す。
  • ポリオレフィン25年総内需動向
  • 三菱ケミカル・・・炭素繊維、SMCを高機能化 難燃・高強度品など
  • 東レ・大矢社長・・・次期中計、成長戦略と構造改革 ROIC経営を軸に
  • タキロンシーアイ・・・ジッパーテープ、米国市場に参入 現地生産化へ

<特集> 成長分野を狙い差別化推進 ポリカーボネート

世界市場、過供給で汎用価格低迷
国内メーカー、差別化図り収益強化
ポリカーボネート(PC)は透明性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性などを兼ね備えた汎用エンプラで、5大エンプラ市場の半分近くを占める。金属やガラス代替材料として電気電子や建築、包装、自動車、医療などさまざまな分野で使用されている。PCの世界市場は200億㌦(3兆円)規模で、今後10年間の年成長率は4~5%とされる。一方で、需要の約3割を占める中国の急激な生産能力増強と景気低迷による需要低迷が重なり供給が過剰となり、厳しい事業環境が続く。こうしたなか、メーカー各社は市場・用途の絞り込みと高付加価値化を進め、収益性の改善と販路拡大に向けた取り組みを加速させている。

概況
・各社のPC生産能力
・PCの需給動向
PCの世界需要約500万㌧に対し総生産能力は700万㌧を超えており、平均設備稼働率は7割を切る水準に落ち込んでいる。このため汎用PCのアジア市場価格は1㌧約1500㌦にとどまり、メーカー各社は採算割れの状況が長期化している。

住化ポリカーボネート
「SDポリカ」

  • コンパウンド、販売比上げ機能付与
  • PCRグレード意匠性材樹脂 拡販に注力

三菱エンジニアリングプラスチックス
「ユーピロン」「レバノックス」

  • 高透明とコンパウンド、より高度に差別化
  • 環境対応・ポリマー物性 開発力生かす

出光興産
「タフロン」「タフロンネオ」

  • 高付加価値品、内製化で競争力強化
  • DRL・LED液晶・共重合品 ニーズに応じ拡大

コベストロ
「マクロロン」

  • 需要拡大へ、高付加価値化を推進
  • 材料・成形技術・用途 並行的に開発

帝人
「パンライト」「マルチロン」

  • 市場・用途、高機能・高品質で拡大
  • 再生技術開発 資源循環を推進

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • 宇部マクセル・・・堺工場、セパレーター増産 HVに加え非車載も
  • 帝人と旭化成・・・繊維系商社を統合 30年度売上高5000億円に
    帝人と旭化成が子会社の繊維系商社を26年10月1日付で経営統合させる。帝人フロンティアを存続会社として旭化成アドバンスを吸収合併する。両社の事業基盤や営業ネットワーク、顧客基盤を相互補完し持続可能な成長と企業価値の最大化を図る。帝人が80%、旭化成が20%出資する統合新社(社名は未定)の業績目標として30年度近傍に売上高5千億円規模(26年度見込み4400億円)、投下資本利益率(ROIC)8%以上(同8・1%)を掲げた。
    帝人フロンティアの平田恭成社長は経営統合を決めた背景について「国内アパレル市場規模はわずかながらも依然として縮小傾向にあり、商社を含む業界各社の事業撤退や統廃合が進み、気候変動や地政学リスクの高まりも相まって不確実性が増すなか、衣料繊維以外の産業資材や樹脂化学品といった事業領域の拡大とグローバル展開を加速させる必要性がより高まってきた」と指摘。「しかるべき先行投資をすることで業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立できる機会が到来した」と強調した。【写真】握手する帝人フロンティアの平田恭成社長(左)と旭化成アドバンスの春見恵司社長
  • 三井化学・・・C M F強化PP、車材料に
  • 日精樹脂工業・・・ドイツ拠点軸に欧州強化 樹脂成形 循環型社会実現へ
  • ENEOSマテリアル・・・新材料創出支援AIシステム開発
  • UBE・・・ISCC認証BR非タイヤ向け採用
  • 産業技術総合研究所・・・PET低温解重合試験プラント建設
  • 塩化ビニル樹脂(PVC)・・・PVC、インド向け大幅安 アンチダンピング見送り
  • タキロンシーアイ・・・今期純益14%増に
  • アールエム東セロ・・・フィルム製品GHG排出原単位を初公開
  • 旭化成・・・鉛蓄電池用膜事業米投資会社に譲渡
  • ハイケム・・・高取締役が社長昇格
    ハイケムは高祐一取締役が1月1日付で社長に昇格するトップ人事を決めた。高潮社長は代表権を持つ会長に就任する。
    高祐一(たか・ゆういち)氏 10年中国・復旦大学、11年宇部興産(現UBE)入社。14年ハイケム入社、22年取締役。39歳。

 

 

  • DIC・・・ケアテック新興 a b a に出資
  • レゾナック・・・黒鉛電極、ドイツ拠点で人員削減
  • クレハ・・・微生物農薬技術 米新興から取得
  • ベンゼン12月ACP・・・10㌦安の675㌦
  • 化学製品値上げ
    ・クラレ・・・水添スチレン系の熱可塑性エラストマー(TPE)を1月1日出荷分から1㌔㌘1㌦値上げする。対象は鹿島事業所の生産品。
    ・三井化学・・・アルキルアルミ製品を1月1日納品分から1㌔㌘ 150円値上げする。

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