石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

デンカ・・・放熱材向け窒化ホウ素 球状ナノサイズ品開発

大牟田に 29 年メド新設備

デンカは放熱材料用高熱伝導フィラーに使われる窒化ホウ素粉末のラインアップを拡充する。従来品の課題だった「熱伝導の異方性」を解決する球状ナノサイズの新グレードを開発した。次世代のパワー半導体デバイスなどで求められる高度な放熱材料向けに展開する。大牟田工場(福岡県大牟田市)で29年をメドに新グレード専用設備を新設し量産化する。

  • クラレ・・・ポバール、新潟で塩ビ重合用増強 シンガポールも検討
  • クラッカー再編・・・年内に最終方針決定 西日本連携3社
  • 日本ゼオン・・・エラストマー、質重視に事業構造改革 米で水素化NBR増強
  • UBE・・・高純度硝酸、宇部で再増強を検討 半導体洗浄向け 需要増に対応

新社長インタビュー UBE 西田祐樹氏

スペシャリティで成長 新中計 前中計の1.5倍投資
「化学とセメント、機械を柱とした宇部興産は、セメント関連や機械事業の分社などを経て化学会社の『UBE』となる。今の事業環境は過去に例のない変革期。その中で社長を任されたことへの責任とともに大きな誇りを感じ、やりがいもある。これまで取り組んできたポートフォリオの転換を加速させ、スペシャリティ化学企業として成長を追求していく」
同社は30年度までの6カ年中期経営計画を策定した。スペシャリティ化学企業へ進化することで30年度に売上高5500億円、営業利益600億円、ROE9% を目指し、さらに35~40年度には売上高1兆円、営業利益1千億円、ROE10%超を視野に置く。新中計をリードするのが4月に就任した西田社長。
現在、スペシャリティ事業と構造改革事業の売上高比率は半々。30年度の売上高はほぼ化学事業だけで実現し、その75%(営業利益は85%)をスペシャリティで確保する。売上高1兆円は「スペシャリティを9割以上に引き上げることで実現し、利益率も高める。既存事業の延長で7千億円程度を確保し、残る3千億円程度はM&Aを含むインオーガニックな成長で実現したい」。

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クラレ・・・細胞培養足場材、再生医療向け海外展開

アニマルフリー品も発売

クラレは、再生医療用細胞の培養に用いる足場材であるマイクロキャリア(微小粒子状細胞固定化担体)「Scapova(スキャポバ)」の海外展開に乗り出す。8~9月に米国で、26年初頭に欧州で発売する。同事業の育成を加速させる。

  • ADEKA・・・PP用透明化剤を展開 新製品、150社超から好感触
  • サイエンスコ・・・PPA、オレンジ色調を追加 EV高電圧用を拡大
  • プライムポリマー・・・パウチキャップにバイオマスPPが採用
  • 日本化薬・・・HUD用遮光板、売上高20億円超へ 偏光機能で差別化
  • 日本化薬・・・CO大量資源化 電解液でPJ参画
  • サンアプロ・・・PFASフリーGa系PAGを展開 高透明・耐黄変訴求
  • UBEエラストマー・・・ISCC認証BR 本格販売を開始

中央化学 室園康博社長に聞く

大手食品容器メーカーの中央化学は、24年度から5カ年の中期経営計画を推進中だ。経営方針として事業基盤の強靭化、製品ラインアップの拡充、環境対応への取り組み強化を掲げる。特に環境対応製品では業界のトップランナーを目指し、紙製容器やでんぷん配合容器に加えて、25年度は新たな環境配慮型製品の上市を予定している。就任3年目を迎える室園康博社長に今後の成長戦略を聞いた。
◇   ◇
 ―事業環境について。
24年度は原燃料価格の高騰と物価上昇による消費低迷で非常に厳しい事業環境となった。結果として販売数量は減少したものの価格改定の浸透により一定の利益は確保できた。足元では生鮮食料品価格は落ち着き始めるが、依然として高止まりが続。25年度は収益改善が期待される一方、本格的な需要回復には時間を要するとみている。
 ―事業基盤の強靭化の進捗は。

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  • 塩化ビニル樹脂(PVC)・・・印向け7月価格上昇 2ヵ月連続 中東危機でフレート高
    塩化ビニル樹脂(PVC)の7月分のアジア輸出価格は、地政学リスクの高まりによるフレート(海上輸送費)の急騰を受け2カ月連続で上昇する見通しだ。インド向けが1㌧780~810㌦(6月は750~770㌦)、中国・その他向けが7 2 0 ㌦(同7 1 0㌦)で決着する公算が大きい。
  • 三井化学・・・大阪に自動化ツール タンク繰り合理化
  • UBE・・・フェノール樹脂、宇部に第6工場の増設へ検討開始
  • マイクロ波化学・・・横浜市にラボ開設
  • BASFジャパン・・・製紙用薬剤新製品 国内生産スタート
  • BASF・・・韓国に技術拠点開設
  • 日揮・・・民間ロケット試験新設EPCを受注
  • 化学品WG25年度方針・・・持続可能な物流へ
    化学・物流企業81社が参画し持続可能な化学品の物流網の構築を目指すフィジカルインターネット実現会議・化学品ワーキンググループ(WG)は、発足3年目となる25年度の活動方針を発表した。トラック運転手の時間外労働への規制が強化された「物流24年問題」に対する取り組みをさらに推進するため「商慣行
    の見直し」と「物流DXの推進」の2項目を重点施策として進める。
  • 塩ビ工業・環境協会(VEC)・・・5月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 日本スチレン工業会・・・2025年5月受払表
  • 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・5月のOPP・CPP出荷実績
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の5月国内出荷
  • 日本化学繊維協会・・・5月の合成繊維生産・在庫量
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2025年5月のPSP出荷実績
  • カーボンブラック工業会・・・4月のカーボンブラック実績
  • 化学製品値上げ
    ・クラレ・・・活性炭と関連製品(活性炭繊維、不織布、浄水器用成形体など)を国内外で7月1日出荷分から20~40%値上げする

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日本化薬・・・エアバック用インフレーター アジアで増産拡販

シリンダー型に力

日本化薬は自動車安全部品をグローバルに展開するセイフティシステムズ事業でエアバッグ用インフレーター(IF)のアジア市場拡大を加速させる。特に注力するのは今後の搭載増が見込まれるシリンダー型。拡販に向け日本(姫路工場)、中国に続きマレーシアでも1系列を今春立ち上げた。需要が急増するインド市場でも今期中に市場調査などのための現地子会社を設立し販売活動を本格化させる方針。
中国でスクイブ生産 数年後メド

  • 出光興産・・・PX・アロマ・SM 国内供給網を堅守 持続可能な原料 量産を促進

宮岸信宏基礎化学品部長

出光興産は石油精製系石油化学メーカーとして長年、千葉と徳山の東西二つのコンビナートで起点となるエチレンセンターの役割を担ってきた。国内石化の構造改革が加速する今、その要点を担う出光興産の宮岸信宏基礎化学品部長(7月1日付で執行役員に就任予定)に話を聞いた。
―石化基礎化学品は厳しい状況が続いています。
パラキシレン( PX)は24年も中国で大増設が行われ、特に下期はガソリンの海外市況が悪化し、ガソリンからPXへの生産シフトが進んだ。中東やインドでもPXは増産され、より大幅な余剰を囲うことになり、市況は大きく落ち込んだ。
一方、誘導品のポリエステル需要は新興国を中心に堅調に推移している。PXの増設は25年も続くが、24年までに大型増設は一巡したという認識だ。アジアや世界のポリエステル需要は今後も確実に伸びるので、市況も足元を底に多少は良くなると期待感を持って見ていきたい。

  • 日油・・・防衛用火薬を増産 5年で1000億円投資
  • 積水化学工業・・・車両射出成形品工場 インド6番目を建設
  • クラレ・・・光学用ポリビニルアルコール(ポバール)フィルム 大型TV向け増産 西条、200億円投資
  • BASF・・・仏でHMD工場稼働
  • 三井化学・・・培養脂肪開発 英新興に出資
  • 帝人フロンティア・・・滋賀・竜王町に物流倉庫を開設 7月
  • 三井化学・・・中国フェノール合弁 現地出資企業に譲渡
  • ユニチカ・・・繊維事業譲渡先4社が続々決定

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