
石油化学新聞5451号(2025.9.15)
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 東レ・・・アジピン酸、バイオ品の事業化促進 タイにパイロット設備
- ポリオレフィン国内事業統合で合意・・・三井、出光、住友の3社 能力適正化へ
- セーレン・・・繊維事業、岡崎に200億円超投資 ユニチカから買収
新社長インタビュー・・・BASFジャパン ハシビ・ゼイダム氏
基礎化学品 日本市場に安定供給
シェア拡大 ニーズ対応と差別化で
「これまでの事業部中心の視点から、広い視野で物事をみることになり、毎日ワクワクしながら楽しんでいる」と語るのはBASFジャパン社長に7月1日付で就任したハシビ・ゼイダムさん。「顧客、パートナーに選ばれる化学企業になるという会社のミッションに沿って、日本における成長と、日本の顧客とパートナーの成長に貢献できるように努める。日本は重要な市場であり、川上と川下の二つの戦略で成長を推進する」と抱負を語る。
日本市場は縮小傾向にあり、石油化学業界の再編が進むと基礎化学品やモノマー、中間体などが供給不足になる恐れがある。こうした状況下、川上製品を安定供給し事業機会を捉える。世界最大の総合化学会社としての強みを生かして海外拠点から輸入するほか、「国内外含めたパートナーシップの強化、M&Aや共同投資など安定供給に向けてあらゆる選択肢を検討していく」。
川下製品では市場シェアの拡大を進める。「日本の顧客の多くは海外でも活躍しており、グローバル企業としての知見や技術を生かして顧客の国内外での成長を国境を越えて支えていく」と語り、顧客中心の考え方を強調する。
THE PETROCHEMICAL PRESS
- エム・エーライフマテリアルズ(MAL)・・・産業資材、高付加価値化を加速 不織布製品の収益強化
- DIC・・・LIB延焼防止の吸熱パッドを開発 熱暴走事故対策に
- NEDO・・・太陽光発電技術開発、カネカのモジュールなど24件採択 導入拡大へ
- 旭化成エレクトロニクス・・・電流センサー、一体化技術を実証 ホールIC26年度に量産
旭化成グループの旭化成エレクトロニクスは電動車用パワーモジュールに電流センサーを一体化する技術の概念実証(PoC)に成功した。SiCパワーデバイスを用いたトラクションインバータやDC/DCコンバータに従来使用されている磁性体コア(鉄など金属部品)を不要にし、各部品の小型化、軽量化、高効率化に貢献することが期待される。同社は現在、コアレス構造向けの電流センサーとして使用可能なリニアホールIC「EZ―232L」を開発中で、26年度からの量産開始を予定している。【写真】電流センサーを一体化させたパワーモジュール
- 日本化薬・・・二色性色素 調光ガラス向けで車載用が今期本格化
- 東レ・・・銀面調人工皮革が内装材でスペイン車に採用
- 三菱ケミカルとホンダ・・・共同開発のPMMA再生材、車部品に初採用 ホンダの新型EV
三菱ケミカルとホンダが共同で開発したアクリル樹脂(PMMA)リサイクル材が、ホンダが12日に発売した軽電気自動車(EV)「N―ONE e‥」用のドアバイザーに採用された。PMMAリサイクル材の自動車用品への採用は今回が初めて。
PMMAは、熱分解によって原料のメチルメタクリレートに戻せるケミカルリサイクルに適した素材。大手PMMAメーカーである三菱ケミカルは21年からマイクロ波化学との共同研究でマイクロ波を利用した熱分解リサイクル技術を確立してきた。しかしながら使用済み自動車から回収されたPMMAは品質の安定性や再利用の難しさから、これまで製品へのリサイクル利用が困難だった。
そこで三菱ケミカルはホンダと北海道自動車処理協同組合と連携し、PMMAの水平リサイクルに向けた実証実験を実施。異物が混入しない回収方法と、バージン材と同等の品質を持つ再生技術を確立した。今回のドアバイザーにはこの技術で回収・再生されたPMMAリサイクル材が採用されている。製造・廃棄時に発生するCO2排出量の削減と資源循環が可能になる。【写真】PMMAリサイクル材を使用したN―ONE e‥用「ドアバイザー」
- 三井化学・・・バイオウレタンマットレスを開発
- レンゴー・・・セルロース粒子が水質浄化材に採用 陸上養殖向け
- エフピコ・・・和歌山Aコープとリサイクルを強化
- 日本触媒・・・潜熱蓄熱マイクロカプセル量産化へ
- 帝人フロンティア・・・マーケティングサイトを開設
- ユニチカ・・・ナノワイヤ樹脂複合材に新特性 ユニチカが発見
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 米国プラ対中貿易が縮小・・・1~6月 輸出量26%減 輸入額76億㌦に低下
- 出光タンカー・・・6代目「日昇丸」、二元燃料で28年竣工 環境対応VLCC6隻に
出光タンカーは28年竣工予定で新造中の環境対応型大型原油タンカー(VLCC)2隻のうち1隻を「日章丸(NISSHOMARU)」と命名する。1938年に初代の日章丸が竣工して以来、これまで5代にわたるVLCCを日章丸として運航。6代目となる新造船は初代竣工から100年に向け、歴史と伝統を継承しながら環境性能も備えたフラッグシップとなる。
6代目日章丸はメタノールと重油を燃料に使える二元燃料主機を採用。窒素酸化物の排出を最大約80%、硫黄酸化物を同99%、CO2を同15%削減できる。大型軸発電機を搭載し、航行中のプロペラ軸の回転を利用して電気を供給することで省エネとCO排出量の削減を実現。さらにVLCCでは世界初となる風力推進補助装置「ローターセル」を2本搭載する。全長は最大339・5㍍、型幅60㍍、満載載貨重量は30万9400㌧。
出光タンカーは環境対応VLCC2隻に加え、26年以降に定期用船を行う4隻を合わせた6隻を環境対応船に入れ替える予定だ。
【写真】環境対応型の6代目日章丸(完成イメージ)
- IHIプラント・・・バイオエタノール生産実証設備受注
- 日本ソーダ工業会・・・2025年7月カセイソーダ出荷内訳、2025年7月のソーダ工業薬品需給状況
- 財務省貿易統計・・・2025年7月石化品輸出実績、2025年7月石化品輸入実績
- 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の8月国内出荷
- カーボンブラック協会・・・2025年カーボンブラック需要年央見通し
- 発泡スチレンシート工業会・・・2025年8月のPSP出荷実績
- 石油化学工業協会・・・エチレン換算輸出入実績
- 化学製品値上げ
・旭化成・・・アルミペーストを10月1日出荷分から1㌔㌘43円値上げする
・カヤク・ジャパン・・・産業用火薬類を10月1日出荷分から10~60%値上げする
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 日本化薬・・・車安全部品 拡販へ積極投資 アジア2拠点で増産
- 三井化学・・・名古屋工場 研究・量産の次世代モデルに
半導体材料の競争力強化
三井化学は名古屋工場(名古屋市南区)を次世代工場に進化させる。同工場は樹脂加工とケミカルの技術を蓄積。各プラントは単独で完結しており、新製品開発にも柔軟に対応できる。こうした特徴を生かし、研究から量産化までを担う中核工場に位置付け、名古屋発の技術を国内外の生産拠点に展開する。24年10月にはICTソリューション事業の共創空間「クリエイティブインテグレーションラボ(CIL)」を開所した。顧客やアカデミアとの協業を通じ新製品や新事業を創出し、半導体・次世代材料市場での競争力を強化する。
名古屋工場はICTソリューション事業の主力製品である半導体ウエハー用保護粘着テープ「イクロステープ」、リチウムイオン電池用電解液「ミレット」、フォトレジスト原料「ミレックス」などの開発・生産を手掛ける。その中心となるイクロステープは、ウエハーの裏面を研磨するバックグラインド(BG)工程で用いられ、表面の回路基板を保護する素材。はがしやすさや粘着力、クッション性など多様な顧客ニーズに応じ台湾TSMCをはじめ世界各地の大手ファウンドリー(半導体製造受託会社)向けに80種類以上の銘柄を展開、世界トップシェアを誇る。
【写真】クリエイティブインテグレーションラボ共創空間「ATTA」(左)とICTテストフィールド「DERA」
- ダイセル・・・新井でレジスト材 来期マイクロプラント実証
- トクヤマ・・・データ統合AI基盤 徳山製造所全部門に
- 三菱ケミカル・・・プラCR製品トレーサブルに
- 東レ・・・関東-関西間 ABS樹脂高速輸送 自動運転の効果検証
- 帝人フロンティア・・・再生ポリエス繊維タイで工業用増産
- ダウとフィオーリ・・・廃車分解せず PU回収再生